東海道 復路14 (姫街道)気賀宿→見付宿
31年前、卒業旅行で東海道を江戸日本橋から京三条大橋まで歩いたので、今回は江戸に向けて歩きます。
調べたところ、大坂高麗橋が起点の様なので少し長めの、東海道"五十七次"の独り珍道中を始めます。
2023.01.09
1.気賀宿
細江神社。
御神木が立派で敷地内に姫街道の資料館がありましたが開館前、次の機会に立ち寄りたいです。
関所の建物の一部が路地裏に残っています。こんなに狭いところにある関所跡は珍しいですね。
小さな峠を越えた先の台地を進みます。貯水タンクに描かれた大きな姫の絵、気賀宿は"姫"推しですね。
写真の犬の散歩中のご婦人。
ご挨拶して姫街道を歩いていると話をしたら、
「"姫様道中"知ってるかい?」
と聞かれ、先ほど見た貯水タンクに書いてありましたが知らないというと、
「姫様の行列を再現した祭りでその年の成人女性で選ばれた1人がお姫様役となり、駕籠に乗り行列の主役に。私は選ばれなかったのよ〜、審査員は見る目がないわよね〜」
と説明してくださり更に、
「今日は私の誕生日、お会いできてよかった!NHKの俳句番組に投稿してて詠まれたことがあるのよ、宜しくね!」
と言い、彼女が自ら今朝考えた句を詠んだら、颯爽と去っていきました。
本日のルート上からは、見えるはずが無い浜名湖が見えてきました。
そうです、道を間違えてました。
常夜灯の丁字路を左折するところを右折してしまい、往復で1時間弱のロス、街道歩きでは1ミリも後戻りしたくないので、精神的に1番凹みます。
道を間違えて戻ったので、予想通り先ほどの姫街道中OGとすれ違います。
「また会えたわね、今日は私の七十七回目の誕生日、自宅は鉄塔の近くなので、今度来たら寄ってね!」
と言い颯爽と去っていきました。
お姫様、いつまでもお元気でいてください。
2.イヌマキの生垣と路地ミカン
イヌマキの生垣をよく見かけます。
遠州ではホソバとも呼ばれており、風除けになり害虫がつかないとか。綺麗に刈り込まれたホソバは、見ていると心落ち着きます。
路地ミカン販売所が頻繁に出没します。これだけ売っていると、誰が買いに来るのか気になりますね。
DVD販売機コーナー。
先日テレビで国内でも稀になったと、マニアの人が遠方まで訪問している様子を放送してたので、勇気を持って入ってみました。
昔の街道には同じ様なコーナーがあったとしたら、"春画"の販売ですかね?
3.姫街道の松並木
姫街道と名がつく店が増えてきます。
想像以上に地域に愛されている街道である事が伝わってきて嬉しくて堪りません。
権七店、今でいうところのコンビニエンスストアの様な存在。タイムスリップして往時の賑わいや旅人の会話を、体感したくなります。
ローソンでトイレを借り、飲み物を飲みながら松並木をぼ〜っと眺めていたら、タイムスリップをした様な気分になりました。
現代では、コンビニが茶屋の様な役割を担ってます。
4.三方原追分
宇都宮市と餃子一位の座を競っていた浜松市、確かに専門店が目に入ってきます。昨年は宮崎市が一位になったとか。
5.餃子のまち
三方原台地が終わり、坂を降り始めます。歩いていると高低差に敏感になり、ちょっとした地形の変化にも、気がつく様になってきました。
三方原追分で浜松宿に向かう姫街道と別れ台地を降りると、姫街道の賑わいから外れた感じになってきます。
浜松宿に向かう姫街道の方が、賑やかなのでしょうね。
6.市野宿
この辺りで昼食を食べないと、食べ損ねてしまいそうなので、静岡以外には進出しないハンバーグの"さわやか"を発見したので、涎を垂らしそうになりながらお店に。
私の家族は、このハンバーグを食べに静岡まで旅行をするくらいで、私以外は全員が食べてます。
これで会話に入れると思いきや、店に入ると残念なことに1時間待ち…
結局いつもの醤油ラーメンに落ち着きました。
国道1号を渡ります。
道幅が広すぎてキョロキョロ歩いていたら、道の真ん中で信号が変わってしまいました…
7.東海道と重複区間
突然東海道が現れて驚きました。
予習が毎度甘くてこうなるのですが、天竜川付近は重複している様です。
この付近は昨年夏に歩いてますので、目をつぶって歩けそう。
8.天竜川
天竜川は広い。このくらい幅があると、川の向こうには別の世界があるのかと思うくらいです。
昨年6月、東海道を西と東から歩いていた街道仲間二人が、ほぼ中間地点の見付付近ですれ違う日があり、その瞬間に立ち会おうと、駆けつけて浜松宿から見付宿まで歩きました。
その時は天竜川を話しながら渡った為意識してませんでしたが、1人で渡るとこんなに長かったのかと改めて感じます。街道の景色は、歩く人数によっても変化するから、面白くて飽きないですね。
見付宿で街道仲間がすれ違った時の記録。いい大人が何やっているんだと思いながら、街道のお陰で、いい想い出がたくさん積み重なっていきます。
池田の渡し歴史風景館。
こぢんまりしてますが、無駄がなくて伝わるものがありました。
池田とは当時の村の名前、明治に入り橋が架けられるまでは、相当賑わっていたと思われます。
9.見付宿
午前中歩いた三方原台地は、畑の土が赤かったのですがこの付近は白。
天竜川が近いから、川が運んでくる砂の影響でしょうか、歩いているとこんなことにも気が付きます。
見付の街灯りが見えてきました。
この先、どんな形で東海道と合流するのか楽しみ。
個人的感情ですが、街道歩きの目的地に着いた瞬間は、毎度毎度大きな感動がなく、その瞬間の前後からじわじわと小さな満足感と感動が永続きします。
今がそのじわじわの瞬間なのでしょうね。
目的地に着く直前くらいから、次の街道歩きの事を考えてしまうから、感動が薄いのかもしれません。
なんと現役の常夜灯が活躍しているではありませんか!
周りにある街灯とは違った役割、地域を見護っている道祖神や辻地蔵の様な存在感です。
昨日みた常夜灯では、近所のご婦人が
「昨年まで蝋燭の火を灯していた」
と話していた感動が蘇りました。
何度も何度も常夜灯をふり返りながら、終点を目指します。
浜松の酒、出世城を楽しみながら帰宅。
姫街道は常夜灯に始まり、常夜灯に終わりました。
暫く週末の仕事が続きますので、1ヶ月半後に再開予定。