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2023年振り返り(Emerging Tech編)

2023年の振り返りをテクノロジーの観点から6月末に発表された世界経済フォーラムのレポート「Top 10 Emerging Technologies of 2023」で再考したいと思います。

レポートのトップ10にはいわゆる生成AIから環境やバイオエンジニアリングまで多岐にわたってますが、それぞれの技術に関して外観したいと思います。

  1. フレキシブルバッテリー

  2. 生成AI

  3. 持続可能な航空燃料

  4. デザイナーファージ

  5. メンタルヘルスのためのメタバース

  6. ウェアラブルプラントセンサー

  7. 空間オミックス

  8. フレキシブルニューラルエレクトロニクス

  9. サステナブルコンピューティング

  10. ヘルスケアにおけるAI

【エンジニアリング】
バッテリーは個人的にも関心がある技術です。モバイル端末からEVまで様々なハードウェアに組み込まれることを考えるとバッテリーにも可変性が求められます。この中でもフレキシブル・バッテリーはいわゆる可変性があることで曲げたりねじることができ、次世代スクリーン、衣料、ヘルスケア機器や生体センサーへの組み込みが期待できます。さらにブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は脳と外部端末とのネットワーク接続を可能にして今後、次世代型の機能素材が進歩すると患者にとって心理的抵抗感も減少すると思われます。
【AI】
2023年は生成AIの一年だったと言えるかもしれません。生成AIは急速に日常生活に浸透しており、既存データから文章、画像/動画、音声の生成に加えて医薬開発、建築設計、エンジニアリングなどへの応用も始まっています。興味深いのは生成AIは公衆衛生の観点からパンデミックに備えた予測への応用にも期待できます。
【環境関連】
持続可能な航空燃料(Sustainable aviation fuel:SAF)または再生可能代替航空燃料は、ジェット機で使用される高度な航空バイオ燃料種別の名称です。SAFは航空業界の燃料需要の1%程度を満たすにとどまっているとのことですが、航空業界が2050年までに排出量ネットゼロを達成するためには、この比率を2040年までに13〜15%に引き上げる必要がありそうです。
国連食糧農業機関によると増加する世界人口の食料需要を満たすには、2050年までに世界の食料生産を70%増加させる必要があるとしています。
ウェアラブル植物センサーは従来の土壌試験、ドローンによる薬剤散布などに加えて、超小型のニードルセンサーを個々の植物に埋め込むことで植物の健康状態の把握や改善、そして農業の生産性向上を実現するデータを大量に取得できる可能性があることです。
サステナブルコンピューティングはAIやクラウド等の技術をさらに機能向上させるためにはデータセンターの能力を引き上げる必要があることです。冷却などによる放熱、AIを活用したパフォーマンス最適化、データ処理やストレージのモジュール化が考えられます。
【バイオエンジニアリング】
デザイナー・ファージ(参考)はあまり馴染みがないかもしれませんが、ファージは遺伝情報に基づいて特定の種類の細菌を識別し感染させるウイルスでこのファージを中心にテクノロジーの開発が行われています。バイオエンジニアはファージの遺伝情報を再プログラムすることで、遺伝的指令が細菌に伝達され、違った作用の仕方をするようにできます。これによりマイクロバイオームが関連している病気を標的にし治療できるようになるようです。
空間オミックスは高度なイメージング技術と複雑なDNAシーケンスのプロセスを組み合わせ、生物学的プロセスを分子レベルでマッピングする手法です。科学者が空間オミックス解析で従来は観察できなかった細胞構造や生物学的プロセスの複雑な細部まで調べることが可能になります。
【ヘルスケア】
メタバースは生成AIの登場もありすっかり話題にならなくなりましたが、いわゆるバーチャル環境は遠隔医療の適用を広範にカバーし、メンタルヘルス治療への適用が期待されています。具体的事例としてはうつ病や不安症などの症状を抱える人の支援や、マインドフルネスや瞑想の促進を目的としたゲームプラットフォームがあります。

Source: https://www.weforum.org/publications/top-10-emerging-technologies-of-2023/ (2023/12/30アクセス)


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