【#非正規春闘】ストライキや街頭宣伝などの集中行動を行いました!
非正規春闘2023実行委員会では3月9日(木)に集中行動を行いました。ABCマート、シェーン英会話学校、フジオフードシステム、インタラックのそれぞれの非正規労働者がストライキを行った上で街頭宣伝などを通して10%の賃上げを求めました。
私(本ブログの執筆担当)は非正規春闘2023にボランティアとして参加している大学生です。誰もが生きやすい世界をつくることを目標に総合サポートユニオンなどで活動をしています。
非正規労働者の賃上げはごく一部の話
非正規春闘2023実行委員会では、3月1日からの1週間で非正規労働者の賃上げ実施状況に関する調査を行いました。そこから非正規労働者の賃上げはほとんど行われていない状況が見えてきました。非正規労働者の賃上げが行われているという報道などが増えていますが、ごく一部の話に過ぎないのです。また、調査の記述欄には多くの不満や怒りの声が書かれており、非正規労働者の生活の厳しさが伝わってきました。
非正規労働者は家計補助という名目で設計されています。そのため最低賃金は生活できる金額に設定されていません。しかし、現状ほとんどの非正規労働者が自分の生活のために働いています。そのような中でインフレが襲い、生活が成り行かなくなっているのです。
非正規労働者それぞれの現状
大手靴小売のABCマートは10%の純利益を得ながら、賃下げをしてきました。渋谷にある本社や店舗の前で街頭宣伝を行うと「賃下げ」という言葉に多くの人が反応しました。それだけ多くの人に生活費が重くのしかかっているということがここから窺うことができます。
シェーン英会話で働く外国籍の方は「現場を支えているのは自分たちだ。」という思いを街頭宣伝のスピーチに込めました。「授業料は上がっているのに賃金は上がらない。」と声を張り上げ賃上げを訴える姿から切実な思いが伝わってきました。
フジオフードーシステムが経営するカフェではたらいている子育て中の女性は、自分のお店で働いているお店のケーキが買えないと訴えます。ケーキは値上がりしているのに、賃金は上がらないからです。
公立学校の教育現場にALTを派遣する会社であるインタラックで13年ほど働いている外国籍の方は働き始めた時より賃金が下がっています。結婚したい気持ちがありますが、指輪を買うことはおろか結婚生活の費用をどこから捻出すればいいのかもわかりません。文部科学省はALTの派遣を進めていますが、現場の先生はそのような不安を抱えながら働いているのです。
非正規春闘はあらゆる差別との闘い
「女性は家計補助、学生はお小遣い稼ぎだから、外国籍は出稼ぎ、高齢者は生きがいだから、賃金は低くていいでしょう。」非正規春闘はこのような差別とも闘っています。フジオフードーシステムで働く女性は、マイノリティの生活を軽視していると訴えます。また、シェーン英会話で働く外国籍の方も日本に生活基盤があるのにも関わらず、「嫌なら帰ればいいじゃん」と何度も言われたといいます。しかし冒頭で記述したように、ほとんどの非正規労働者は自分の生活のために働いています。そのような現状を無視し、マイノリティを線引きしていることに対して私たちは声を上げています。
非正規労働者が闘うハードルは高いです。有期雇用契約の場合、雇い止めを受ける可能性があるからです。また、非正規労働や最低賃金の制度設計の問題など根本的に変えなくてはいけない問題もあります。しかし、それだけ非正規労働者の生活は逼迫しているのです。変えられるところから変えていかなければ間に合いません。また、このように表面上の問題を変えることで、根本的な問題が見えてきたり、その解決策も見出したりすることができます。
非正規春闘のエネルギー源
私は今回の行動を通して、非正規春闘という運動にはとても大きなエネルギーがあると感じました。そのエネルギー源は多様性だと思います。私はこの2年ほどで多様性とは何かということについて悩んできました。近年、病気や障害の名前が増えていく中で、自分の生きづらさに名前がつくことに安心するサイクルが社会の中に生まれているように感じます。それはこの社会で「違う」とされた人が生きていく一種のサバイバル術かもしれません。しかし、そうした生きづらさにただラベリングをするだけで、本当に個性が尊重されるのか人権が守られるのか疑問に感じていました。それで本当に多様性につながるのか希望を持てなかったのです。
今回の行動には女性、学生や外国籍の方々が参加していました。その中で「私たちはみんな同じ労働者だ。」という言葉を耳にしました。非正規労働者はそれぞれ違うバックグラウンドを持っています。しかし、同じ労働者なのです。この「違うけど同じ」という絶妙なニュアンスが今回の運動の中に生まれています。このニュアンスにはまだ的確な単語がありません。しかし、病気、障害や性別などの「ラベル」を乗り越えて「違うけど同じ」というニュアンスに近づいていくことに私は強い希望を感じました。
私たちは雇用形態、性別、年齢、国籍、関係なく誰もが声を上げられる開かれた春闘を目指しています。また、多くの仲間が一緒に賃上げという共通目標を持って闘っています。声を上げること、闘うことで見えてくる解決策があります。非正規春闘に参加したい、応援したいという方はご相談や寄付をお待ちしています。一緒に社会を変えましょう!
労働相談や共に活動するボランティアの募集
職場で労働問題を抱えている方は、以下の私たちの相談窓口まで電話・メールにてご相談ください。無料対応・秘密厳守で対応しています。ユニオンの仲間と一緒に違法・不当な状況に対して声を上げてみませんか?改善事例はたくさんあります。
また、私たちは一緒にAmazonの倉庫前でのビラ配りや映像編集などをしたり、非正規労働者の労働環境を変えたいという社会人や学生のボランティアを募集しています。労働相談、団体交渉、社会発信などの活動は、組合メンバーとボランティアが一緒になって進めています。ボランティアを希望される方は、以下のメールまでお問い合わせください。
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