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先週の日本株市場と危険水準に突入した資生堂に関して

T:先週の日本株市場も凄まじい1週間だったね。大きなニュースが相次いだ。

A:とりわけ12月18日は凄かったですね。まず、今年最大のIPOとしてキオクシアホールディングス(285A)が東証プライム市場に上場。公開価格ベースの時価総額は約7,840億円。初値は公開価格を下回りました。また、富士ソフトの争奪戦を米KKRとともに繰り広げている米PEファンドのBain Capitalが、富士ソフトへの同意なき買収(敵対的TOB)を公表しました。

T:Bain CapitalはKKRよりも高いTOB価格を提示したにもかかわらず、富士ソフトはBain Capitalへの反対を維持することを前日(17日)に決議した。

A:Bain Capitalは買収対象の取締役会との合意に基づき友好的に買収手続きを進める形で日本で実績を積み重ねてきた中、同社はPEファンドによる国内初の「同意なき買収」を行うことになります。

T:富士ソフトの件は、いったい何のための非公開化なのかよくわからない。それと、PEファンドはもはやプライベート・エクイティとは言い難くなってきたようにも思う。同意なき買収まで行うとなると、アクティビストよりも警戒が必要な存在。投資会社という名の事業会社になってきたのかも。

A:PEファンドだけに限らず、ファンド勢における従前のすみ分け、境界線が溶けてきたように思います。

T:そして同日、日経朝刊の1面に「ホンダ・日産統合へ 持ち株会社を設立」というビッグニュースが掲載された。これを受け、日産自動車(7201)の株価は一時ストップ高まで上昇した。

A:日産に関しては、これまで以下の記事で取り上げてきたように、瀕死の状態でした。

●2024年10月14日:

●2024年11月11日:

●2024年11月17日:

T:統合相手までは予想できなかったものの、何かが起こるとしか考えられない状況にあった。

A:統合報道が出る前の時価総額は約12,600億円と、100億ドルを大幅に下回る危険水準でした。

T:グローバル基準では中小型株。世界有数の巨大自動車メーカーが、二束三文になっていたわけだね。

A:マツダ(7261)も危ないですね。

T:うん。個人的には、資生堂(4911)も危ないと思っている。国内トップで世界でも有数の化粧品大手。その時価総額は12月20日時点で約1兆円。グローバルでは完全に中小型株。日産と異なり割安でもない。株価は2,710円だけど、ここから半値の1,350円くらいまで下落しても驚かない。

A:日本株が盛り上がった2023年7月には7,000円ほどまで上昇していた株価が、すでに60%以上も下落していますね。相場の格言「半値八掛け二割引き」に近づいています。

T:30年の四半期足のチャートを見てみると、凄い角度で株価が下落していることがわかる。

A:12月19日にはソニーグループ(6758)がKADOKAWA(9468)との資本業務提携を発表。KADOKAWAの約10%を保有する筆頭株主になるものの、追加の株式取得の予定はないとのことでKADOKAWAの株価は急落しました。

T:同日、東証プライム上場のLINEヤフー(4689)は越境EC大手のBEENOSへのTOB(完全子会社化)を公表した。BEENOSも東証プライム市場に上場。TOB公表前の時価総額は約460億円。BEENOSの大株主には英国のアクティビストAVI(Asset Value Investors Limited)もいる。AVIもTOBには応じるようだけどね。


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