善光寺西参道3 松本宿→洗馬追分〔完〕
「一生に一度は善光寺参り」
善光寺をお参りすると極楽往生できると江戸時代から言われてます。
善光寺に通ずる主な参道は二つあり、東は中山道追分宿から向かう北国街道(善光寺東参道)と、西は中山道洗馬追分から向かう善光寺西参道。
北国街道は一昨年に歩いているので、今回は善光寺西参道を、篠ノ井追分から洗馬追分を目指します。
2024.07.22
1.松本宿
松本の城下町は、南の方面にはあまり広がっていなかったのか、川を二つ渡ると、町の雰囲気ががらりと変わりました。
城下町がある宿場町の雰囲気は独特で、商人の町と武家の町が分けられていた名残を感じる事が出来ます。
街道沿いは殆どが商人の町なので、天守閣の近くを歩く事が殆ど無く、立ち寄らない事が多々あります。
今回の松本城も同じで、何度も訪れていたので立ち寄ってません。
大名行列は、城下町は何かと堅苦しいので宿泊を避ける傾向があった様で、高崎宿の近くにある中山道の本庄宿は、高崎城があったから賑わったとも言われてます。
実際に歩くと、往時の賑わいがあちこちから感じる事が出来ます。路面に中山道の全六十九宿のタイルが貼られていたりして、街道愛に満ちた宿場町でした。
中山道本庄宿を歩いた時の記録はこちら↓
2.出川
雀おどり。
松本盆地の屋敷の屋根でよく目にします。烏おどしとも呼ばれており、鳥が翼を広げた姿に見えます。
丸正醸造。
信州味噌や醤油の醸造元。朝食がまだなので味噌汁が飲みたくなってきます。
多賀神社。
滋賀県多賀町の多賀大社の分霊を祀っています。
中山道の滋賀県内を歩いていた際に、多賀大社参道に妙に大きな鳥居があった事を思い出しました。
写真を探しましたが見つからず、残念ながら撮影していなかった様です。
近江屋、越後屋、伊勢屋。
よく目にする屋号の由来は、その地方出身者が営む店です。
上の画像の江戸屋は、江戸出身者が地方に出店したと思われます。江戸屋の屋号をあまり目にしないのは、江戸は人口が多かったので、わざわざ地方に行かなくても商いが成立したからでしょう。
よく考えると現代でもそれは同じで、東京発祥で全国に広がった小売店より、地方から全国に広がった小売店の方が多い気がします。
名古屋市まで190km。
2ヶ月前に東海道宮宿と中山道垂井宿を結ぶ美濃路を歩いた際に、熱田神宮近くの交差点で国道19号の起点の標識を発見しました。
いろんな場所で街道が繋がっている事を感じる瞬間です。
美濃路は約50kmの脇往還ですが、様々な歴史と文化が残されており、歩き応えがあるお勧めの街道です。
美濃路を歩いた時の記録はこちら↓
3.村井宿
無性に牛丼食べたくなる時ってありますよね。
数百メートル手前にスターバックスコーヒーが、そして目の前には星野屋珈琲店があるのに、身体が牛丼を求めてました。
先程丸正醸造を見て、味噌汁が欲しくなった事も影響しているかもしれません。
街道歩きの朝食で、すき家で食べるのは二回目。
不思議だと思うことがあるのですが、
例えば一昨日の夕食ってなかなか思い出せませんが、旅行中の食事は何年も前の食事も覚えてます。
これは旅の魔法ですよね。
同じ様に街道の食事も鮮明に覚えてます。前回すき家に入ったのは、陸前浜街道の茨城県北茨城市の国道6号沿いでした。↓
陸前浜街道を歩いた時は、寒くて震えながら歩いていたので、味噌汁が五臓六腑に染み渡りました。
陸前浜街道を歩いた時の記録はこちら↓
萌える道幅。
街道を歩いていると、常人には気が付かないポイントで萌えます。
その一例が道幅。上の画像の道幅は、萌えレベル五段階評価の5です。
その他街道で萌えるポイントは、
桝形・曲線・坂道・追分・畷など、人それぞれですがたくさんあります。
上の画像の道幅は、萌えレベル4です。
わかりづらいですよね…
食堂SS。
どこかで見たような、いや入って食べています。
3年前に中山道を歩いた時でした。
その日は長野県の知人3人と歩いており、お昼は奈良井宿で蕎麦でもと話しいた最中、その手前の緩やかな昇りの坂道の途中に食堂SSがありました。
みんなこの店のオーラにくぎ付け。
引き込まれるように入店します。
整然と並ぶ壁一面のメニュー。
レバニラ炒めを美味しくいただきました。
調べたところ前回訪問した店は後継者不足で休業中の様です。
食堂SSに立ち寄った時の記録はこちら↓
精肉店の看板に、馬肉・ジンギスカンとあります。
長野県は馬肉文化が根付いていた地域。年老いた農耕馬を食べ始めたのがきっかけと言われてます。
広丘小学校。
塀がない小学校、広々として雰囲気がとても良いですね。
道標に東京と記されているので、明治以降に建てられたのものです。
こちらの精肉店でも馬肉を推しています。馬肉食べたくなってきました。
4.郷原宿
郷原宿の街並みは緑が豊富で、とても美しかったです。
郷原宿はここまで。
あと少しでゴールの洗馬追分、本日は4里程度なのであっという間です。
変電所の真ん中を歩きましたが、普段目にしないような大きな機器が音も無く動いています。
マニアの人には堪らない光景なのでしょうね。
ブドウ畑が増えてきました。
暑いのでキンキンに冷えた白ワインが欲しくなってきます。
5.洗馬追分
日本アルプスサラダ街道。
長野県塩尻市から安曇野市の間の、果物や野菜の畑が広がる区間約30km結ぶルート。面白い発想ですね。
木曽・洗馬の標示が出てきました。
木曽の二文字を見ると、中山道を歩きたくなってきます。
そろそろ中山道の、復路を歩く計画を立てたいですね。
洗馬追分に着きました。
この先は前回立ち寄れなかった名勝を訪れる事にします。
あふたの清水。
木曾義仲の疲れ切った馬がこの清水で脚を洗うと、元気になったという伝説が、洗馬の名の由来といわれています。
善光寺西参道はこれにて修了。
只今の時刻は12:58、まだまだ時間が余ってますので、この後は鉄馬車(電車)に乗って、前回中山道を歩いた際に立ち寄れなかった、寝覚めの床を観光します。