遺贈寄付という社会貢献
遺贈、という言葉をご存知でしょうか。遺言によって、相続人でない人に財産を分与することで、ほとんどの場合、身寄りのない人がその財産について遺言を作成して、分配します。しかし、今、遺贈寄付が注目されています。
遺贈寄付とは
遺贈寄付とは、遺言によってその財産を寄付するということです。遺贈寄付は、例えば、子どもに重度の障害があって、施設に入所しているような場合、その子に財産を残したところで、活用することもできない。生活自体は年金もあって困ることはないだろうから、少しだけ子どもに相続させて、残りを施設に寄付したい。というように、特別なケースと言えるかもしれません。
遺言自体が認知されつつはありますが、まだやはり自分には関係ない、お金持ちのすること、というイメージがあり、実際に遺言書を作成するというはなかなか普及はしていません。しかし、社会貢献というマインドは日本でも定着しつつあり、SDGsというのもあって、寄付自体の額は年々増えているところです。
老後のお金は慎重に
寄付が注目されているとはいえ、高齢者にしてみれば、老後の生活は不安なものです。いくら、社会貢献の意識が高くても、なかなか難しいでしょう。お金持ちであれば、あればあるだけ寄付できるでしょうが、一般の方にはそうはいきません。しかし、遺贈寄付ということであれば、死亡した後に寄付できるのですから、いくらかまとまった額が寄付できるというものです。
謎に寄付金の額となると、100万円以上というイメージがあります。実際、100万円以上の寄付が多いです。しかし、それぞれの団体からは数十万円でも数万円でもありがたい、というのが事実です。例えば、動物愛護団体であれば、その数万円があれば、犬1頭の食費が賄える、ということです。図書館であれば、それだけの書籍が購入できるわけです。
相続財産のうち、そのほとんどを寄付するということではなくて、その内の一部を、できる範囲で、寄付するという社会貢献なのです。
子どもたちの反応が心配
当然、その分の相続財産は減るわけですから、子どもたちの反応は心配でしょう。しかし、先ほどの図書館の例であれば、死亡したのち、財産を寄付したことで、市長から長男さんが感謝状を贈られるというようなことがあるわけです。長男さんからしてみれば、これは大変名誉なことでしょう。よくよく考えてみれば、相続財産が相当あったとしても、そこから返済やら、葬儀費やら、色々と引かれるわけですから、遺言寄付の額にもよりますが、相続人の納得できる範囲での寄付は、むしろ好意的に思われることでしょう。
遺言書を作成してみる
自分の生活の不安がなく、社会貢献できる遺贈寄付。美術館に寄付したい、ラグビー協会に寄付したい、ボランティア団体に寄付したい、自分の死後に社会貢献できるというのは、何より自分の生活を豊かにできるというものです。遺贈寄付にご興味をお持ちいたけたら嬉しいです。
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