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徹頭徹尾塔登り(3周)【 イース・オリジン 】(PC)

時は700年遡る…。

今日も今日とてイースをやろう。そんなSF007のイースマラソン12本目となるのは「イース・オリジン」。2006年にWindows向けに発売された作品だ。

本作の特徴はイースシリーズとしては定番の主人公であるアドルがいないこと。それもそのはず、本作の舞台はイース大陸が浮上した半年後、アドルが冒険する「イースⅠ」の700年前が舞台なのだ。
ストーリーは突如イースから姿を消した女神フィーナとレアを探すため、神殿騎士団たちが地上におり捜索の末、後にダームの塔と呼ばれる「塔」に向かうことになる。

ゲームのシステムは「イースⅥ」、「フェルガナの誓い」の流れを汲んだ3D空間で2Dキャラを操作するタイプで、この時点で本作は爽快で歯応えのある戦闘とアクションは保証されている。もう絶対に楽しい。
そして本作ではアドルがいない代わりに、主人公が複数人いて、キャラクターによって性能はガラリと変わる。今までのアドルらしい斬撃アクションが出来る「ユニカ」、まるで全方位シューティングのような魔法アクションを求められる「ユーゴ」とアドルのイースでは味わえないアクションを味わえる。

ユニカはアドルよろしく爽快感ある斬撃アクションが魅力
ユーゴは遠距離技が新感覚!

徹頭徹尾ダームの塔!

そして本作の舞台は最初から最後までダームの塔だ。街や村も何も無い、本当にダームの塔だけが舞台である。ストイックすぎる…!
しかもアドルが冒険したダームの塔とは似ても似つかぬ凝った作りとなっており、階層ごとに様々なアクションが求められる歯応えあるものになっている。ボス戦もアドルが「イースⅠ」で戦ってきたボスたちが3Dとなって登場する。まさかまた戦うことになろうとは…!

見覚えあるボスキャラだ!!!
このシーン、イースⅨでも見たことあるような…
アドルが苦しめられた鏡の間もカッコよくなってる!

塔登り3セット!

本作は軽快なアクションが面白く、ボスとの戦闘は新鮮で、歯応えもあって楽しいけれど、このⅥやフェルガナ同様毎度新しいモンスターが出てくるたびに何度もエリアを出入りしながら倒しまくってレベル上げする行程はⅥ、フェルガナと全く同じ作業的なので流石に飽きるな…。

さらに本作は主人公が複数人いることで、ストーリーも各主人公で結末や展開も違うので、真のエンディングを見るためには同じダームの塔を3回も登る必要がある。ストーリーやボスなどに違いはあるけれどダンジョンの構造はほぼ同じだし、そのたびにレベル上げをしなければならないので流石に後半は辛かった…。

その代わりストーリーはどれも面白く、アドルとは違うイース世界の話が楽しめるし、キャラクターは魅力的だし、主人公が変わるたびに敵や味方が異なったりに新鮮な体験が出来るしかしこの物語を見るとあのエステリアやイースでのアドルの冒険の見え方も少し変わってくる。
ただ本作に若干の物足りなさを感じるのは、やはりアドルという強烈な主人公の不在と、この物語が「冒険」ではないところにあるのかもしれない。やっぱりイースは冒険してこそだよ!

最後の悲劇

そんなこんなでラスト3周目。このゲームもついにラスボスを倒して終わりというところで悲劇は起こった。本作を今回はPC版でプレイしたのだが、イベント中何度もゲームが落ちるバグに見舞われており、その度に何度かやり直していたのだが、最後の最後三周目のラスボスを倒し後はエンディングの時にまでバグり、もう辛抱たまらずファルコムが配布しているパッチを当てた。そしたら…

これが…
……あ…………

データが飛んだ。まぁ本当に最後の最後のボスを倒したので気乗りはしないけど、残りのイベントはYoutubeのプレイ動画を見て済ませました。
ううう…本当は最後におまけでアドルで遊べるモードがあるようだどそれもお預けだ…。こんなことなら家庭用ハードで遊べばよかった…。

本作は正真正銘イースなんだけどいつものイースとは違う、連打とレベル上げ、周回するのが辛いけれど濃いシナリオと熱いキャラクターが魅力的なそしてアクションRPGとしては完成度の高いゲームでした。

そして時はまた700年後。
アドルの最初の冒険がまた始まる…。


DATA

イース・オリジン
発売 /開発:日本ファルコム
対応ハード:PC、PS4、XboxOne、Switch
Steam版は日本語未対応
発売年:2006年12月21日(PC版)
ジャンル:アクションRPG


注意:以降の文章はネタバレを含みます

キャラクターシナリオ所感

ユニカ=トバ

こんな見た目ですが腕力担当です。

神官の一族で魔法が使えない騎士見習いの女の子。神殿騎士団の落ちこぼれのポジションだけど、魔力がない分腕力が凄いことになっており、ミトン手袋が可愛い村娘ルックな見た目からは想像できない力強い斧の攻撃はそのギャップもあって最高。

性格も素直で真っ直ぐで、ストーリーも落ちこぼれながらも、持ち前の腕力と女神大好き力で悲しみや挫折を味わいつつも成長して、一団の中で認められていく過程がこちらもユニカを応援したくなるドラマになっていて非常に熱く楽しい。

泣ける…!
こんなことアドルも言われていたな。

操作に関してはアドルの操作に近いおかげで気持ちよく操作出来て最も遊びやすいぞ。とても良い性格のキャラなので是非何かの機会でアドルとも出会って欲しいな…。

一番好きなシーン。女神愛が強すぎる。

ユーゴ=ファクト

若き天才魔術師と呼ばれながらも、一族の因縁に囚われ、自身の能力に納得がいかない鬱屈した男子。
力を求めるあまりどんどん非道の道へ向かう危うさが、ドラマを加速させるので、彼がどうなってしまうのか遊びながらドキドキしていました。

どんどん精神がヤバくなっていく過程が恐ろしい
ダレムに唆されるシーンは完全に薬物に手を出すヤツだよ!チョロすぎる!

また、ユニカ編ではただの敵であったエポナとの交流などなかなか見所が多いのも嬉しい。

コイツの煽りセンスは凄いぞ。

操作は魔法具「ファクトの眼」を使った魔術師らしい遠距離技がシューティングゲームのような感覚で面白いけれど、連打必須の操作なので非常に疲れる。なので僕はすぐに連射パッドで遊んでいました。炎の魔法がやたら強く、レベル上げが楽ですぐにクリアできてしまいました。

終盤でも強烈な一言。ザバちゃんかわいそう。

しかしこちらのユニカはあたふたしてばかりで若干見ていて気の毒になってしまう。ホントは最強の女なのに…。


トール=ファクト

3周目に解放されるシナリオにして、このトール編が本作の真の物語といって差し支えないだろう。愛すべき故郷と女神のために悪敵のポジションにいながらも全く悪になりきれない上に、悪人の演技もとにかく下手なので最終的に開き直っちゃう不器用すぎる良い人の物語は3周目のダームの塔に疲れながらも、楽しませていただきました。この女神レアとの関係はお互い不器用すぎる両思いなのがさらに良い…。

ボス戦も一応トールが敵ポジションということで神殿騎士団の幹部たちと戦う展開があるのも見もの。「お前そんなに強かったんかい!」となるぞ。

レアの銀のハーモニカはトールが送ったものであった。イースⅠでレアがアドルにめちゃくちゃな頼み方をした意図もわかる。それほど大事な人からの贈り物だったのだ。

しかし彼も連打必須のアクションのため連射パッドでプレイしていました。高速移動によるかっこいいアクションは超楽しい&気持ち良いけど、この連打は3周目に遊ばせるやつじゃねえ!!そして最後にはダレスの裏にいる更なるボスとの戦いもあり楽しませていただきました。そしてユニカもユーゴも救われる結末で素晴らしかったですね。

ラストの結末は女神との別れが寂しくも、トールの体から魔が消えたことにホッとしました。ホントよかった…。もう銀のハーモニカを呪いのアイテムとか呼ばないよ…。

切なくも良い…。

おまけ

あと本作はシナリオライターの癖なのかやたら「あ………」というセリフが多い。みんなどこかしこで言っている。
気になったので全てでは無いけど、まとめておきます(?)

レアは1シーンに4回も言う
個人的に一番好きな「あ……」はダレスが死ぬここ。

本来ならエンディングの「fin」画像で締めたいのですが、今回は用意できなかったのでこちらの画像で締めたいと思います…。

この後バグりました。

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