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忘年会【漫才/ポッドキャスト】

A:どうも〜。
B:どうもー。
A:神野と鳩場でやっていきますけど。
B:よろしくお願いしますー。
A:いやもう年末ですよ!
B:いやもう早いですね本当に。
A:まあ、12月には忘年会しか行事がないですけど。
B:そんなことないだろ、クリスマス、大晦日盛りだくさんだよ。
A:実は僕、忘年会を昔軽犯罪だと思ってたうちの1人なんですけど。
B:お前しかいないよ。
A:違法かなって。
B:違法じゃないよ。
A:で、ジャポニカ学習帳読んで忘年会の本当の意味を知ったんですけど。
B:え!? ジャポニカ学習帳に忘年会が載ってんの!?
A:うん、もうバリバリ。
B:バリバリ載ってんだ。ジャポニカ学習帳ってノートじゃないの?
A:いや、あの表紙に。
B:表紙に!?
A:今年を忘れない、で忘年会。
B:あ、今年を忘れるで忘年会です。
A:は!? そしたら今年が死んじゃうじゃないか!
B:そんなVチューバーみたいな感じじゃないと思いますけど。忘れられた時が死んだ時みたいな。
A:まあ、いつかね忘年会やることがあると思うんで。
B:ああ、まあそりゃね。
A:ちょっと商店街の忘年会を練習しようかなって思って。
B:なんで商店街なのかは触れると多分怒るんで触れないですけど。
A:いやあ! 今年はよくがんばりました!
B:あ、なんか商店街の人の1人が乾杯の音頭を取ってる的な?
A:よし、挨拶はこれでいい。明日が楽しみだ。
B:あ、前日譚? いいよ、エピソード0は。忘年会始まってからを演じろ。
A:当日。
B:きた。
A:いやあ! うん! いいね! な、なんか良かったね! うーん、今年は、ね。
B:あ、前日の練習が何も結果を出してない! 今年はよくがんばりましたぐらい言えるだろアドリブでも。
A:えー、この商店街の会長をしています。乾杯の音頭とる男です。
B:乾杯の音頭をとるためだけに生まれてきたような名前。
A:あ、乾杯のおん・D・とる男です
B:あ、Dの一族なんだ。
A:今年は、商店街も活気がありました!
B:あ、そうなんだ。
A:まあ、商店街をスクランブル交差点に移転したのが良かったですね!
B:え、ごと!? 商店街ごとスクランブル交差点に移転したの?
A:まあ、許可取ってなかったので撤去されましたけど。
B:撤去で済んだの? 軽犯罪とかじゃないと思うけどもう。
A:まあ色々色なことして。
B:色々の上位互換色々いろを使ってる……めっちゃいろんなことしたんだろうな。
A:例えば、魚屋さん!
B:あ、魚屋さんの功績?
A:魚やめて色々な食材売り出したの良かったね。
B:あ、アイデンティティの崩壊。スーパー化したんだ。
A:次、肉屋さん!
B:肉屋さんの功績。
A:いろんな割引日を作ってね。
B:あー、なんか29日を肉の日って言って割引的な?
A:2月9日肉の日!
B:だけ!? その1日だけ割引したの? 魚屋さんがスーパーに変わったんだよ。勝てる?
A:次は、八百長屋さん!
B:え? 八百屋さんじゃなくて?
A:商店街野球大会でいい感じの演技してそれとなく二位をとりましたね!
B:あ、本当に八百長屋さんだ! いらないだろ。
A:えー、お疲れ様でした!
B:すごい商店街だな。
A:みんな飲み物何がいい?
B:あ、乾杯これからなの?
A:みんなバリウムでいい?
B:いいわけないだろ、ビールでも嫌がられる時代なのに。
A:はい! みんな持ってー。
B:お、乾杯くる?
A:かんぱ……ち! ってねwふふ。いやそれ魚じゃーんってねwふふはは、はい。
B:誰も笑ってくれなかった。こういう身内ノリの会合ではつまらなくても笑いは起きるだろ。
A:乾杯!
B:おー!
A:乾杯!
B:おー!
A:かっ乾杯!
B:乾杯で人が盛り上がるから味しめちゃってる。
A:乾杯!
B:さっき盛り上がらなさすぎたもんな。
A:八百屋さんは何飲んでるのー?
B:あ、八百屋さんもいたんだ。
A:野菜ジュースです。
B:あ、キャラ設定を忠実に守っている。
A:ねえ! 古本屋さんもこっち来て飲もうよ!
B:古本屋さん。
A:いや、私、広辞苑の二次創作描いてるんで。
B:広辞苑の二次創作描いてる。
A:ア行とワ行が遠距離恋愛する話。
B:それは二次創作と呼ぶのか?
A:敵襲! 敵襲! 隣町商店街が五万人を引き連れて宣戦布告!
B:え!? 令和の忘年会であってる?
A:マジ名前終わってる商店街だよなw 
B:あ、お酒入ってるから全員事態を重くとらえてない。そしてこの街ありきの名前してるな。隣街商店街?
A:おい! 商店街のシャッターを開けろ!
B:あ、商店街そのものにシャッターがかかってる。道としての役割もあるだろ。
A:ああ? なんだ? こっちは忘年会中なんだよ!
B:忘年会中って初めて聞く言葉。
A:なんだ! そのダサい中学の名前は!
B:あ、隣町めっちゃバカ。忘年会中って忘年会中学校ってことじゃないよ
A:今回、こっちは本気なんだ!
B:この商店街が消えたらお前たちの名前ってどうなるの?
A:とろいねえ、この商店街は。忘年会とか油断してさあ。
はは、速見、そんなこと言って一番に負けんじゃないの? 俺は早く戦いてえな!なあ、星? 
ふふっはやく勝って、日本のすべての商店街を僕のものにしたいなあ!
B:いつから、漫才忘年会が漫才少年漫画へと?
A:おい、舐められたもんだな、この商店街も。
B:少年漫画すぎるって。
A:行くぞおおおおおおおおおお!
B:始まった! うおおおおおおお!
A:ドーン。いったあい! あんた謝りなさいよ!
B:え?
A:いってえ。なんだと!
B:は?
A:意外とイケメンじゃない。
意外と可愛いじゃねえか。
B:少年漫画中に少女漫画が割り込んできた。え、これ戦中だよね?
A:とろいなあ。
B:あ、さっき出てきたやつだ。
A:まだ忘年会とかしてんのお? こっちはもう新年会も済ませたよお。
B:早すぎるだろ。まだ年明ける前だぞ。
A:うがああああああ。
B:あ、決着がついたっぽい。
A:勝ったのは……。
B:どっちの商店街なんだろ。
A:〇〇!
B:え!? 俺!?
A:あなたの一人勝ちです。
B:このタイプの戦いで一人勝ちとかあんの?
A:流石。
B:今まで俺、ギリ芝居に参加しているかしていないかの狭間あたりで傍観していたんだけど。
A:もう切れ味勝ち。
B:え、ツッコミの?
A:みんな切られてた。
B:言葉が武器になる系漫画の世界?
A:というわけで今回の忘年会MVPは鳩場さんです!
B:あ、この戦い、忘年会の一コンテンツ換算なんだ。もういいよ。
A、B:ありがとうございましたー。
A:良いお年を!

脚本:神野 祐介(中学3年)

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