うらじみく報6/24
風前の灯
担当番組が金曜深夜から日曜夜へと時間移動して3ヶ月。
聴取率調査の結果はまだ出ないので、この移動がどの程度プラスになってるのか、まだわかってません。
時間移動については、単に「平日の深夜枠にお笑い番組を揃えよう」という戦略を立てることになり「どうぞどうぞ」と退いてから「さてどうしよう」と引越先を考えたので、戦略的なものではありません。
最近我が陣営では、ほとんどの30分番組がスポンサードとなっているので、いつ「役目を果たした」と言われるか、常にヒヤヒヤしております。
偶然の灯
最近1973年版の『日本沈没』(監督:森谷司郎)をリピ視聴していたせいではありませんが、番組を継続するにあたり「何もせん方がいい」と思うことが増えました。
この言葉は、日本の沈没を前に丹波哲郎さん演じる山本首相が、渡老人に意見を伺った際、お抱えの学者たちにより導き出された結論です。
大霊界はさておき、4月からの当番組では少なくとも僕からは攻めず、要望があれば受け入れていくことに徹しました。
実際のところ、時間移動以外で僕が積極的に関わったのは、清水藍ひとりの番組として継続を決めたこと、苦し紛れに「清水藍世紀末覇王伝説」のキャッチを番組Xからポストしたくらいです。
これ以外のレポートキャスト南波星那の参加、ゲスト出演、アニメイトや島村楽器への凸撃、リンレンのお迎えは、清水含む社内からの提案だったり、外部からの引き合いを受け入れるうち、数珠繋ぎになったものです。
それで「おやおやこんな流れになっちゃったよ」と、次の「ボカコレ」に持っていこうと指示はしました。
全く仕掛けたわけじゃないのに、なんとなくストーリーになってる感が我ながら面白いと思いますし、ますます「何もせん方がええ」と確信していくわけですね。
これも清水がプロセカなど公式関連で顔を売ってるからこそ、ミク花火やプロセカeスポーツの配信MCとか、ゲスト引き合いが来てくれたり、凸撃先で高校生に驚かれるわけですけど。
その清水がよくぷりぷりしてますが、バチャシンファン界隈でまだまだ担当番組の認知が広まってないんですよ。
「じゃあおまいはどうして花火大会で自己紹介を忘れるんだ」と逆ぷりぷりで詰問してハナシは終わっちゃうんですが、それはさておき、我々としてはやはりもう少し知られたいのは事実ですし、唯一のきっかけでいいから、ラジオ聴いとくれという思いでいっぱいであります。
わりと同業者には知られてるんですが、自社で掘り起こそうというまでには至ってないですね。
いや、掘り起こさなくてもいいから、番販買ってくれ。
空前の灯
僕も出張先ではいろいろ聞かれるんですけど、ボカロ文化だったり歌ってみた踊ってみた界隈については、「そうなんですか」と驚かれるばかり。
僕よりずっと若い30代のテレビマンやラジオマンにも認知していない人は多く「ヘタに触れられない」という意識が強いようです。
入社の頃はオタ属性を持っていても、営業接待で去勢されちゃうケースだってあるだろうし、そこはまあ、なんだかねぇ。
例えば「ボカコレ」のメディアパートナー制なんて、ドワンゴさんにとって界隈を広く認知してもらうには最善策なんですよ。
だからメディアの側ももっと悪ノリしちゃえばいいのにとは思うんですよね。
曲まで作るのはいかがなものかと思いますけども。
僕らにもっと力があればと思うんですけど、今は逆に「ボカコレ」が僕らを知ってもらう機会になっちゃってますけども、ええ。
50歳過ぎのおっさんが書くと「寄せてる」とか「迎合すんなハゲ」とか言われそうですが、ニコニコ周辺で生まれた文化って、確実に2020年代後半のメインストリームになると思うんですよね。
最近このポジションになってインターンで中高生と話す機会が増えてますけど、ラジオというメディアの立ち位置が激変してるんですよ。
例えば小学校高学年でニコニコやようつべでAdoの動画を死ぬほど観て、オールナイトニッポンをタイムフリーで寝る前や登校時に聴いて、テレビを観たのは紅白くらいとか、そういうエピソードをいろいろ聞くんです。
そうすると、僕らにとってはアドバンテージがまだまだあるんだと。
あとは送り手が気づいて拾い上げられるかどうかが問題です。
「自分たちが時代を作る」なんて大それたハナシではなく、時代に自分たちが巻き込まれて、巻き込み返すのが楽しいんだけどなあ。