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2025年2月における日本株市場⑤ (ただの雑談編)
A:前回は2月13日の出来事でした。今日は2月14日の出来事です。
T:同日、あい ホールディングス(3076)がナカヨ(6715)に対するTOB(完全子会社化を目的)を公表。あい ホールディングスはセキュリティ機器メーカー。東証プライム市場に上場し時価総額は約1,200億円。一方、ナカヨは情報通信機器メーカー。東証スタンダード市場に上場し時価総額は約50億円。同社の筆頭株主はあい ホールディングスで8.38%を保有する。但し、光通信グループが18.06%を保有する。
A:光通信はアクティビストとしては認知されていませんが、光通信が大株主になっている企業にかかるTOBやMBOも多いですね。
T:光通信は時価総額が小さい企業へ投資しており、10%以上保有する企業も多数ある。
A:株を持たれている側からすれば、不気味な存在ですよね。
T:どのような対話を行っているのかは不明だけど、持分法適用関連会社になる水準以上に株式を保有されている企業(多数あり)は、光通信の意向をより忖度せざるを得ないと思う。
A:同日にはスパンクリートコーポレーション(5277)が株式併合による上場廃止を公表しました。
T:同社はスパンクリートというコンクリートパネルのメーカー。東証スタンダード市場に上場し時価総額は約40億円。もともと上場維持基準のうち、流通株式時価総額を満たせていなかった。株式併合を通じて創業家株主のみにする予定とのこと。
A:同社は赤字続きで時価総額も小さく、しかも流通株式時価総額も満たせないことから、上場廃止はやむを得ないですね。というか、こんな会社が上場企業として今日まで存続できたことがおかしいです。
T:そうだね。ちなみに、同社の筆頭株主はMUCC商事株式会社。ここは、UBE三菱セメントが72%、三菱商事が28%を保有する会社。三菱商事は最強商社と言われてきたけれど、出資先にはこのような赤字企業がまだある。三菱商事だけではないけれど、総合商社はなんだかんだといって金属・資源・エネルギーで大きく稼いでいるだけで、不採算事業を今も多数抱えている。
A:2024年は総合商社の株価が大きく上昇しましたが、伊藤忠商事を除くと再び低迷しています。
T:バフェット効果が切れて、実は中身がほとんど変わっていなかったことに皆が気付いた部分もあると思う。利益の水準や株主還元能力などは大きく変化したけど、各社は相変わらず同じような事業を行い、不採算事業も数多く抱えたまま。実態がわからないコングロマリットから脱却できていない。
A:昔から総合商社を見てきた日本人であれば、各社が大きく変化・成長したことを理解できますが、外国人からすれば、総合商社は分析できないというか、分析したくない企業ですよね。とにかく事業やグループ企業が多すぎます。また上場子会社、上場関連会社も多いです。こんな複合体の評価をまともに行うことはできませんし、仮に評価できたとしても、すぐに過去情報になってしまいます。
T:伊藤忠商事のみ株価が堅調なのは、黒字事業の割合が高いこと、各セグメントの評価がしやすく、その積み上げで会社全体の評価も行えることがあると思う。また企業のターンアラウンド能力に優れ、取り込んだ企業の価値を着実にアップさせている。さらに金属・資源・エネルギーにはそこまで依存していない。商人の集団であるというアイデンティティも確立されている。つまり、理解や評価がしやすい。
A:総合商社だけではありませんが、日本企業に必要なのは脱横並びだと感じています。
T:7大商社が4大商社くらいに再編されないかと期待している。