スタートアップエコシステムを創造する
伊藤龍史「にいがたアントレプレナー学」の紹介。スタートアップエコシステム、スタートアップが次々と生まれてくる土壌、いちばん有名なのはアメリカのシリコンバレーである。いわゆるIT系のスタートアップがボコボコと生まれた地域である。なぜそれが可能であったのか。それが分かれば、ここ新潟にも作れるはず、というお話。
著者について
新潟大学経済科学部准教授である伊藤龍史氏。私も何度か講演に参加したことがある。経営学が専門で、アントレプレナーシップを研究している。シリコンバレーのあるサンノゼ州立大学に在籍していたこともあり、まさにシリコンバレーを知る人なわけだ。新潟でスタートアップを、ということでその中心にいるといっても過言ではないだろう。ゼミはすごく人気で、一般の方にも、それこそ起業家、あるいは起業家を目指す人にも開かれているというから、その人気も納得できる。
アントレプレナーシップとは
アントレプレナーシップとは、日本語に訳すと少し難しいが、起業家精神というのが近い。本書はこのアントレプレナーシップについての解説と、新潟県内の起業家を紹介していくかたちで構成されている。内容はちょっと難しい。で、結論からいうと新潟にスタートアップエコシステムはできるのか、についてははっきりと書かれてはいない。
ポストコロナとスタートアップ環境
ポストコロナを迎えて、東京一極集中はなくなるのであろうか。東京都の人口が減った、なんてニュースもあったものの、新潟県の人口は減っている。ではどこに行ったのかというと、東京でも新潟でもないのだろう。新潟から出て行く人は増えるし、東京から出る人は新潟でない別のところなのだ。
リモートや副業など、コロナ後に一気に加速した訳だが、地方にとっては非常にチャンスかもしれない。こうして新潟でスタートアップ環境を整えようという姿勢は素晴らしい。しかも、伊藤准教授を中心にしたコミュニティは、他では類を見ない取り組みではなかろうか。ぜひ、多くの方からこの本を手に取ってもらい、新潟を知ってもらいたい。
スタートアップ環境は重要である。スタートアップの成功のカギは、環境だと思う。なので、沢山の起業家、起業家を目指す人に注目してもらいたい。
ファースト・ペンギン。最初にリスクを冒して海に飛び込むペンギンのことである。起業家と似たようなマインドかもしれない。しかし、この動画にあるように、おバカさんで終わるか、リーダーになるかは、その環境に影響されるわけである。
まとめ
新潟にも起業家がいないわけではない。スタートアップ企業がないわけではない。ただ、なんとなくそういう印象が薄い。こうしてひとつにまとめてみると、良い環境が整備されていると知る。こういう取り組みをもっと情報発信していく必要がある。だって、ちょっとしたコワーキングスペースを設けて、キラキラしたセミナー開いて、なんとなくやってる感だけ出したってしょうがないじゃないですか。
にいがたアントレプレナー学 [ 伊藤龍史 ]
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