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【#広尾学園】根拠資料を求めても開示されず懲戒処分、来年度の契約更新も未だ明言せず

 2月26日(月)第4回団体交渉が広尾学園とありました。そこでは、組合に加入して学校の労働環境・教育環境改善に取り組むAさんの来年度の雇用継続の可否やその内容について、主に議論しようとしました。

 しかし、結論から言えば、学校は団体交渉の中で来年度の雇用について明言せず、2月末まで引き延ばす対応をしてきています。このタイミングで雇い止めをされてしまうと、他の学校の求人はほとんどなく、4月から教員で働ける可能性は非常に低いものとなってしまいます。Aさんの生活も目処が立ちません。

 この間は、学校側からAさんへの懲戒処分や組合活動への妨害が繰り返されています。学校の違法行為の改善などに取り組むAさんを雇い止めするなどは、社会的に許されません。

 学校へAさんの雇用継続をするよう、私たちは闘っています。ぜひ、多くの皆様応援をお願い致します。


◆労働基準法違反の是正など、Aさんのこれまでの取り組みと成果

 簡単に、これまでのAさんの取り組みを振り返ります。Aさんは、今年5月に私学教員ユニオンに加入し団体交渉を学校へ申し入れました。

 これまでの私たちの要求は、Aさんが定年後再雇用で1人だけ雇用形態を差別され非常勤講師になったこと、タイムカードがない、未払い賃金、有給休暇の未取得、非正規教員の待遇改善、求人の不適切な表示など、学内で起こっている多くの問題でした。

 しかし、学校は、当初Aさんの定年後再雇用の問題しか団体交渉に応じない、団体交渉の時間も1時間しか応じないなど不誠実な対応を続けていました。

 そのため、私たちは労働基準法違反について三田労基署へ通報したところ、違法が認定され、タイムカードがないことや未払い賃金、有給休暇の未取得について「行政指導」が学校へ出され、朝日新聞等でも大きく報道されました。

「タイムカード廃止」で無限残業へ?! 有名私学の恐るべき実態とは…(Yahoo!記事)

 その結果、未払い賃金を認めさせたり、ICカードでの労働時間管理の導入などがなされました。また、第3回団体交渉では、賃上げをするという回答を得るなど、学校全体を含め大きな改善を実現してきました。

 しかし、その過程で、学校は突然AさんのPCを取り上げ、根拠資料の提出を求めたにもかかわらず拒否した状態で、一方的に懲戒処分や厳重注意を繰り返すなど、報復と考えられる行為を繰り返していました。

 このような経緯から、年度末でのAさんの雇い止めが予想されていたため、私たちは学校の対応を東京都労働委員会へ通報しました。その結果、2024年2月8日付「要望書」、「組合員の雇用契約更新について慎重に対処し、紛争拡大を防止するための格段の配慮を払われるよう要望する」が学校へも出されました。

 私たちは、学校の違法行為等の改善に取り組むAさんの雇用継続を強く求めています。

【労働委員会からの要望書】

東京都労働委員会からの要望書


◆懲戒処分の根拠開示も拒否、契約更新も明言しない第4回団体交渉


 団体交渉では、Aさんの来年度の雇用継続やその内容について交渉を求めましたが、学校は明言をしませんでした。

 また、学校側はこれまで学校の環境改善に取り組むAさんに対して、報復と思われる懲戒処分や厳重注意を繰り返してきましたので、その点も議論しました。Aさんや私たちは、懲戒処分の根拠とされた資料やデータの開示を求めましたが、学校はこれまで拒否をしており、団体交渉でも拒否しました。当時十分な弁明の機会を得ることができないままに懲戒処分が強行されていましたが、その点も話が進展することはありませんでした。

 結局、来年度の雇用やその内容は学校は持ち帰るのみで、明確な回答がありませんでした。来年度の生活がわからないままに不安定な状況に起き続けることに抗議をしても、学校は聞く耳を持ちませんでした。

◆この間の上司からAさんへの「嫌がらせ」

 この間、複数の上司から、Aさんは「嫌がらせ」ととれる行為をされていました。具体的には、以下の正当な組合活動への介入と、労働組合を排除した形での個別交渉の試みです。これらは、不当労働行為という労働組合法違反になる可能性がある行為です。
 
①正当な組合活動への介入
 中学入試直前に、Aさんは授業後、上司Bから呼び止められ、「労働組合でビラをまくのか」と聞かれました。Aさんは、「それは(組合活動への不当な介入なので)お答えできない」と言うと、しつこくその後も話しかけられました。Aさんは、正当な組合活動への不当な介入だと受け止めました。

②労働組合を差し置いての直接交渉
上司Cは、Aさんに対して、「来年度の契約についてお話する時間を頂けないでしょうか。今週の水曜日以降でお願い致します。」との内容のチャットを送ってきました。
Aさんの来年度の契約やその内容は、これまでの団体交渉の協議事項であり、また東京都労働委員会から出ている「要望書」でも、慎重に対処するように求められていました。
労働組合が団体交渉の要求事項として挙げているものを、労働組合無視して水面下で個別で交渉をすることができては、団体交渉の意味がありませんし、労働者をいくらでも丸めこめてしまいます。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう


 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

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