文系出身の30代半ばの生涯学習愛好家が放送大学の理系(情報コース)に3年次編入学した話

2022年度の秋季より、放送大学の情報コースに3年次編入学した。現在30代半ばで、私立大学の社会学部出身だ。
私と同じように、年を取っても学ぶのが好きな人たちにとって有益な記事を書いていきたい。

なぜ通信制大学に編入したのか?

もともと勉強が好きで、特に独学が好きだった。私の趣味は外国語学習なのだが、それも学校に通って勉強するということはほとんどない。自分で教材を選んで買って勉強して、それなりに難しい資格試験にも合格してきた。英検は1級、TOEICは965点だ。

勉強が好きな私は、もう一度大学生になりたいという気持ちをいつも心のどこかにいだいていた。どうせやるなら、新しいことをやりたい。高校を卒業した後すぐに進学した私立大学では文系(社会学部)に在籍したが、今度は理系の勉強がしたかった。具体的には、コンピュータと数学だ。

夜間の大学に編入するという道も考えたこともあった。しかし、今や時代はオンライン。インターネットを利用して効率よく学習ができそうな通信制の大学にとても興味があった。なにより私は独学が大好きで、大の得意なのだ。自分でペースを決めて勉強できる通信制大学は、自分に最適だと思った。

なぜ放送大学の情報コースにしたのか?

もともと放送大学の良い評判を聞いていたし、昔テレビで普通に放送されていた時は時々放送授業を視聴していた。東大教授の先生がごろごろいて、授業のクオリティはとても高いと思った。自分は東京の結構有名で伝統ある私大の出身なんだけど、正直言ってそこの大学の授業より質が高いと思った。

決め手になったのは、とあるnoterの記事である。

どうせなら、今とても興味があるプログラミングと数学が勉強したいと思い、いくつかの通信制大学を調べていたのだが、そんな時にこの記事を見つけた。この記事を読み終わった時に、放送大学がベストだと確信した。そういう経緯で出願を決意したのだ。

資料の取り寄せ

放送大学のサイトで資料を請求したら、すぐに募集要項などの資料一式が送られてきた。その頃は仕事がとても忙しかったので、出願せずにチンタラ先延ばしにしていたら、放送大学の事務員さんから電話がかかってきた。「出願にあたって、何か不明なことはございませんか?」と聞いてきたのだ。とても親身で驚いてしまった。一旦は、「今のところは問題無いので(めんどくさくて先送りにしてるだけ)、大丈夫です。ご親切にありがとうございます」と言って電話を切った。後日、出願の必要書類について確認の電話をしたら、同じ事務員さんかはわからないが、とても親切に教えてくれた。

書類集め

放送大学の事務員さんと電話して確認したところ、私の場合は過去に在籍した大学に用意してもらう書類は、取得単位の明細書だけだった。母校の大学の事務室の営業時間を調べたら、土曜日の午前中は営業しているらしい。早速次の土曜日に母校に行ったら、2人の事務員さんが丁寧に対応してくれた。1人はとても若く、聞いてみるとこの大学出身でまだ卒業して間もないと言う。

事務員さんに放送大学から送られてきた書類を渡して、事務員さんから渡された書類に必要事項を記入して、それも渡した。丁重にお礼を言い辞去した。そのあと数日で、自宅に取得単位の明細を貼り付けて割り印した書類が届いた。これで必要書類は全て揃った。

履修登録と出願

放送大学の場合、毎学期が始まる前に履修する授業を選び、その分だけ授業料を払うシステムだ。これは結構特殊なシステムらしく、慶応義塾大学の通信制に在籍してる知人に驚かれた。

授業選びはかなり悩んだ。基盤科目や導入科目といった、いわゆる一般教養のような授業は今年はほとんど取れない。なぜなら、私は3年次編入学なので、最高で62単位が放送大学の基盤科目や導入科目の単位として認定されるからだ。12月半ばに単位認定の結果が出るまではどの科目の単位として認定されるかわからない。たとえば基盤科目の「初歩からの数学」という授業を履修して、母校で取得した数学系の授業の単位が「初歩からの数学」の単位として認定されると、今期履修した授業が無駄になってしまう。

出願の締切のギリギリまで悩んだ結果、母校では履修しなかった外国語科目と、情報コースの専門科目を、あわせて9科目取ることにした。母校では第二外国語として中国語を履修して単位取得したので、中国語以外の第二外国語なら単位認定されることはありえないだろうと思ったのだ。具体的には、フランス語とドイツ語。フランス語はずいぶん前だが独学で勉強して仏検準2級を取得したので問題ないと思うが、ドイツ語は初学なので単位が取れるかどうかが少し不安だ。

外国語にくわえて、所属する情報コースから専門科目を中心に7科目を選んだ。専門科目なら編入学によって単位認定される可能性は低いので、編入学生は最初の学期は専門科目を中心に履修するらしい。

もうひとつ考慮するべきなのは期末試験の日程だ。コロナ禍で試験がオンラインになっているとはいえ、それぞれ日程は決まっているので、同じ試験日の授業を複数履修することはできない。それもふまえて最終的に9個の授業を登録したが、多すぎたかもしれない。でも、もうやるしかない。

履修登録とあわせて出願をしたら、後日振り込み用紙が送られてきた。PayBというアプリを使って簡単に支払いが済んだ。コンビニや銀行でも振り込み用紙を使って支払いできるのだが、この先も毎学期学費支払うことを考えたらアプリで支払うことに慣れた方が楽で良いかなと思った。

印刷教材到着

学費の納入が済むと、数営業日後にログイン後のマイページの出願申請進行状況確認で、学費納入済かどうかが確認できる。同じページで印刷教材の発送状況も確認できる。印刷教材は小さな段ボールに詰められて送られてくる。8冊届くはずが2冊しか届かなかったので焦ったが、数日後に残りの6冊と『学生生活の栞』が届いた。何かの事情により分割で発送されることもあるようだ。なお、通信指導問題という中間テストの答案用紙も同時に送られてくるので、失くさないように管理をしないといけない。

※放送大学では教科書のことを印刷教材と呼ぶ。製本されているしっかりした本が無料でもらえるので驚いた。普通の大学では教科書を自腹で購入するのにな。

学生証受取

印刷教材が届いた数日後に、学生証を受け取るためのハガキが届いたので、受け取りのために千葉学習センターに行ってきた。千葉学習センターは放送大学の本部を兼ねる。緑が多くて良いキャンパスだった。学生と思しき人たちも、ちらほら見かけた。60歳を超えていそうな人が多かった。

道路をはさんで向かいから撮影
緑が多い
図書館も立派だ

事務室に行き学生証を受け取った。学生証はプラスチック製で、図書館の入場券を兼ねている。有効期間は2年間なので、2年後に再びここに交換しに来る必要があるようだ。学生証の写真は出願時にアップロードしたものが使われるが、画質がとても悪くて驚いた。身分証としてこの画質はどうなの?というレベルだ。

授業開始

授業期間が始まったら、あとは自由に授業を視聴して、必要なら印刷教材を読めば良い。放送大学のウェブサイトにログインすれば、全ての放送授業をいつでも視聴できる。とりあえずは11月の中間テスト(通信指導問題)が目標になるだろう。

終わりに

長々と書いたが、放送大学への出願を決意してから、今日までのことを振り返ってみた。この文章が誰かの役に立てば幸いだ。

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