消えた核を追え【 バトルフィールド3 】(360)キャンペーンレビュー
時はHDゲーム黎明期…
現在のようにバトルロイヤルFPSが流行る以前、2011年当時のFPSは二大派閥に分かれていた。EAの「バトルフィールド」とアクティビジョンの「コールオブデューティ」が互いにしのぎを削り合うミリタリーFPS全盛期。互いが意識し合うかのように新作をぶつけ合うのが恒例であった。
個人的には、マルチ対戦に関しては乗り物が登場し大人数プレイと破壊描写が楽しいBF、キャンペーンはドラマチックでかっこいい演出がたまらんCoDに軍配が上がるなと思いつつ両方を遊んでいた。
そんな中2011年に現れた、バトルフィールドシリーズとしては9本目、6年ぶりのナンバリングを冠した「バトルフィールド3」は本作は発売前から衝撃的だった。
そのトレーラーを見た瞬間息を呑んだ。「これ実写じゃん…!」その頃、ゲームのグラフィックも頭打ちと思われたところに本作のトレーラーが来たので、その写実感には非常に驚いたし、何度も観たのを覚えている。「ゲームのグラフィックで感動することってまだあるんだ…」と思ったものだ。
もちろんオンラインFPSとしても非常に出来も良く、戦闘機の追加や、Caspian BorderやOperation Metroなど面白いマップが用意されており前作BFBC2と同じく狂ったように遊びまくった。俺はこの頃のBFが好きなんだ。
消えた核を追う物語
そんなオンライン対戦がほぼメインの本作だが、一応キャンペーン(ソロプレイモード)も用意されている。当時もキャンペーンは遊んだけれど、全く覚えていないので今回改めてプレイした次第だ。ちなみにXboxGamePassにも対応しているぞ。
前作「バトルフィールド バッドカンパニー2」がCoDに対するカウンターなのか相変わらずB級ノリなユル〜い戦記モノだったのに、本作では突然正気に戻ったのか普通のシリアスな現代戦モノになっている。さすがにナンバリングであのノリは出来んか…。
そんな本キャンペーンはなんと探索要素のない演出重視のCoD的なレールシューター。さらにストーリーの構成も偶然だと思うが、一年前に発売された「コールオブデューティ ブラックオプス」と同じ、現在の尋問から過去の戦いの回想が始まる形式で新鮮味に欠けてしまっている。
さらに専門用語が多い上に、時間軸が入り乱れるのでストーリーが上手に頭に入ってこないのが残念なところ。(特にロシアのスペツナズであるディマのパートはややこしい)
ちなみに難易度的にはノーマルでも簡単にやられてしまうので体感的にはCoDのノーマルよりも難しい印象でした。あとやり直しのたびにロードが入るのはちょっとツラいね。
派手な破壊と絵になるシーン
とはいえ本作はグラフィックが良い上に、絵になるシーンも多いので、ドラマ的にはなかなかハラハラする場面も多いのが楽しいところ。さらにバトルフィールドシリーズ特有の破壊描写によってド派手にぶっ壊しながら戦っていくのも楽しい。
そして珍しい戦闘機の複座に乗って火器管制を行うパートはなかなか新鮮。しかしその後の爆撃シーンはどうみてもCoD4のAC-130パートを意識しまくっているんだよな…。
しかし真実を知る国籍の違う一兵士たちが平和のために共闘する展開はアツいし、ラストのソロモンを追い、タイムズスクエアのど真ん中での殴り合いは映画顔負けで絵的にもかなり好きなシーンでした。こういう事を出来るのがゲームの良いところ!
そんなわけで5時間くらいでクリア出来てしまう本キャンペーン。ストーリーやキャラクターは主人公悪役共々結構個性的でキャラが立っていますし、若干難しくコンパクトなボリュームでやりごたえと満足感はありますが、なんせCoDを意識しまくった作りなおかげでオリジナリティに関してはあまりないのがちょっと残念なキャンペーンでもありました。やはりキャンペーンはCoDに軍配が上がるな…。
しかしこの物語は次作「バトルフィールド4」にも繋がるようなので、今度改めてBF4のキャンペーンも遊ぼうかと思います。
DATA
バトルフィールド3
発売:エレクトロニックアーツ
開発:EA DICE
対応ハード:Steam、Xbox360(上位互換、GamePass対応)、PS3、PC
発売年:2011年11月2日
ジャンル:FPS