海外投資家の資金を呼び込めていないのはなぜか。
A:東証が株式取引の終了時刻を30分延ばした2024年11月5日(本日)の時点で東証には3,958社が上場しています。内訳は、プライム市場に1,644社、スタンダード市場に1,593社、グロース市場に596社、TOKYO PRO Marketに125社です。
T:本日時点の時価総額ランキングをみるとプライム市場のトップはトヨタ自動車(7203)で約41.6兆円。10兆円以上は17社。17位にKDDI(9433)で約10.5兆円。1兆円以上は175社で、175位に東京電力ホールディングス(9501)。一方、時価総額が100億円を下回る企業が18社。最下位はプロレド・パートナーズ(7034)。トヨタ自動車の時価総額との差は約8,000倍。
A:スタンダード市場では時価総額トップは約1.88兆円の日本オラクル(4716)です。一方、最下位は婦人プレタポルテのラピーヌ(8143)で5.7億円。両社の差は、約3,277倍です。また、グロース市場では時価総額トップはディスカウントストアのトライアルホールディングス(141A)で約3,400億円。最下位はのTHECOO(4255)で約10億円。両社の差は約340倍です。
T:こう見ると、各市場のトップと最下位の時価総額の差は、プライム市場が最も大きいことがわかる。
A:プライム市場だけではありませんが、どの市場も滅茶苦茶ですね。
T:常々「プライム市場の各種基準を最低10倍以上に引き上げ、今のプライム市場の基準をスタンダード市場に適用すべき」とこの場で何度か述べてきたけど、改めて数値でみると、悲惨としか言いようがない。
A:株価指数の算出などを行う米MSCI(Morgan Stanley Capital International)は代表的な全世界株指数「MSCI All Country World Index(ACWI)」から日本企業をどんどん除外しています。本年5月末にJ-REITを除く13社が除外されました。本日時点の時価総額で言えば、約7,400億円の清水建設(1803)、約7,300億円のスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)、約7,300億円のミスミグループ本社(9962)、約6,700億円の朝日インテック(7747)、約6,200億円のヒロセ電機(6806)、約6,150億円の飯田グループホールディングス(3291)、約5,800億円の小田急電鉄(9007)など。一方で採用されたのは約2兆円のアシックス(7936)のみ。日経平均株価が2月22日に史上最高値を更新した矢先の出来事です。
T:ACWIは、23の先進国と24の新興国の大型株および中型株から構成される。ドル建ての時価総額が基準であり、流動性や浮動株比率も考慮される。日経平均株価がバブル経済崩壊後の高値を更新したと浮かれていても、世界の上場企業も成長を続けている。相対比較で日本の存在感が低下している。
A:MSCIは四半期毎に指数の銘柄を入れ替えますよね。
T:本年8月末にはMSCI ACWIからさらに5社が除外された。J-REITを除くと、約7,200億円の日産化学(4021)、約6,400億円のNIPPON EXPRESSホールディングス(9147)、約6,000億円の小糸製作所(7276)、約5,800億円のヤマトホールディングス(9064)。一方で、約6,900億円のKOKUSAI ELECTRIC(6525)のみが採用された。
A:MSCIの指数に連動するパッシブ・ファンドの資金は巨額ですから、採用または除外の影響は大きいですよね。KOKUSAI ELECTRICの株価は、採用が決まった翌日に、前日比で12%も上昇しました。
T:MSCI ACWIに採用されている日本企業はほぼ200社。ピーク時は400社ほど。それが2020年以降120社も減少。プライム市場の時価総額基準は最低1兆円以上にすべき。1兆円でもグローバルではまだ中小型。
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