【#広尾学園】求人表示について東京都労働局から行政指導が出ました!
東京都港区にある広尾学園(学校法人順心広尾学園)の法令違反がまたしても発覚し、東京都労働局からこのたび是正指導がありました。
是正指導の内容は、職業安定法第5条にある労働条件等の明示違反です。
労働条件を求人票に明示せず、後出しでいくらでも学校が条件を変えることができては、これから働こうと考える教員は安心して就職活動をすることができません。
なお、今回の行政指導と同様の状況は私学業界全体に広がっている問題です。民間企業では当たり前となっている求人票への労働条件の明示を、私学業界もやっていくべきでしょう。本記事では、広尾学園の行政指導の内容を報告します。
◆賃金等は「本校規定による」しかなくわからない
広尾学園では、これまで、求人票の待遇面について、「本学園の規定による」としか記載されておらず、また、賃金等の労働条件は、最初に学園が求人者と接触したときに伝えなければいけませんが、それもなされぬまま選考は進み、最終面談のときに、初めて賃金等が示されるというような運用がなされていました。
さらに、求人者が賃金を聞き待遇の低さに驚くと、学園はその場で賃金を上積みするなど、その場しのぎの調整が行われたりしていました。
広尾学園には専任教諭の基本給表もないため、非常勤講師の給与表も見たことがありません。
このような状況で採用をかけていることもあり、教員がなかなか集まらないため、3月まで求人募集をしていることもありました。
◆ベテラン教職員も離職していく広尾学園の現状
すでにお知らせしたように、広尾学園では毎年、20名程度の教職員が入れ替わります。
広尾学園は中高一貫校ですから、6年間という長いタイムスパーンで生徒たちを見守って育てていくことが求められていると思います。しかし、これだけ教職員の出入りがある状況は、生徒たちにとって、よりよい教育環境と言えるのでしょうか。
そして、学園のあるコースでは、生徒たちが慕うベテラン教員を含む、コースを立ち上げた教員たちの多くがこの数年間で退職していきました。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。労働条件など人を大切にしない学園の姿勢が問われてもおかしくないのではないでしょうか。
◆私学業界全体で見られる不明確な求人票
職業安定法では、以下のように、求人票での賃金等の明示が義務となっています。
【参考】
「労働者を募集する企業の皆様へ」(厚労省)
しかし、今回、広尾学園は東京都労働局から職業安定法違反で是正指導を受けましたが、実は他の私学の求人票にも同様な形の求人票を掲載しているケースが少なくありません。
私たちは、都内私学の求人票を調査いたしましたが、広尾学園のように待遇については「学内規定による」などとしか記載されていない学校が散見します。
このような不明確な形で、求人票を掲載することは、求人者に不安を抱かせることにならないでしょうか。異業種の求人票をご覧いただけるとわかりますが、きちんと賃金の額等が明示されています。
もちろん、全ての学校がそうではなく、明確に給与の金額等を求人票に示している私学もあります。しかし、そのように正直に法律を守って労働条件を明示しても、他校が明示していなければ、その学校は採用活動において不利になる可能性もあります。
私たちは、広尾学園も含め、私学業界全体の求人票の改善を求めていきたいと考えています。今回の行政指導は、それに向けた大きな一歩です。
ぜひ、一緒に私学業界の求人表示を改善したいという方は、私たちまでご連絡ください。
◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう
私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。
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