コカ・コーラ下請シグマグループとの交渉が開かれました。
去る12月1日、自販機産業ユニオンは、コカ・コーラ下請けシグマグループ(シグマロジスティクスおよびシグマベンディング)との第三回交渉を行いました。
これまでも不誠実な対応に終始してきた会社ですが、今回の対応はそれにも増してひどいものでした。
〇「コロナでもオンライン交渉はできない」(シグマグループ)
昨今の社会情勢も踏まえ、私たちは今回の団体交渉をオンラインで開催するよう提案しました。3週間以上前のことです。会社も当然応じてくるだろうと考えていたのですが、会社は開催日の3日前になって突然、新宿での対面での開催すると言い出しました。オンラインでの団体交渉はできないといいます。信じられないことです。
家族の事情などで組合員はコロナ感染のリスクを冒すことを極力避けたいと思い、シグマから連絡が来た直後にその旨を伝えて改めてオンライン団交を要求しましたが、シグマは合理的な理由を説明することなく対面での開催をこちらに強制するのみでした。
そこで、2名の組合員のみが会社指定の会場に向かい、コロナ感染のリスクを回避したい組合員はオンラインで参加することにしました。私たちはできるだけ対面を再現できる様に現地にオンラインで行うための機材を持ち込んでの開催を試みました。
会場で私たちは事情を説明し、オンラインと直接対面で団体交渉を勧めようとしたのですが、シグマグループは「そんな機材を持ち込むなんて聞いてない」「こちらを写すカメラを切れ」「切らないと議題に入らない」等と終始発言し、交渉をまともに進めようとしませんでした。
〇オンライン交渉を開催できない理由を一切説明しないシグマグループ
シグマグループは当初、オンラインで団体交渉をできない理由として、関係者以外への動画の流出と、カメラに写っていない第三者が参加するリスクをあげました。そこでそれらの点について、組合が責任をもって保証すると約束しました。
しかし、シグマグループは「信用出来ない」と受け入れません。ユニオンがオンライン交渉の場でお互いの顔をみられるようにする目的以外に映像は使わないといくら言っても、「写りたくない」「写す意味がない」と繰り返し、いったいなぜ写ることを問題と考えるのか正当性のある理由を一切接しようとしません。「交渉のためにカメラを切るなんて簡単なことがなぜできないのか」等と言い出すありさま。ほとほとあきれ返ります。
〇合意していたはずのオンライン開催を拒否する謎のシグマグループ
そもそも今回の対応に至った経緯として、ユニオンがオンラインでの交渉を申し込んでから、シグマグループがオンライン交渉はできないと言い出すまでの間に、3週間もの猶予があったことがあります。その間、シグマグループからはオンライン開催についてできないという話も、決められていないという話も一切ありませんでした。双方交渉の日程の調整し、あとは当日を迎えるだけという状況だった、交渉三日前、突然対面での開催を提示してきたのです。直接対面にする理由もオンラインでできない理由もいまだに謎のままです。
シグマグループの対応は不誠実な対応です。
それに対しての謝罪もなく、正当な理由もない要求を繰り返すのは、初めからこちらを下に見て、対等な立場での交渉を行う気のない非常に不誠実で許し難い行為です。
〇職場でのコロナ関連の重大事項も「議題にないから話せない」(シグマ)
さらにシグマグループの信じられない対応は続きます。
組合員のいる職場で、社員の同居家族が新型コロナウイルス陽性と診断されたにもかかわらず、濃厚接触疑いの社員以外に周知したり、休業等の具体的な指示を出しませんでした。そのため、私たちはしばらくの間「〇〇は検査大丈夫だったらしいよ」といったどこからか聞こえてくる噂だけを頼りに身を守る事を強いられました。
これは非常に重大な問題であり、命にもかかわることです。
ユニオンはなぜこうしたことが起きたのか、と交渉の場でシグマに質問しました。
しかし、この質問に対しシグマグループは「議題に無い」として、一切の回答を拒否し、上記のような交渉を妨害する行為に終始しました。
残業代未払い・長時間労働を放置するだけでなく、このコロナ禍において社員やその家族の健康に対する責任を放棄するこの行為は断じて許せません。
〇会社の対応はひどいものですが、着実に改善されている点もあります!
ですが、このような中でも一つの成果として現在は15分単位で計算されている労働時間を来年の早い時期から1分単位に変更するという成果がありました。
会社は不当な態度を続けながらも、私たちの要求を聞き入れざるを得ない状態にあることは確かです。
〇コカ・コーラ系の自販機産業労働者の皆さん、一緒に闘いましょう。
新型コロナウイルスの影響は、飲料業界にも大きな打撃を与えています。すでにコカ・コーラ本社でも大規模なリストラが始まっています。関東地方のコカ・コーラは自社輸送ではなく、シグマグループのような下請け業者が多く集まっており、今後、下請け切りや労働条件の不利益変更が起きる可能性が非常に高いと私たちは考えています。
多くの労働者が雇用を失う事態になりかねない状態ですが、こういう時こそ企業を超えて組織する私たちのような労働組合の力が発揮できます。
業界が縮小するなら、今まで過労死をもたらすような長時間労働、と膨大なサービス残業によって成り立っていた業界を、無理なく働きながら維持できる環境に変えることも可能だからです。
私たちはあきらめずに闘っていきます。
みなさんもぜひ自販機産業ユニオンでいっしょに闘いましょう。
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