日清焼そば、焼こう。
いまこんな商品が人気です。
僕は数あるインスタント麺の中で袋麺では『サッポロ一番 みそラーメン』、カップでは『日清焼そばU.F.O』が最強と信じていました。
ただ、40歳を過ぎてから若干嗜好に変化が起こり、『サッポロ一番』は「みそ」から「塩ラーメン」がフェイバリット袋麺となりました。
また同じ頃、セブンイレブンが東海エリアに進出し、商品棚に『ペヤング ソースやきそば』が並び始めました。
『U.F.O.』の濃厚さがちょっとヘビーに感じる年頃の舌に、薄めのペヤングはぴったりマッチし、以降はペヤング派を気取るようになりました。
先日、妻と娘が仙台へ出かけました。
現在日曜に番組収録を抱えている僕は、なかなか家族旅行に行けないのですが、その代わりにひとり(プラス猫2匹)の生活を謳歌するようになりました。
ふと冷蔵庫を見ると、妻が買っていた野菜ミックス(キャベツ、モヤシ、ニンジン、タマネギ入り)がありました。
これを使って何か作ろうと思ったんですが、具材から見て、野菜炒め、ラーメンか焼きそばしか浮かびません。
ところが食糧棚を見ても麺類のストックはありません。
そこで近所のドラッグストアへ足を運び、目にしたのが『日清焼そば』5袋入り。
「U.F.O.」ではないプレーンタイプの袋麺で、すべての「日清焼そば」におけるオリジナル、デフォルト、基本コンポーネント、真性タイプなのです。
「実家で食べたけど、自分で作ったことなかったなあ」とカゴに入れ、ついでに冷凍カット肉(オーストラリア産ポーク)を買って帰宅しました。
まず、フライパンでカット肉、ミックス野菜を順に炒めます。
塩コショウを軽くかけ、フライパンに蓋をして蒸し焼きにし、仕上げに中濃ソースを軽く和えて皿にステイ。
基本的に添付ソースの量は麺の表面を覆う程度と考えているので、野菜や肉を入れると確実に味が薄くなるのです。
これはマルちゃんの蒸し麺(3食入り)で学んだ、生活のTIPSというやつです。
もし中濃ソースがなければ、隠し味的に醤油でも構いません。
『日清焼そば』はフライパンで220ミリの水を沸騰させて作ります。
作り方を見ると、沸騰したら麺を入れて30秒後にひっくり返せとの指示。
よく見ると麺は二つ折りなので、ひっくり返した後は、箸でつんつんと突き、この二つ折りの部分を広げ、フライパンを麺が覆うまで突き続けます。
じわじわと麺が水分を吸収して、湯がわずかとなったところへ、先ほどの具材を投入。
さらに素早く「粉末ソース」を加えて一気に混ぜ合わせます。
ソースの香りが立ってきた辺りでコンロの火力を上げ、わずかな水分を吸ったソースと、熱で水分が蒸発する麺とが奏でる「チリチリ」というハーモニーが聞こえ始めたら火を止めます。
そしてフライパンを皿で覆い、ひっくり返して移し、仕上げに「青のり」をかけて完成です。
何十年ぶりかに食べた『日清焼そば』。
インスタント麺だと認知していますが、風味は屋台で食べるのと同じ。しまった、紅しょうが忘れた。
麺は蒸し麺より細いけれど、しっかりとした食感があります。
水分を吸ったモチモチ感も想像以上で、焦げ始めたところは粉末ソースの香ばしさと相まって至高の味。
どちらかと言えばソースがメインとなりがちなカップ焼きそばとは別物です。
先に紹介した「本当に焼いたら…」は液体ソースのようですが「粉末ソースに敵うものなし」というのが焼きそばにおける持論です。
これはマルちゃん蒸し麺の醍醐味でもありますが、均一に混ざらない粉末ソースゆえ、風味がまだらに感じた時、あらかじめ肉や野菜に付けた下味が中和し、至福の時を与えてくれるのです。
5袋ありましたが、結局この後野菜ミックスを買い足しました。
妻たちが帰宅するまでの2日間に、目玉焼きを乗せたり、ご飯と赤だし味噌汁を添えて定食にしてみたりと、計4食食べました。
『日清焼そば』、インスタント麺の頂点決定ですわ。ご馳走様でした。
ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。