根っこ
アンパンマンにハマって半年は過ぎた。テレビはアンパンマンを求め、おもちゃではアンパンマンでテンション上がる。そんな時ついに横浜のアンパンマンミュージアムに行く。
ミュージアム前の大きなアンパンマン像。ポーズを取ってカメラに収まる娘。開場前の行列。我慢できずに駆け回る。三階のアトラクションに来て一目散に向かったのが何故か工作教室。
目も口も描かれていないアンパンマンとバイキンマンの顔を模った紙に自分で目と口を書いて楽しむ工作のようだ。
どちらかを選ぶとなり娘はバイキンマンを選択。机には完成形のアンパンマンとバイキンマンが貼ってあってそれを真似して描けばアンパンマンやバイキンマン描けるよということらしい。
娘がペンを持つ。私は目の前に貼ってあるバイキンマンを指し、「ほら、この通りに描けばいいよ」と言った。すかさず妻が「自由に描かせればいいじゃない、提出するものでもないんだから」と言った。
その瞬間、私は打ちひしがれる。真似して描いてスタッフの方に褒められてと思っていたが、結局それは娘ではなく他人の目を気にして、他人に認めて貰いたくてという自分の性根が出ている発言だったなと。
誰に出すものでもなく、それで評価されるものでもないことに何故自分が人の顔色伺うことあろうか。キャッキャっ言っている娘を横に考え込んでしまった。