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Hentaiは愛の旅へ【 Hentai デート物語 ブラジル編 】(Switch)

Hentaiに物語を

Hentaiゲームに足りないもの。それはストーリー。いや、他にも様々なものが足りないのは
承知の上だがHentaiゲームの物語性は特段希薄だ。一分にも満たない会話テキストをストーリーと宣う「Hentai Party」なんてものが跋扈するシリーズにストーリーなんてまず期待できない。

そんな中現れた新作「Hentaiデート物語 ブラジル編」は、あのゴルフが遊べる奇跡のゲーム「Hentai ゴルフ」を世に出した「BIKINI GAMES」開発の一本。すでに信頼しかない。
物語というのだからストーリーがあるはず。一体どんな話が展開するのか…。

信頼の証

ストーリー
柊司は日本の老舗企業の跡取りで、名門大学を出て何不自由のない生活していたが。そんな立場に虚無感を抱き、家柄も財力も捨てて本当の愛を探すため、マッチングアプリで連絡を取り合った海外の女性のところへデートをしにいくのだった。
行き先は「ブラジル」こうして柊司の世界一周愛探しの旅が始まった…。

厳格な父親に「愛」の探し方を笑われるが、父親も何故か応援してくれる。なんでだ。
世界一周愛探し…!

Hentaiといえばパズル

はじめから何一つ共感出来ないストーリーだが、こうしてブラジルでのデートのお相手であるタイナラとの一週間のデートが始まる。
テキストのローカライズはとても丁寧だし、テキストノベルの合間には自らのアイデンティティを誇示するかのようにHentai名物スライドパズルが挟まる。

メイクアーティストを稼業としているタイナラさん
交互にやってくるテキストとパズルのテンポが軽妙だ。

このパズルもシャッフルが丹念なので一瞬では解けない程々の難易度が嬉しい上に、クリア不可能バグもない。後半では難易度が上がったりなどのプレイヤーへの気配りも出来ており完璧だ。
グラフィックも最新鋭技術っぽさはありつつも、色調やバランスに破綻のないイラストで好感が持てる。

後半は5X5のパズルとなるので手応えバッチリ。
今まで幾多のHentaiゲームを遊んできた自分の腕なら余裕だ。

甘く平坦なロマンスストーリー

ストーリーもタイナラとのブラジル観光から、タイナラの通うサンバ教室の友人の悩みを解決したり、主人公の悩みが出てきたりと、デートをしながらも小さいドラマを挟む丁寧な作りだ。

たびたび主人公が歯が浮くようなセリフを言っているのも面白い。

終盤には告白シーンからのベッドシーン(Switchのゲームだから期待はしないでね)など必要最低限のHentai要素がありつつも、比較的上品なストーリーで出来ているため、展開は平坦だし面白みがあるかと言われると微妙だけど甘い二人の関係を眺めることは出来る。

これもう主人公の目的達成じゃん!

しかしこんな出来上がった二人の関係は帰国のチケットの存在であっさりと解消してしまう。いや、愛あったじゃん!ゴールしたじゃん!
そんな展開にモヤモヤしつつもトウジの世界一周愛探しの旅は続く…のかもしれない。さてトウジはどこへ愛を探しに行くのだろうか。

まとめ

本作は丁寧なローカライズと1時間半程度あるボリューム、そこそこ読み応えのあるストーリーと、手応えを感じられるスライドパズルを駆使した、過去のHentaiゲームたちの作りを踏襲しつつも、堅実な作りでHentaiゴルフ同様、他のHentaゲームとの違いをハッキリと見せてくれるクオリティの高いHentaiゲームでした。

しかし、ここまで作りが良いと「Hentaiゲームらしくない…!」と失礼にも思ってしまうのは何故なのだろう…。


DATA

Hentai デート物語 ブラジル編
発売:RedDeer.Games
開発:BIKINI GAMES
対応ハード:Switch
発売日:2024年5月30日
ジャンル:ビジュアルノベル、パズル


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・Hentai ゴルフ
同じ「BIKINI GAMES」開発のゲーム。奇跡的にゴルフが遊べる。普通に遊べるからすごい。

Hentai Party
ビジュアルノベルを謳ったゲームだったが、ビジュアルノベルパートは一分にも満たずに終わってしまう虚無感を感じるのにうってつけのゲーム。これが本来のHentaiクオリティだったのだ。


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【ゲーム感想】えすえふ
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