「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」の本当の理由②
前回に続き、「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」が他の業種に応用できないかを考えてみます。
何を売るのか
もちろん、マーケットを見て、売れるものを決めるというやり方もありますが、まずは何が売れるのかが必要です。ここではレンコンですが、読み進めていくと普通のレンコンではありませんでした。先代のこだわりと技術とそれから伝統。ただのレンコンでないということがこの商品の強みとなっていたわけです。なのでその強みがない場合であっても同じようになったかというと、難しかったでしょう。しかし、強みというのはあくまで相対的なものなので、どんなものであっっても何も強みがないということはありません。
値段を決める
前にも価格決定のお話をしましたが、価格は顧客が買ってくれる最高値が利益を最大化できるわけです。なのでいくらで売るかということは、経営の最重要課題ということです。コストが高くて、利益が出ないという状況は、売れば売るほど赤字になるということですので、すぐにやめるべきです(農業においてはこれは日常ではありますが)。これも前述になりますが、松竹梅戦略は有効のようです。
顧客を探す
さて、その値段で買ってくれる顧客を見つけなくてはなりません。この本に書かれているのは、営業、営業、そして営業でした。レンコンという商品の特徴かもしれませんが、B to Cというよりは、B to Bの傾向が強いからかもしれません。なかなか家庭でレンコン料理というよりは、料亭、割烹などで食べる機会のほうが多い感じがします。どこにそういう顧客がいるのかを探し出さないとビジネスは成り立ちませんので、どこにアプローチするかというのは重要です。そこを間違えると顧客にたどりつかないなんてことも。
買うまでのプロセスを知る
顧客がその商品を買うまでのプロセス、つまりカスタマー・ジャーニー。前にもお話ししましたが、ジャーニーです。この本ではレンコンの生産者が消費者に対して、そこ気にする?ってなるところがあります。生産して出荷しているだけでは気が付かなかったことでしょう。消費者目線で、とはよくいわれますが、実際にそう試みようとしても、案外自分の思い込みだったり、間違った先入観だったりで、分からないものです。
再現性はあるのか
ビジネスにおいて、最も重要となるのが再現性です。たまたま売れた、たまたま儲かった、ではほぼギャンブルです。なんらかの仕掛けに対して、同じようなリアクションが求めらるわけです。それに対しての経費を計算し、売上を見込み、投資して、売上から利益を出す、のがビジネスですので、投資を回収する段取りをするのが経営者といえます。この本ではその部分は詳しく書かれていませんが、それぞれの取り組みが相乗的に実現したと想像します。
まとめ
コンテンツ、プライス、カスタマー、そしてビジネス・モデル。仕組み化のところで、もう少し詳しい説明が欲しいところですが、それでもビジネス書として参考になることばかりです。農業という特殊な分野ではありますが、きっと何かのヒントになるかと思います。
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