芸術・エンタメの取り組みを見てみる
どうも、裕本恭です。
先週までずっと世代論を小劇場の歴史と絡めながら連載して、さて、次は何を書こうかなって考えておりました。
正直な話、今、起きている諸問題の解決は国が正常な判断を下すことを待つか、革命を起こすかぐらいだなと思っております。
とはいえ、全ての人間に生活がありますから。
実は深夜ガタンゴトンも次回に向けていろいろな情報をそろそろ公開しようと思っていたんですが、現状、そんなことしてる場合じゃねーってのが正直なところ。
この何も公開していないのに、やるかやれるのかやらないのかを考えるのは地味に参ります。
腐っていても仕方がないので、今、芸術・エンタメ界隈が何に取り組んでいるか少しだけまとめてみようと思いました。
支援の嘆願・署名等
「Save Our Space」
さて、まずは音楽業界からですね。これは分かりやすい話で、自粛要請した分の損害を補償して欲しいと嘆願書を出すために署名を集めているというもの。
「舞台芸術関係者に適切な補填を求める要請」
こちらは演劇業界です。同じように署名を集めて、要望書を提出したというものです。
これらは冒頭でも話した通り、後はもう国が正常な判断を下すのを待つしかないというのが正直なところで、大きな単位での動きです。
実際のアーティストの取り組み
もう少し我々に近いところで、実際に、今、アーティストは何をしているのかというところに焦点をあてて行きましょう。
映画美学校アクターズコース「シティーキラーの環」
多くの公演が上演延期・中止になり、無観客配信というものになっておりますが、映画美学校アクターズコースがYouTubeで公開したこちら。物語そのものの是非はここでは置いておくとして、演劇の生っぽさと映画特有の視点がマッチして魅力的な仕上がりになっております。これはまさに無観客を逆手にとったとも言えますし、新しい映像表現、舞台表現の可能性を持っております。
ナンバーガールの無観客ライブのやりたい放題も楽しかったですね。表現方法というのはまだまだ増えていくでしょう。
「未開の議場ーオンライン版ー」
こちらは、オンラインで稽古を行い、上演も行うという新しい演劇のかたち。もともと会議劇(有名どころだと「十二人の怒れる男」のようにただ会議をするだけのもの)の戯曲を今回オンラインだけでどこまでやれるのかという企画。こちらはこれから上演されるものなのでどうなるのか見てみたいものです。
音楽業界も演劇業界も、無観客配信というのが、今できる選択肢の一つとして広がり始めております。問題は、その収益化の仕組みがまだ整っていないことです。そんななか、17ライブやShowroom等の投げ銭機能を使い、収益化を行っているアーティストもいます。
そして、無観客ライブの配信を電子チケット化し、ライブ配信を行うアーティストも出てくるようになりました。
記事はtricotさんですが、さきがけはceroさんですかね。
各地のライブハウスも電子チケットによる収益化と配信方法について試行錯誤が始まっております。
現状の最適解の模索
音楽、演劇が「生」であることがいちばん魅力的なことは自明の事実ですが、こういった状況でも「何ができるか?」と考え続け、現状の最適解が模索されております。
これまでやられなかったこと、できそうにもなかったことが、この機会に生み出されております。
引き続き、各アーティストの取り組みに注目し続けたいです。
私自身もどういう表現をするべきか模索する機会として。
裕本恭