スガハラで働く#04|スガハラだから、できること
こんにちは!なんだかすっかり秋も深まり、本格的な寒さもすぐ訪れそうですね。真冬の工房では、中央の炉が大きな暖房器具がわりになります。凍えるような朝、出勤してきた職人たちが手を温める姿をよく見ます。
さて、今回の記事では、職人をフォーカスしてきた前3回の記事のまとめとして、スガハラのガラス職人として働き、"スガハラだからできること"を紹介したいと思います。他社と比べてというわけではないですが、おそらくユニークであろう特徴が3つあります。開発部長である職人の松浦健司さんに補足してもらいつつ、まとめていきたいと思います。
その1 : 誰でも開発に参加できること
スガハラでは毎年多くの新製品を発表しています。春先にまとまって、その年の新作ガラスが発表されますが、それだけでなく通年で、たとえばコラボレーションであったり、依頼であったり、さまざまな製品を生み出します。その開発力というのが、スガハラの大きな特徴です。そもそもスガハラでは、多くの場合、職人が製品のデザインをします。しかし、だからと言って限られた凄腕の職人だけが新製品を考えたり、デザインしているわけではありません。もちろん、最終的にカタチにするには技術と経験が不可欠ですので、熟練の職人が担うことがありますが、誰でも製品の開発に参加できるというのが、まず"スガハラだからできること"だと言えると思います。
その2 : お客さんとの交流がある
職人とは、頑固で寡黙で、ひたすら工房で作っている。そんなイメージがあるかもしれませんが、スガハラでは違います。新製品発表の際には、各店舗に職人が行き、直接お客さんと交流をしています。直にお客さんの声や反応に触れる機会がある。それも、職人として"スガハラだからできること"です。何より、自分がデザインした製品に意見をもらったり、その場で購入いただくなんてことは、大きな励みになりますよね。"暮らしに寄り添うガラス"である以上、やっぱりお客さんの声はとても重要なのです。
その3 : さまざまな技法を学べること
スガハラは製品数がとても多いことにも特徴があります。約4000品以上のラインナップがあります。そうすると、それぞれに必要な技術や経験も多様なわけです。つまりは、職人として多くのことを学べるチャンスがあるということになります。以前の記事でも紹介した中堅職人の江良さんは、オールマイティに何でもできますが、その中からワイングラスの製造を一番の専門としています。そうして、いろいろやってみる中で、自分に向いている、または情熱を傾けることができる専門性を伸ばしていくことも、"スガハラだからできること"です。
新人でも誰でも開発に参加ができること、お客さんと直に交流する機会があること、さまざまな技法が学べること。他にもいろいろ、"スガハラだからできること"はありそうですが、大きくこの3つにまとめてみました。総合して言えるのは、開かれたものづくりがあるということでしょうか。狭き門であり、一つのことを極める、といった従来の職人像とは違って、風通しの良さを感じます。しかし、そうは言ってもちょっとやればできるという世界でないことは明確です。スガハラの職人のみなさんからは、気負いはないものの、生涯の仕事であることを感じますし、数十年かけなければできないことも、やはりあるのだと思わされるのです。