はるかかなた
トイレが近い。
40も半ばになり
比べても詮無いが
昔と比べてやはりトイレが近い。
そして切れが悪い。
トイレで勢い良く
オラオラ系で便器を突き刺すような
小便はもう遥か彼方。
今はヒーリングミュージックのように
ささやかな流れ漂う小便。
夜中に起き、トイレに駆け込む。
自分の中では溢れんばかりにたまっている感がある。
この栓を抜けば大洪水になるのではないかと
危惧さえする。
しかし、その想像は想像でしかなく
どんなこともいつだって現実は事実を知らせる。
ショロショロと流れるさまは
登山に来て小さな水飲み場をみつけて
少しの穴から流れ出る水のようだ。
背中丸め布団に戻る。
天井がやたら高く感じるのは気のせいだろうか。