ビジネスで「良い人」になろうとすると「都合の良い人」になってしまう理由と解決方法は?
■真面目なひとり経営者さんの寄り添う系コンサルティング
最近、Zoomで仕事をする機会が増え、マイクと照明を購入しました。
ノートパソコンにもともと付いているマイクとかでも十分かなと思っていましたが、お仕事で使う以上は最低限揃えたほうがいいと色んな人に聞いて買ってしまいました。
リングライトは良いとして、マイクは思ったよりもデカかった笑
そんなリングライトとマイクを使って、ひとり経営者さんからこんな相談を受けました。
自分の良さを出そうと、寄り添う系のコンサルティングにしたのですが、なかなか継続率が上がっていかない・・・というもの。
このひとり経営者さん(Aさん)は、私が見ても本当に優しい方です。
寄り添う系のコンサルティングは合っていると思いますしご自身の理念として「困っている人を助けたい」と本気で考えている方でしたので、私も応援していたのですが・・・
■問題点
簡単に言うと、ちょっとしたことなどを「費用を取らずに」手伝っていたのが最大の問題でした。
コンサルティングというのは、目に見えないものを提供するサービスです。
時には食事などに誘われて、アドバイスなどを求められるとついつい答えてしまう。
それが顧客のためになるのであれば、と優しいAさんは自分の知識をどんどん教えたり、時には補助金の申請や支援金の手続きなど、コンサルティング以外のことも月額費用内で行なってしまっていたのです。
それは「優しさ」ではないですし、「寄り添う」とも違います。
顧客はAさんに対して、「ありがとう」の気持ちよりも「ラッキー」の気持ちの方が大きく、「この人にはどんどん頼めばやってくれる」という目で見られてしまっていたわけです。
さすがに、途中から「費用を頂きたい」と言ったようですが、そんなことをいうならコンサルティング契約を解除する!と言われて、しぶしぶ継続していたとのこと。
最初に契約書を結んでやることは決めていたとしても、その線を越えてしまうとそれが当たり前になってしまいます。
それは、「優しくて良い人」ではなく「頼めばやってくれる都合の良い人」になってしまうわけです。
もう一つ言うと、この顧客は「困っていいる人」ではなく、「困っているフリをしている人」です。
Aさんの性格柄、お願いされると断れない、自分に出来ることならと簡単なことならついついやってしまうわけです。
先述した「困っているフリをしている人」というのは、この人にはどこまでお願いしても大丈夫かな~とサジ加減を伺っています。
例えば補助金の申請のお手伝いを無償でしてもらったら、それはやってもらって当たり前のことになってしまいます。
Aさん的には「顧客が困っているなら」と無償でお手伝いをしているのに(一応、Aさんの優しさとして)、次回の補助金の申請の依頼を断わったり費用を頂こうとすれば、何でタダでやってくれないんだ!カネカネ言ってうるさいヤツだと言われてしまうわけです。
■では、どうすれば良いのでしょうか?
まず、この顧客には再度、話し合いをして、今まではサービスでやっていたが、今後は費用を頂く旨を伝えて、契約を解除するということであれば解除すればよいと。
コンサルティングの仕事に限らず、人が動けば本来は費用が発生するものです。そういったことがわかっていない企業とはお付き合いは出来ればしたくないものですが、それをタダでやるのが当たり前の状況にしてしまったのは、Aさんにも原因があります。
また、ここで「我慢」をしても結局は長く続きません。
であれば新たな企業との契約を目指したほうが、お互いのためになるのではないかと思います。
私がAさんに伝えたのは、寄り添い系という考えではなく、
伴走型
で行きましょう・・・と。
伴走とは、マラソンなどで、走者のそばについて走ることです。
では、伴走者の役割とは何でしょうか?
ここにカーブがありますよ。段差がありますよ。など、自分たちの足元だけでなく、数m先や周りの障害があるかについても気を配り、まさに
一緒に走る
わけです。
一緒には走りますが、おんぶしたりはしませんよね?
こっそり自転車に乗せたりするでしょうか?
当然、その方の分まで代わりに走ることもありません。
もちろん、走っていれば苦しいこともあると思いますが、その時、おんぶすることは「優しさ」でしょうか?
そしてそれは「困っている人」を助けることでしょうか?
そんなお話をしました。
最近では商工会議所などもこの「伴走型」を打ち出すようになってきました。
作業効率などを考えて、動画で学んでもらい、あとは勝手にやってください。というのも良いかもしれませんが、それではAさんの良さが生かしきれません。
■まとめ
・「困っている人」と「困っているフリをする人」を見極めましょう。
・「良い人」と「都合の良い人」は違います。
・「断る勇気」、「費用を頂く勇気」を持ちましょう。
・「寄り添う→伴走する」に意識を変えていきましょう。
今回はAさんのことで書きましたが、真面目な方は経営者さんに限らず、こういうことが多かれ少なかれあると思います。
何かの参考になれば嬉しいです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。