近年、増えてきたASIL Ready認証とは
中国、台湾市場でISO26262認証が急増しています。
その中でも、半導体関係で「ASIL X Ready認証」が増えていますので、何者か、紹介いたします。
ASIL X Ready認証
半導体のIPに対して、ASIL X Ready認証と表記されている場合、QM(各社の品質管理規定)に基づいて開発されたQM IPに対して認証されています。認証の際に必要な成果物は、おもに、FMEDAとSafety Manualです。機能安全用途の上位コンポーネントに組み込む準備ができている状態にあることをFMEDAとSafety Manualで確認します。QM IPのSystematic故障(設計ミス)に対しては確認できていませんので、上位コンポーネントに統合後の各種テストで正常動作することを確認します。
ASIL X Compliant認証
半導体のIPに対して、ASIL X Compliant認証と表記されている場合、機能安全開発規定に基づいて開発されたSEooC IPに対して認証されています。認証の際に必要な成果物は、SEooCのSafety Caseです。テーラリングされたSEooC Safety Caseが想定(Assumption of Use, AoU)に対して3C(Consistency, Correctness, Completeness)であることを確認して認証します。使用する側としては、どのようにSEooC開発プロセスがテーラリングされ、何を実施して何を実施していないか、上位コンポーネント側の想定と一致しているかを確認する必要があります。SEooC IPのSystematic故障(設計ミス)に対しては、SEooC開発プロセスを順守し、アセスメントされていることになります。
おまけ ASIL X Ready+認証
ASIL X Ready認証とASIL X Compliant認証の間で大きな差(機能安全開発プロセス規定済)があるため、間のいちづけの認証があります。Ready+認証ではQM IPに対してFMEDAとSafety Manualを確認し、追加として、IPのSystematic故障(設計ミス)に対して確認します。追加で必要な成果物はQM開発プロセスと機能安全開発プロセスとのGAP Analysis結果です。QM開発プロセスで十分にSystematic故障を低減できることを確認し、認証します。QMで開発済のIPを機能安全用途で使用したい上位コンポーネント側の顧客からQM IPのSystematic故障について重大な懸念を示されてしまった場合に適用されます。
まとめ
開発期間が長く、半完成品(SEooC)である半導体、IPは、最初から機能安全プロセスを順守するのが難しい製品です。また、上位コンポーネント側としても、厳しい競争市場の中で、いち早く新興企業の製品を市場投入する必要があります。
このような状況下で、第三者機関として、両者の要求を満たし、規格準拠の確認されたリスクの低い製品を認証するため、柔軟にさまざまな認証を実施しています。
プロセス認証、製品認証の具体的な実施手順、期間、概算費用などのご質問につきましては、下記までお問合せください。
■本件に関するお問い合わせ先
SGSジャパン株式会社
C&P Connectivity 機能安全
〒240-0005
神奈川県横浜市保土ケ区神戸町134
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TEL: 050-3773-4508
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