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ケアマネジャーを過重労働やハラスメントで休職に追い込んだ八王子市「やまびこケアセンター」の責任を問う!

東京都八王子市の居宅介護支援事業所(以下“居宅”)「やまびこケアセンター」

で働いてきたAさんが私たち総合サポートユニオンに加入し、過重労働や未払い賃金、パワーハラスメントへの謝罪と賠償、労災申請への協力などを会社側に求めています。


〈24時間365日、全く仕事から解放されない!〉


Aさんは日常的に心身が疲弊して当然の働き方を強いられてきました。
この居宅では「特定事業所加算」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/dl/s0311-7d_0003.pdf

の要件を満たすことで多額の給付を受けています。

この条件⑤「24時間連絡体制」の運用に問題がありました。Aさんは勤務時間外にも社用携帯電話を持たされ、帰宅後や休日にも利用者と家族からの連絡に対応させられていたのです。日常的に電話が鳴ることは本人とその家族に多大なストレスを与えてきました。

笑えない話ですが「休日の草野球が趣味なのですが、左手にグローブ・右手に社用携帯を持って通話しながら外野を守ったこともありました。。」とAさんは話されていました。

この「24時間の連絡体制」は度々問題とされるところですが、監督する自治体の通常解釈では、時間外には留守番電話で受けておき緊急性と必要性に応じて転送と対応をすればよい、とするのが通常です。また、転送自体も輪番制を敷いて対応し、その手当を別途支払う居宅が通常でしょう。

しかし、この居宅では利用者からの電話を積極的に受けるよう指示があり、輪番制も活用していませんでした。これではケアマネの負担が一向に改善されないのも当然です。

〈守られる管理者・誰にも守られないケアマネ〉


Aさんの上司にあたる居宅の管理者は感情的な言動で度々周囲と軋轢を発生させており、Aさんもその被害を受けていました。
管理者の言動は通常の指導等の範囲を明らかに超えたものでした。例を挙げれば

・社長の許可を得て地域医療の中核的役割であるクリニックと連携を図る目的の会議にAさんが出席すると、「個人的な仕事だから業務として認めない」と管理者から言われた。
・新規の依頼を受けた際に自分への報告がなかったことに管理者は激昂し大声で怒鳴ってきた。静止を求めたが管理者は無視して帰宅した。そもそもこの新規案件は、クライアントからの「管理者には頼みたくない」という意向でAさんが受けたものだった。

などです。トラブルが重なり疲弊したAさんは社長や役員と解決策を話し合いましたが、会社側の対応はAさんのデスクを法人内のグループホームに移動させる、というもので、加害者である管理者への処分等には至りませんでした。

その後、仕事を続けるためにこれを受け入れざるを得なかったAさんを更に落胆させる事態が続きます。

管理者は地域包括支援センターhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link2.pdf
ともその管理者はトラブルを起こしており、包括から居宅管理者の変更を要望される、という極めて異常な事態を招いていました。

居宅と包括は地域包括ケアにおいて適切な連携を目指す関係であり、そこまでモメること自体が異例です。

この要望には社長も同意しており、事態は収拾されつつありました。しかし、このときに居宅の同僚であったケアマネB氏からAさんに電話が来ます。

「Aさんは自分が気に入らない人がいたら辞めさせるの?この先あなたが管理者になったら…と思ったら怖くなっちゃったよ」
という内容でした。

共に同じ職責で管理者を補佐する立場ではありましたが、Aさんを避けていた管理者の相談相手となっていたB氏とはこの後も問題が発生し、Aさんの心身の疲弊は極まっていきました。

〈ハラスメントの加害者はなぜ処分されないのか〉


この居宅管理者は、上記加算要件にある「主任介護支援専門員」(主任ケアマネ)でした。管理者を交代させることで事業所は加算を取得できなくなります。

では後任の主任ケアマネを探せば?ということになりますが、そう簡単ではありません。この資格は取得要件として「居宅での実務経験5年以上+所定の研修受講」が求められます。

有資格者が甚だしく不足しており、加えてケアマネジャー自体の成り手がおらず、近年は後任の育成にも業界全体が苦慮しています(致命的に不足しているのは現場の介護職だけではありません)。

そのため、このようなパワハラをしている管理者でも、会社は処分しなかったのではと私たちは推察しています。

私たち総合サポートユニオンのケアワーカー支部である介護保育ユニオンには、多数の介護職員やケアマネジャーから相談が寄せられます。人手不足で辞められたら困る、特に有資格者や固有のスキルを有する場合は問題のある職員であっても有耶無耶にする、という企業が少なくないことが多数の電話やメールの内容からうかがえます。

これは他の業界にも蔓延する労務管理のあり方であり、現在ユニオンで取り組んでいるこの闘争
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/aeeb039aa79b0699eef41dbc078aa2bfe42a311c
などは典型的な例といえるでしょう。この事件では、セクシャルハラスメント加害者への処分ではなく、被害者に部署を移動させることで会社側が収拾を図ろうとしました。

私たちが労働組合を通じて変えていきたいのはこういう状況です。Aさんの事例はケアワーカーの労働環境の問題であると同時に、企業が労働者へ言い値で貼り付けた値札で勝手に価値を決め取捨選別することへの闘いです。

〈今後の行動〉


Aさんは心身に不調をきたし受診、適応障害の診断を受けました。現在は休職しており収入は非常に厳しい状況です。

総合サポートユニオンはAさんと共にやまびこケアセンターに赴いて団体交渉の申入れを行いました。8月28日に第1回交渉が行われます。一人でも多くの、とりわけケアワーカーの方々、職場でのハラスメントに苦しんでいる方々からのご支援ご賛同をよろしくお願い申し上げます。

私たちの活動への参加をご希望の方は、総合サポートユニオンにご連絡ください。一緒に業界全体を変えていきましょう。介護施設の運営には多額の税金・公金も投入されていますので、労働者の権利侵害、不正や違法行為等を社会的に許してはいけないと私達は考えます。

介護保育ユニオンとは」


労働者が一名から誰でも加入できる個人加盟制労働組合である総合サポートユニオンでは、これまでにも様々な産業のブラック企業と対峙して交渉し、労働者の権利を勝ち取ってきました。私たち介護保育ユニオンは、その総合サポートユニオンの介護・保育支部として活動しており、様々な企業で働く介護職員や保育士がケア労働者として相互に支援を行っています。
ハラスメントや賃金未払いなどの被害にあっている、事業所の不正が改善されない、などの問題を抱えている介護•保育従事者の皆さん、一人で悩まずにまずは私たちにご相談ください。

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