ULTRAMANはエース推し
1969年生まれの僕は、幸いにして第二次ウルトラブームに間に合いました。
そこで物心ついた時に観たのが『ウルトラマンA(エース)』(1972)でした。
初めて観たウルトラマンゆえ、僕にとって最初の女、グリニッジ天文台、世界の基準なのです。
唯一無二の男女合体など、本作特有の設定は、当時すべて当たり前のことと受け入れていました。
後年の第三次ブームで、第一次世代が二次ブームについて「ドラマが薄い」だの「お子様ランチ」だの抜かしてるのを知っても、「ああ老害はやだやだ」と流してきたわけです。
「ウルトラマンA』という番組は設定の路線変更が多く、昔から「迷走」と評価されますが、これは僕も認めざるを得ません。
特に南夕子が何の前兆もなく「私は月星人です」と姿を消したことには、当時非常に困惑したものです。
一方エースは、キャラデザ的に他のウルトラマンとの共通項が少ないため、シリーズへの客演時はひと際目立ちます。
古代ギリシャ兵士の兜を思わせる頭部のクレスト、ブラのストラップにも見える両肩のベルト、胸部の赤成分の多さなど、シルバー族のアレンジとして最も冒険したデザインだと思います。
さらに声をショッカー首領にして銭形警部の納谷悟朗さんが担当したおかげで、末っ子のくせに妙に威厳のある存在感がたまらないんですね。
そんなエースの良さを、放映から40年近く経て再確認する作品が登場しました。
2011年、早田進(ハヤタ・シン)の息子・早田進次郎を主人公とした連載漫画「ULTRAMAN』が『月刊ヒーローズ』で始まりました。
初代ウルトラマンの設定をベースにしつつ、科学特捜隊の井出博士(!)設計のパワードスーツを着た人間たちが、等身大の異星人たちと戦う展開に、「これはどうなんだろう」と思いつつ、どんどん虜になってしまいました。
ウルトラマンに続き、諸星弾(実は地球人ではない)が着用するセブンスーツが登場。
そして高校生の北斗星司が身に纏うのが、異星人ヤプール(‼︎)の手で作られたエーススーツです。
体型こそ進次郎や諸星より小柄な北斗(165cm設定)ですが、このエーススーツがまた絶妙なアレンジなのです。
井出作のウルトラマンスーツ、セブンスーツがいかにも装甲満載なのに対し、他星の技術を熟知したヤプール作のエーススーツはとにかくシンプル。
本作の北斗は航空機事故で瀕死の重傷を負い、義手義足となったという設定。
実は北斗がアクシデントに巻き込まれたきっかけが、北斗が少年時代に出会った異星人の少女・南夕子。
スーツはこの設定を生かした義手義足の延長となっており、そのため人間の体型に最も近いフォルムとなっています。
オリジナルの複雑な頭部や胸回りの処理も見事。
マンやセブンより大きな目を持つ反面、明確な口(通気口)がないので、どことなく昆虫っぽい生物感があります。
ボディラインもオリジナルの特徴をとらえたもの。
股間の処理は他のスーツのようなパンツ感よりレオタードに近いフォルムです。
これ、昭和オリジナル版の1・2話スーツ(セパレートタイプ)から着想したのでは?と睨んでます。
もちろん戦闘時にはギミックが展開します。
エースキラー戦で記憶に残る右腕の「切り札」キャノン砲は、threezeroの1/6フィギュアでも再現できます。
ついでに、飛行に使用する背面のスラスターも展開させてみます。
左腕の内部機構(フィギュアではパーツ差し替えで表現)もこんな感じ。
そしてオリジナルファンにも嬉しい光線技としては、バーチカルギロチンも使えます。
ネトフリのアニメ版はシーズン3で完結してしまいましたが、本家のコミック版はまだまだ連載中です。
本稿で興味持たれた方は、原作またはネトフリでお楽しみください。
個人的には原作版にしか出てこないレオ兄弟が次の推しです。
ちなみに、今回メインで撮影したthreezeroのACE SUITの商品ページはこちら。
あとバンダイのSHフィギュアーツのACE SUITの商品ページはこちら。こちらもよくできてます(持ってないけど)