THEREMINIに隠し波形があった!
先日moog THEREMINIの音作りについて投稿しましたが、その後海外のフォーラムを読んでいたら驚くべき内容が…
上から8番目の書き込みで、Gary Honisさんという方が、自ら作成した音色ライブラリーを公開されているんですが、ここにさり気なく"all using the 12 hidden waveforms"とありました。
つまり、THEREMINIにはデフォルトの7波形以外に、12個の「隠し波形」があったんですよおおおお!!(©ターザン山本)
Honisさんがライブラリーを公開しているページにその全貌が。
このページの2番目の項目"Listen to 12 Extra Waveforms"で、そのパッチが公開されています。
公式エディターで読み込んで、鼻息荒くTHEREMINで鳴らしてみます。
本体にコピーして確認してみると、確かに異なる波形です。
どこに波形があるんだろうと思い、前述のHonisさんのページの下の方にある"Virtual MIDI Sliders"をダウンロード。
このアプリは、CCの各パラメーターをスライダーで操作できるもの。THEREMINIの取説によれば、波形選択はCC90にあります。
デフォルトの値は0のサイン波から、6のEtherwaveまでとなっています。どうやら7〜127の間に別の波形があるようです。
"Virtual MIDI Sliders"は随分プリミティブというか、古めかしいUIですが、Win10のPCでもしっかり動作しています。
そして、[file]メニューから同じHonisさんのページで配布されている"ThereminiCCSlider.vms"を読み込ませます。
すると、6番フェーダーに"Waveform"の文字が…
適当な音色をチョイスしておいたTHEREMINIとUSB接続&MIDI設定して、このフェーダーを弄ってみると、確かに7番以降にいろいろあったりなかったり。
まるでラジオのチューニングの様相ですが、CCでは7-9、13-18、21、26-27、43、51、60、73-74、86-89、93-97、101、103、108-109、112、124-127の値でデフォとは明らかに違う波形が確認できました。
個人的には18、86、87あたりがお気に入りです。
中にはボリュームが低すぎて使えそうもないものや、同じ波形も混ざってますが、とりあえず疑問は捨てて、本体に残しておきたいものをひとつチョイスしておきます。
ここからは、この波形を使った音色をTHEREMINI本体に記憶させる手順など。
まずその前に、アプリのフェーダー番号(Waveformだけなら"6")を右クリックして青色にします。
さらに2ページ目の8番フェーダー(Save Preset)の値を127にした上で、同じように右クリック→青色にしておきます。
これにより本体に記憶させたいパラメーターを選択しておきます。
ちなみにこのページ2には、純正エディターにはない、ノイズに関するパラメーターもあります。
そしてMIDIメニューから"Send Selected Controllers"を選びクリック。
この操作で音色が書き換えられてしまうので、前もって消しても問題ない音色を選んでおきましょう。
そして"Virtual MIDI Sliders"を終了し、公式エディターを立ち上げ、先ほど書き換えた音色を再度呼び出します。
なぜか波形名が"HOLLOW"など既成の波形名(場合によって空欄)になりますが、本体を鳴らして音色が変わってなければ無問題。
フィルターやエフェクト等を必要に応じて再設定して(Virtual MIDI Slidersでも変更可能)リネームの上セーブ。
これで作業完了です。
それにしても、moogはどうしてこれらの波形を隠しているのか、と疑問が湧くんですが、「まあせっかく作っちゃったし、マニアが探しに来るかもしれないから置いとこうか」というサービスでしょうか?
それと"Virtual MIDI Sliders"でノイズ関連のパラメーターが弄れるのは大きな発見でした。
さらに音作りが楽しくなるのは間違いありません。
Gary Honisサン、ドモアリガト。
現場からは以上です。
ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。