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この歳でタイパ感覚覚醒か
「日曜はダメよ」みくばんP feat.初音ミク 2分30秒
「みそみそうみゃあ」清水藍(with みくばんP)feat.初音ミク、MEIKO 2分
「楽耳未来神社」清水藍(with みくばんP)feat.初音ミク、MEIKO 2分19秒
一昨年から僕が作編曲を担当したボカロ楽曲のタイトルと曲の長さです。
ボカコレ2021秋向けに自分名義で作った「日曜はダメよ」という曲は、60年代前半の洋楽ポップスをイメージしていたので、そもそも「曲が短い」との自覚がありました。
ところがボカコレ2023春で作った「みそみそうみゃあ」は、実質2分を切る短さでした。
かつての自分なら「最低2コーラスは必要」という信条がありました。
しかし最近は長々と曲を作ろうと考えなくなってるんですよ。
例えば名古屋メシを羅列したラップパートをもう1個作ったところで、たいして変わらない、もしくは名古屋メシの羅列を超えるインパクトは出せない、それならフィニッシュしちゃえ、と終わらせたのです。
そしてボカコレ2023夏の「楽耳未来神社」では、その傾向に拍車がかかっています。
同じリフで四文字熟語を羅列するAパート、「神棚拝詞」のBパート、そして番組ジングルを挟んでクレジットの出るCパートの3部構成で終わりです。
「みそみそうみゃあ」にすらあったリプライズもやめてしまいました。
最近の曲作りでは「どうシンプルに要点を聴かせるか」、動画作りでは「一発でコンセプトがどこまで伝えられるか」に力点を置くようになっています。
ちょっと前の自分では考えなかったことです。
曲のテーマということもあるのでしょう。
「名古屋メシ万歳」とか「番組に浄財を」とかのお題で3分4分と引っ張る気はありません。
かつては「こんな曲を作りたい」と模倣することから始めたものです。
研究しながら作るので、わずか4分ほどの曲に1ヶ月以上かけることもよくありました。
ところが最近は「いま作ってる曲はこうしてやる」という目的がハッキリしてきたようです。
若い頃ほど制作時間が取れないこともあり「拘るとこれだけ時間がかかる」と計算できるようになったのかもしれません。
実はこの傾向、他人の作った曲を聴く時にも発動していて、3分を超える曲を聴いてると、たまに「長いなあ」と感じるようになっちゃいました。
もちろんそう感じない曲もありますけどね。
歳のせいなのかなと思うんですけど、老若男女親しんでいるクラシック音楽では一曲20分とかザラにありますから、加齢性のものでもなさそうです。
最近の若い子にありがちなタイパ(タイムパフォーマンス)にちょっと嫌な感情を持ってましたけど、今や自分がタイパに縛られてしまっています。
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外出する時、カバンにRolandの小型ポリシンセS-1を入れていくことがあり、車窓を眺めながら浮かんだサウンドやフレーズをそのまま記録しておくことがあります。
これから60代、70代まで曲作りをするとなると、その場で俳句みたいなものを音に残しているのかもしれません。
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