相変わらずローカル局への偏見がひどい件。
最近とあるWebサービスと仕事をしていて、激おこぷんぷん丸になったので、その顛末を報告します。
ここ一年、そのとあるサービスと技術的にいろいろと詰めてきて、年末に最終的な仕様を固めて今月からいよいよというところで、突然先方から突きつけられたのが「エリア問題」。
早いハナシが、僕らが名古屋国の放送局なので、すべてのコンテンツに「愛知県」というタグを付けよ、ということです。
ちょっと唖然としました。
テレビであれば、いわゆる「ローカルニュース」というものがメインであり、名古屋国中区北味噌にお住まいの海老揚太郎さんのお宅でボヤが発生したとか、港区の手羽先水族館でマナティの赤ちゃんが公開されたとか、そういった地域色あふれるコンテンツが日々更新されていきます。
それなら「愛知県」というタグはありでしょう。
一方ラジオ番組では、若い人にも起こりやすい手首の疾患についての医師の解説とか、別の男性と婚約中の女性とナニした場合は訴えられるのかとか、たまたま入ったバーのママに惚れてしまいデートを重ねてるけど結婚してよいものやら悩むとか、エビや味噌とは関係ないコンテンツが中心となります。
手首の疾患に「愛知県」なんてタグ付けて、風土病扱いされたらどうすんだバカってことですよ。
ラジオは聴いている人の共感や驚きから成り立つメディアです。
街にファーストフード店や風俗店が建ち並んでいれば、そこで起こることは東京や他の都市とたいした違いはありません。
もちろんたまには「便所開き」(愛知県稲沢市)なんていう、独特の風習が話題となることもありますが、そんなことは年に数回もあるかどうか。
風習について名古屋国に住む人が驚くのは、エリア外の話題が多いのです。
ラジオの場合は電話でその地方の方に繋いでハナシが聞けてしまうのです。
そのため我が国のコンテンツを「エリア」という観点で見れば、むしろ名古屋国に特化した話題の方が圧倒的に少ないんですね。
東京で各地方を束ねるメディアを作りたいと思う人は、物産展に出かける気分で明太子やバター飴が欲しいだけであって、そこで暮らす人には興味がないんじゃないかと思うわけです。
その理屈だと愛知県にもんじゃ焼きの名店があってはいけないのです。
そうじゃないと否定するにしろ「今朝はどえりゃあ寝苦しかったがね」みたいな地方色の強い表現を欲しがるんでしょう。
いまどき名古屋弁で語る人など、トキ並みに激減していることも知らないんでしょう。
どうせ名古屋国でボカロ番組が作られているのを知ったところで、radikoエリアフリーでお聴きの、エリア外からの投稿が大半を占めていることもご存知ないのでしょう。
つか、radikoも知らねーんだろうな。
無知って怖いですわね、奥さま。
まあ僕があまりにプンスカプンなのを見かねて、パートナー企業の方が取り持ってくれるようですが、この件については「どうでもいいよ」とやる気をなくしている今日この頃です。