東海道 復路1 (京街道)大坂高麗橋→枚方宿
31年前、卒業旅行で東海道を江戸日本橋から京三条大橋まで歩いたので、今回は江戸に向けて歩きます。
調べたところ、大坂高麗橋が起点の様なので少し長めの、東海道"五十七次"の独り珍道中を始めます。
1.出陣前夜
前泊で大阪に入り、出陣初日に備えます。腹ごしらえは"ふわふわ"のお好み焼き。
学生の頃はお好み焼き屋でバイトをしており、生地の仕込みやお客様の前で焼いたりしてましたが、どうやったらこんなに"ふわふわ"になるのか、感動の味でした。流石"粉もん"文化の先進地域ですね!
大好きな御堂筋線梅田駅から地下鉄で移動。ヨーロッパの地下鉄の駅みたいで、ドーム状になっており、とても美しい構造です。
そうそう、大阪はエスカレーター、右に並ぶのでしたね、忘れてました。
淀屋橋から中之島を散歩しながら、今夜の旅籠を目指します。
イルミネーションのシーズンですね。いつの間にか高層ビルが増えててビックリ!
2.大坂高麗橋
高麗橋に立ちました。
東京から街道を歩くときは、"日本橋に立つ"、という言葉を使うのが好きですが、今回は日本橋を目指す初めての行軍。参勤交代で言うところの、参勤になります。
歩き始めました。
普段は土休日に歩くのですが、本日は平日なので、通勤の人や自転車や車の流れが、慌ただしく動いてます。
キョロキョロしながら歩く街道歩きは、慌しい平日は避けたいところですね。
大坂城か大阪城、どっちが正しいのだろうか?どちらでも良いらしく、明治以前が"大坂城"、明治以降は"大阪城"の様です。
大阪ビジネスパークにそびえ立つツインタワー、OBPパナソニックタワー。
噂に聞いたのですが、大坂城の天守閣からツインタワーの間を望むと、その先には門真市にあるパナソニック本社が見えるそうです。神がかってますね…
3.京街道と商店街
京街道の文字が大阪環状線のガードに記されており、急にテンションが上がってきました!
通称リブストリート、入口では巨大な真実の口が世相を語っており、商店街のホームページにも同じコメントが載ってました。
刀剣の店が、刀術を教える道場を運営していました。恐る恐る除くと、甲冑が置いてあり怖くなり退散。
竹をスパッと切る瞬間は、さぞかし気持ちが良いのでしょうね。
小学生が可愛らしくて、目を細めていたら道に迷い、ウロウロしてたら年季の入った、入るにはハードルが高い喫茶店を発見し、迷わず入店。
とても美味しかったです。
旭区は街道愛が深く、彼方此方に京街道の表示と説明看板があります。
千林商店街も街道愛に溢れています。ここも旭区でした。
東海道ではベーカリーと和洋菓子店を撮影し続けてみます。地域性や傾向が見えてくるか、楽しみです。
旭区に沢山ある、謎の路面の表示。50m間隔で存在し、その付近だけ舗装の色が茶色、マンホールではなく、区の紋章でもなく、誰かの家紋なのでしょうか?
4.守口宿
国道1号を少し歩きます。
日本橋に着くまで、何度も交わったり、歩いたりする旅の友になります。
東海道五十七次の幟が立ってます。
江戸・品川宿の文字が見えると、嬉しくなってきますね!
5.文禄堤
歩いていると、突然小さな橋が現れ、下に川が流れているのかと思ったらそこには道路が。
明らかに地形としては変なので、不思議に思っていたら、秀吉が整備した堤防道"文禄堤"の説明看板があり、驚きと感動でしばらく立ちすくみました。
文禄堤の説明看板の東海道五十七次全宿場の地図。
まだこんなに先が長いのかと、可視化すると遠さが実感できます。気が遠くなってきました。
住宅地の中に突然現れた一里塚。
往時の人々と同じで、街道を歩いていると、想像以上に達成感が味わえます。
街道歩き仲間が、真夏に京街道を歩いた際に、"淀川の土手にやられた"と何度も語っていた場所に来てしまいました。
地図を見るとニ里あるので、2時間弱の単調な道になるのでしょう…
6.淀川土手
街道仲間の会話で、
「○○街道の、○○宿から○○宿の間は"修業"道だった」
といった会話が出ます。
"修業"とは、
交通量の多い国道沿いだったり、大河があり橋まで迂回する場合など、精神的に辛い道。
それを上回るのが"荒業"、
熊との心理戦、山蛭に血を吸われる、など精神的かつ肉体的に追い込まれる道。
今回2時間近く淀川の土手の上歩いた区間、なかなかの修業道で、ここを真夏に歩いたら日陰がないので、荒業道になると思いました。
滋賀県名物の"飛び出し棒や"が登場し始めました。明日には滋賀県に入る事を実感します。
7.枚方宿
船宿鍵屋は、枚方宿の中心的な施設となっており、往時の面影を感じられる数多くの展示がありました。
舟運と街道が交わる宿場の賑わいを、タイムマシンで戻って眺めてみたいものです。
枚方宿の中心部。
菊の花が多くの旧家の軒先に飾られており、とても美しく品格がある宿場町でした。
枚方宿の歴史的景観地区の道は、細かい砂利が敷き詰められ、薄茶色に舗装されてます。
街道を歩いていると、どんな道標よりも助かるのが、道路の舗装です。
中山道の中津川市内がそうでした。
8.かささぎ橋
今日歩いていて、枚方市内に不思議な形の高層建築物が見えており、何だろうと思いながら、街中の素晴らしさに忘れていた頃、同じ形をしたモニュメントが突然現れました。
枚方宿東見附、かささぎ橋の左岸に経つモニュメントです。この様な気づきも、街道歩きの醍醐味です。
川を渡ると町の風景が変わる様な気がします。
少しずつ移り行き、文化も風景も少しずつ、変化していきます。
9.夕暮れの街道
朝は登校する学生、夕方になり帰宅する学生、太陽が傾き、人の流れが逆になってきました。
なんとなく、せわしくなってきます。
樟葉駅前に淀川河川敷のゴルフ場があります。私が見た中で日本一駅に近いゴルフ場でした。
いつの間にか京都府に入ってました。日が暮れたので本日はここまで。夏ならばもう一駅いけてたのですが、仕方ないですね。
明日は大津宿を目指します。
夜は沿線に宿泊施設がないので、少し戻って門真市に宿泊。
ホテル近くのピザレストランで、まったりとしたひととき。
マスターと話をしたら、お店を出す時に、守口宿の京街道文禄堤の物件も候補に挙げていたそうで、思わぬ形で街道話に花が咲きました。