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【アセック セクハラ闘争記Vol.5 〜セクハラによる労災認定の記者会見〜】

みなさん、こんにちは。私はSonyやAppleなどの世界的な企業と取引をしているアセック株式会社という会社で働いています。上司からセクハラ、パワハラを受けました。それを相談すると、副社長と役員からも人権侵害などのセカンドハラスメントを受け休職を余儀なくされました。現在は総合サポートユニオンという労働組合に加入し会社と闘っています。

アセックは10月に行った団体交渉以降、ずっと団体交渉を拒否し続けています。これは労働組合法違反です。

そうした中で、アセックによる労働基準法違反が労働基準監督署により指摘され、是正勧告が出されました。
今回はその内容をお伝えします。


過去のnoteはこちらよりご覧ください。
・約束を反故にされ4時間以上待たされた 8月7日の 申し入れ
【アセック株式会社】へ申し入れをしました。セクハラ・パワハラを許さない!
・退出者が続出した 9月11日の ”第0回”団体交渉
アセック セクハラ闘争記 Vol.1
・会社の懇親会が中止されてしまった 9月29日の 街頭宣伝
アセック セクハラ闘争記 Vol.2
・団交拒否宣言をされた 10月12日の 第1回団体交渉
アセック セクハラ闘争記 Vol.3
・11月17日 #セクハラを許さない社会をつくるアクション
アセック セクハラ闘争記 Vol.4

【労働基準法違反で是正勧告】

先日、相模原労働基準監督署により、アセックに対して是正勧告が出されました。
内容は、労働基準法の第24条、34条、37条違反です。
24条:賃金不払い
34条:休憩時間未取得
37条:時間外労働の割増賃金不払い

アセックではこれまで労働に対する賃金の支払いがなされていない時間があったのですが、ユニオンが団体交渉の申し入れを行った直後の2023年9月から突然、過去3年間分にさかのぼって、社内の従業員たちに対して未払い賃金等を支払ってきました。しかも、その際に、みな合意書を書かされ、そこには「甲及び乙は、本合意成立に至る協議の経過及び本合意書の内容を守秘し、これを第三者に漏洩しないものとする。」とある通り、口止めもされていたのです。

しかし休職中だった私に対してはその未払い賃金等に関する説明が一切なく、支払いもされておりませんでした。
さらに、アセックは組合が『残業代不払いは労基法違反であったと認識しているか』と要求書で追及すると、過去3年間の不払い分の賃金を今回アセックが支払うことは「会社が恩恵的に支払う」という趣旨の回答をしてきたのです。
自分たちの法令違反を認めず、労働者を黙らせようとしているのだと感じました。まさに賃金ドロボーです。

相模原労働基準監督署

【休憩時間未取得の認定】

上司から抱きつかれるというセクシュアルハラスメント被害があったとき、会議室で5時間以上、上司からの軟禁状態に置かれており、その日は休憩も取得できずにいました。

未取得である休憩時間中の賃金についてはどう対応するのか、アセックに説明を求めても、「会社の規定通りに休憩を取れ」「業務の都合で昼休憩がズレた場合も各自時間調整をして休憩を取れ」「万が一会社或いは上長の指揮命令により昼休憩の確保ができなかったのであればその根拠を示せ」というような趣旨のメールが総務部担当者より返ってきました。

休職に至った当初、アセックに対してセクハラを原因とする精神疾患に伴う労災保険の申請のため、申請書の「事業主証明」欄へのサインを求めた際には、「そんな事実はない」と一蹴され全く対応してもらえませんでした。
今では、セクハラが原因とする精神疾患だと労働基準監督署によって認定されましたが、労災申請に協力しない、むしろ労災隠しをするような企業です。
そんなアセックに対して休憩時間の未取得の証拠を出したとて、認められずに休憩未取得の事実を無かったことにされるのがオチだと思いました。

今回の労基法第34条違反による休憩時間の未取得に対する是正勧告が労基署より出されたことで、休憩時間も取れずにセクハラをされていた日の事実が間接的に認められました。
この認定の事実は今後のアセックとの闘いにおいて大きな意味を持っていると思っています。

また、現在アセックで働いている従業員の皆さんは、休憩時間が取れていなくても取っていることにされているので、十分に気をつけてもらいたいと思います。
というのも、アセックから送られてきた書類を見ると、書類上は毎日同じ時間に休憩時間を1時間取っていることになっていました。しかし、アセックでは出退勤以外に、休憩時間を記録して管理する仕組みがなく、勝手に休憩時間を1時間計上し処理しているので、注意が必要です。

【セクハラによる労災認定の狭き門】

労働基準監督署からアセックに対して是正勧告が出される前に、実は上記の通り労災認定をされていました。その理由は、私の精神疾患がセクシュアルハラスメントが原因であり、業務起因性であると認められたからです。
セクハラによる労災認定をされた件数はとても少なく、2022年度の厚労省のデータでは、セクハラによる労災保険の支給決定は全国で66件ということです。
それでもセクハラをされたと声を上げることのできる人はほんの一握りにすぎず、労災申請もできない人が圧倒的に多いのではないかと思います。

記者会見の様子

セクハラによる労災認定を受け、先日記者会見を行いました。地元のテレビや新聞、ネット記事にも多く取り上げて頂き、少しでも多くの人に、会社からの不利益な取り扱いは声を上げ闘うことができる、ということを知ってもらえたらと思います。

その時の記事がこちら:
「ただの死骸」「人格障害」 セクハラ二次被害を「お膳立て」する ...

当然、アセックへも各社から取材があったそうで、今まで会社から一切説明がなかった従業員も何が起こっていたのかを目にすることができたと思います。
アセックには早く自身のこれまでの悲惨な対応を悔い改め、被害者や従業員に対し、本当の意味での適切な対応をしてもらいたいと強く願います。

【会社で辛い思いをしている方、そういった人が近くにいる方へ】

ここまで読んでいただきありがとうございます。
私自身、この総合サポートユニオンと出会うまで、さらには会社と闘うと決心するまで1年以上かかりました。
まさか自分が記者会見を行うことになるなんて思ってもいませんでしたが、結論的にはやってよかったなと思いました。一般市民である自分がこうして会見を行い、少しでも多くの人に発信ができたからです。
私もそうであったように、新聞やネット記事を目にした人に、ハラスメント被害に遭っても泣き寝入りしなくてもいいんだと知ってもらえれば、それが少しでも救いになったらと思います。
ハラスメントだけではなく、会社から不利益な取り扱いを受けたなど、会社と闘う、交渉する手段はありますので、一度総合サポートユニオンなどの労働組合へ相談してみてはいかがでしょうか?

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