イチヤナギトモヒロ

地方都市の教員 ※このnoteでの発言は個人の見解であり、所属する組織の公式見解で…

イチヤナギトモヒロ

地方都市の教員 ※このnoteでの発言は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。

最近の記事

登山からバーまで

リバーシブル、ツーウェイ、兼用、セミフォーマルなど1つの道具がいくつもの役割を持つものが好きだ。お得感から来る幸福感がある。貧乏くさいと思いながらも仕方がない。幸せを感じてしまうのだから。 愛用している靴がある。丸っこいぽってりとしたこの靴の生まれはおフランス。 例にも漏れずこの靴も多機能だ。 油の多い皮なので多少の雨なら弾くことができる。まるでレインブーツ。 分厚いゴム底で地面をキャッチする。軽登山ならなんのその。まるで登山靴。 ピカリと皮を磨いていけばちょび髭のバ

    • 会話とは

      私には、言葉を発する前段階に厄介な癖があるとこがわかってきた。 相手が発した瞬間に、自分が話す内容の構成を組み立てはじめてしまうということだ。 話し相手が 「昨日、美味しいラーメン屋を見つけたの。」 の「昨日」に自分は反応してしまう。 そういえば昨日は、5時半に起き、朝食は目玉焼きを食べ、カラスがゴミを漁ってるのを眺め…という具合に昨日あった出来事の記憶の抽斗をしっちゃかめっちゃか出し入れしている。 そんなこんなで相手の話を聞かないもんだから、 「あ、ああ昨日は良い天

      • 私的買い物論

        私は欲しい物はすぐ買わない。出会うまでを楽しむ癖がある。結婚指輪もそうだったな。結婚してから買うまでに1年ぐらいかかった。旅先の愛媛県で見つけた。 長らくシェードを探していた。家を買ってからなので早3年程になるか。熱心に探していた訳ではない。心の片隅で、シェード欲しいなぁと小さく小さく思ってた。 そうすると、散歩やら旅先での散策が一段と楽しくなる。 雑貨屋やらアンティークショップやら蚤の市やらでシェードを見かけると、ああいいね、でもまだまだという具合に、道程を楽しんでい

        • 本物のオオサンショウオは

          日本固有種のオオサンショウウオは日本全体のオオサンショウオの1%しか存在しない。そのほか99%の個体は外来種との交配によって生まれた雑種である。稀有な原種のオオサンショウウオが小さなアクリルに入れられて展示されていた。 つぶらな目玉、どこが瞳なのかはわからん。それが一層と哀しみを助長させる。わけもわからずそいつは独りぼっちである。 稀有なオオサンショウウオを守る意味はなんだろうか。大陸にいるオオサンショウウオとこのオオサンショウウオの違いはなんだ。 交雑し99%のシェアを

        登山からバーまで

          子どもの時間

          両親が娘に腕時計をプレゼントしてくれた。少しずつではあるが、時間に興味をもちはじめている。 時計の歴史を遡ると1656年にクリスチャン・ホイへンスが振り子時計を完成させ、人類は徐々に「絶対時間」の感覚や概念を身に付けていく。それが極端に進んでいったのが産業革命後、1847年鉄道時間が制定されてからだ。みんなが同じ時間に工場に出社するようになる。地方ごとに時差がなくなり、少しずつ世界中の人々が同じ時間感覚をもつようになる。 それまでの人類の時間の感覚ってどんなだったのだろう

          経年変化

          皮革、木材 経年によって変化していくもの好きだ。 思い返せば幼少期から好きだった。小学校から帰ると、卓球ラケットを握って玉を突いた。ラケットのグリップが汗によって少しずつ黒ずみ、艶やかになっていく過程を見るのが好きだったからだ。同じ理由でけん玉にも勤しんだ。 誕生日に硬式用のかなり本格的なキャッチャーミットを買ってもらった。無論、私はキャッチャーではない。野球部でもない。サッカー部だ。キャッチャーミットは育てるために買った。 大型のスポーツ店で数々のミットの中から吟味した