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中山道7 本庄宿→高崎宿

▽1991年3月
23歳 30年勤めた会社の入社前に、東海道を歩きました。
▽2021年3月
53歳 30年勤めた会社の退職後に、中山道を歩き始めました。

京都まで一気に歩く、"気力"、"体力"、"時の運"、が無いので、行けるとこまで歩く事を繰り返します。

2021.05.01



1.街道歩きおじさん祭り

金と時間を持て余している?
街道に人生の道をなぞっている?
そんなおじさん仲間が何人かいます。

その中のジャイアン的存在の先輩から、
「おい!樋口!今日も歩くのか?俺はこれから歩くぞ!」みたいなメッセンジャーと共に届いたのがこのパンチのある写真。

のび太的な私は、ジャイアンに追いつかれないように⁈、頑張って歩こうと誓いました…。

もう一人の甲州街道を歩いてるドラえもん的仲間は、今朝は門司港です。


ドラえもんは、他に類をみないトラベルライターで、四次元ポケットから出てくる様な、変幻自在な妄想族的な旅ブログシリーズの、神出鬼没な動きは松尾芭蕉並です。↓

唯一高崎線と旧中山道が並走する区間を、車内から撮影しようと、何気なく撮影したのがこの一枚。
前々回歩いていた時に発見した、成田菊水ホテルの看板広告がバッチリ映ってました。

その後高崎線で黄昏ていると、ジャイアンから突然こんなメッセージが届きます。


日本橋の絵を思い出して即答したのですが、何か引っかかるものがあり、昼の休憩時に調べたら、左側通行でした。

侍の刀が右側通行だとぶつかってしまうとか、左側通行だと刀を抜いて戦いやすいとか、
諸説あるそうです。

おじさん祭りはこの辺で終わりにして、中山道に戻ります。


2.本庄宿って

本庄駅は、私がさいたま新都心のオフィスに勤務していた頃、毎月仕事で来てましたが、中山道と反対側の出口から出て、レンタカーを借りて群馬県境の山間の仕事先に通っており、中山道沿線は、通過したことすらありません。

本庄について予習していると、中山道最大の宿場街だったというではあ〜りませんか!

先週本庄駅まで歩いてきた時も、道中そんなに栄えてなくて、駅前のゆるキャラの写真を撮影したくらいで、どこが最大なのかわかりませんでした。

3.本庄宿何があるんだ?

歩き始めてまず目に入ったのが、スナック天国、さてさて、どんな天国なのでしょうか。

駅から中山道まで歩いていると、歩道の横に何やら立派な山車の画像が、いやいや、なかなかです、ライトアップもされている。
お金がないとここまでの山車は出せないし、この街には何かあるぞ!期待が膨らみます!


中山道に入るといきなり、貫禄十分な蔵が、壁が割れてましたが、期待が更に膨らみます。

うなぎの寝床の痕跡を残す建物がいくつかあり、奥の方には結構蔵が残ってます。


こちらは年季の入った蔵の内装を綺麗にして営業しているカフェ。



他にも素敵な蔵があちこちにありあります。


ここは埼玉県ですが、本庄市と接していない栃木県の足利銀行が立派すぎて驚き。質の高い大谷石をふんだんに使ってます。
これはひょっとしたら、お蚕様の絹を足利と取引していた頃の名残かもしれません(妄想)。



4.本庄の赤煉瓦

あらわれた標識、"旧本庄商業銀行"、えっ銀行があったなんて⁈

この立派な赤煉瓦が銀行の建物で、最近までケーキ屋さんでしたが撤退され、現在は本庄市がインフォメーションセンターとして引き継いでいます。

中に入り驚いたのは柱が無い事です。地震が起きても崩れない積み上げ方には、感心するばかり。
ちなみに当時銀行では、お金を貸す担保として、ここに繭を保管していたそうです。
恐るべしお蚕様!

積み方は、勉強したのですが、長い面と短い面を、縦一段毎に交互に積み上げるイギリス式です。
ちなみにフランス式とは、長い面と短い面を交互に横に並べます。

最近はレンガをみると積み方が気になって、マジマジと眺める様になりました。

なんと、全国赤煉瓦番付まであります。
インフォメーションセンターの方が、丁寧に色んな事を教えてくださり、学びの良い時間になりました。


埼玉県発祥!日本初の自転車の模型。
知らなかったぁ。
埼玉県は自転車保有率全国1位で、30人に1台だそうです。
※我が家は5人家族で5台。

5.本庄の街あれこれ

その他、味のある建物やお店がいっぱい。
最後の写真の、"八百愛"さん、愛がつく八百屋さん初めて見ました。


6. 金鑚神社

宿場街の最後に登場した金鑚(かなさな)神社。
ただならぬ雰囲気を持っており、社殿には見事な木彫りが、鮮やかな色彩に塗られてました。
栃木県に近いので、日光東照宮の影響かもしれませんね。


7.中山道愛

本庄宿には、中山道を記した表札や石柱が全くなく、そこに愛はあるのか?など思っていたら最後にありました!
赤煉瓦の歩道に六十九宿の名前が記されてます、素敵です。
蕨宿でも、歩道に同じ様に描かれてました。


インフォメーションセンターで、丁寧にご案内してくださった方に、是非また来てくださいと3冊の本をいただきました。
また来ます!



8.本庄宿を過ぎた先


不思議な建物や、馬頭観音、恵比寿様の鬼瓦、などなど長閑な風景が続きます。
こういう風景って、不思議と心がホッとして、私は結構好きです。


9.餃子無人直売所⁈

突然あらわれたこのお店、以前も中山道のどこかで見た気がしましたが、まぁお腹空いてないしと素通りしようと思ったら、のれんに"無人直売所"と書いてある。これは入るしかない。

自販機があるかと思ったら、違いました。
えぇ、お会計ど〜すんの?

料金箱に入れるのです。
監視カメラが目を光らせてましたが、これは経費削減ができますね!


途中に開店前から並んでいるラーメン屋さん発見。街道歩きは蕎麦屋に限るので、スルーします。ジロー系の極々太麺みたいですよ。


10.上里町

中山道埼玉県内最後の町、最後の埼玉を満喫します。風景が一気にのどかになり、身も心もリラックスできます。

高崎線神保原駅が最寄駅。
明治時代に、石神村・忍保村・八町河原村が合併して神保原村に、その後戦後の合併で上里村になり現在は上里町となってます。


この店はなんでしょう?
看板のイラストはポパイのオリーブですよね、可愛らしい店です。調べましたがなんの店かわかりません。


こちらは浅間山古墳、周りにたくさんの花が植えられていて、地域のみなさんに愛されている場所なんですね。



のどかな風景が続きます。



途中でトイレを貸してもらった公民館、館長さんと思われる方が、中山道のお話をたくさんしてくださりました。
入り口の獅子舞、良かったです!



蔵を修理してます。維持費は想像以上にかかりそうですね。


11.さようなら埼玉県

さぁ、神流川を渡ります、いよいよ群馬県に入ります!埼玉県さようなら!



橋を渡ったのに、群馬県の表札が出てきません。普通は川の真ん中が県境なのですが、神流川は暴れ川と呼ばており、かつては流れがよく変やってました。
昔の川の流れで県境を定めた後に、川の流れの位置がずれてしまったからだそうです。
荒川沿いにもあると、先程の館長さんが言ってました。


12.こんにちは群馬県

群馬県高崎市です。東京から94km、コツコツ歩いてまだ100km行ってないと、今更ながら愕然としました。


この木の表札、この後群馬県内でずっと案内をしてくれます。次の場所までの距離教えてくれるので、とても助かります。


13.新町

この常夜灯は、かつて神流川が暴れ川だった頃、夜中山道がどこにあるのかわからなくなる事が多かったので、置いたそうです。


ガトーハラダは高崎が本社、1枚目の写真が工場直営店、2枚目の写真中央奥が創業の地。
今日はコロナで工場見学はやってませんでしたけど、温かなラスクの試食ができるんですよ!

14.藤岡市

17号線と離れ藤岡市に入ります。国の登録有形文化財の、川端家住宅本日はお休みでした。カフェがあるようです。


花畑の中を抜けて、烏川の土手の上を歩きます。グランドでは大学男子のソフトボールの試合が盛り上がってました。



年季の入った烏川の橋を渡り、再び高崎市に。



15.倉賀野

高崎のひとつ手前の倉賀野、上品な感じでなかなか良い街中でした。


日光例幣使街道との分岐で、かつてはさぞ賑わった事でしょう。


黒をベースにした建物が多く、シックな感じ。
インフォメーションの建物に入り小休止。


庚申塚の周りの草むしりを地元の方が、丁寧にされている姿が印象的でした。

16.高崎宿

だるま弁当のたかべんがお出迎え!
こんな大きな工場だったんですね。


17号をくぐり、新幹線をくぐり、上信電鉄を渡り、高崎の街中に入ってきました。


九重ねぼけ堂、なんで"ねぼけ"なのか、とても気になります。

閉店しちゃったんですね。名前の通り北海道の海鮮料理を出す店、評価が高かったので残念。



こちらは、かつ丼推しの店。
ただならぬ雰囲気を持っており、気になり調べてみると有名な店でした。

群馬独特のタレをつけたかつ丼、400円からとお手軽過ぎます、行ってみたい!



17.二度死をみた先輩と再開

こんな面白い先輩見たことない、初めて出会ったのは25年位前でした。高田純次さんみたいな感じでいて、緻密な性格の持ち主で、いつも会うと笑いっぱなしです。
自衛隊→国鉄→JTB、という異色の経歴の持ち主。

4年前に脳梗塞、2年半前に心臓の病、今年に入り救急車で搬送、先週ドクターストップが解禁となり、一合なら大丈夫との事でお付き合い頂きました。

渋川からご足労いただき、ご馳走にもなってしまい、本当にありがとうございました、長生きしてください! 


18.ゲストハウス

中山道沿いに泊まれる場所探してたら、ゲストハウスを発見。泊まったことなかったので、即予約。
他のゲストさんと相部屋になるのですが、気の使い方は昔の二段ベッドの夜行列車や、船の雑魚寝をイメージすれば、全く苦ではありません。
音を出さずに過ごせば良いのです。
2階が宿泊スペース、1階がカフェ。

写真上段
 共有スペースのキッチン
写真中段
 共有スペースの和室
写真下段
 ベッド

ゲストハウス外観。

スタッフさんと、近所の常連さんと、"上毛かるた"について、じわじわと後から可笑しくなってくる話。
韓国から働きに来ているゲストさん、ほっそりとした私の娘位の感じでしたが、神奈川から自転車で来て明日草津に向かうという、なんとも逞しい話。
人との交流の大切さを、久々に体感した、とてもいい時間でした。


19.上毛かるた

上毛かるたをご存知でしょうか?
ラジオ体操を踊るかの如く、群馬県民はかるたをスラスラ暗唱します。
例えば会社の集まりで群馬県民が何人かいると、並んでもらい周りが何か50音の一文字を指定すると、面白い様にスラスラ答えます。
明日中山道で安中まで歩くと言うと、スタッフさんがすぐに、
「なかせんどうしのぶあんなかすぎなみき」
と反応します。

1番ウケたのが、小学校の頃県大会があったらしく、優勝したらその次、全国大会があるものと思っていたら、群馬県民しか県民かるたをやってなかった事への子どもなりの驚き。
後からじわじわ来ました。

翌朝は松井田宿を目指します

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