インディーズ故やりたい放題【 挑戦1 Kiss or Kill 】(XBOX ONE)
Xbox360時代から徐々にインディーズゲームというモノがコンシューマ機に浸透していき早10年。当初は荒削りなゲームが多かったが、近年ではAAAタイトルでは逆に出来ないような挑戦的なゲーム性や音楽、グラフィックなど低予算ながらも魅力的なゲームが次々と登場している。むしろ現在はインディーズゲームの方が話題性が高いくらいだ。
もちろん今でもXboxにはインディーズゲームはストアに並んでいる。
だけど他の家庭用ハードとは少々毛色が違い、日本語対応してるのかすら怪しいゲームが当たり前のように存在している(Switchとは違う魔境だぞ)
そんな中でも異様なオーラを放ち、目についたのが本作「挑戦1 Kiss or Kill (原題:Gaijin Charenji 1)」だった。
高橋義博とは…洋介とは…ググっても出てこない日本人のゲームクリエイターがドリキャス用に開発したゲームを再び作ったもの…という設定のゲームですね。(高橋義博で調べたら最初に出てくるのが…)
本作は基本的には左右のスティックを使った全方向シューティングで、敵を全部倒すかゴールに到達してステージクリアというシンプルなゲームもので、ステージが進むにつれて16bit風やレトロファミコン風、ゲームボーイ風のステージなどが登場していく。
だが、プレイ中突然やってくる呪いのビデオかと言わんばかりのノイズとホラー演出(でも日本語が変)、更には突如Xboxのホーム画面になったりとゲームよりもその過激な演出面が目につくモノになっている。
ステージの合間合間に入る実写映像も映画SAWのジグソウのような不気味な仮面をした男が改造としたスーパーファミコンを持ち出したり、男が突然腹を切ってゲームボーイのソフトを差し込んだりとMicrosoftのゲーム機で遊ぶゲームとは思えない暴れっぷりを見せつけてくる。コラ!スーファミのソフトをそのまま出すんじゃない!
しまいには画面中に大量の実写芋虫が降ってきたりと嫌がらせとしか言いようがない事が起きたりと終始本作はやりたい放題。こんなゲームにすらXboxの実績が実装されているのだから驚きである。というかちゃんとチェックしたのかこれ?!
しかしゲーム的には難易度は低く、前半は死んでしまったらステージ冒頭までやり直しで戻されてしまうが、何故か後半はコンティニューしまくれば勝手に画面がスクロールしてクリア地点に到達出来てしまう。
もしかしてこれは「戻り復活」から「その場復活」のゲームの遍歴を表現しているのだろうか…。
ちなみにローカライズはされているようでされてないので、ゲーム中のストーリーなどはよくわからないまま終わってしまった。
そんな訳でXboxという家庭用ゲーム機では本来なら考えられない終始アングラなフリーゲームの雰囲気を味わう事が出来る本作。まさにインディーズゲームの悪ノリを煮詰めたようなゲームでした。
虫が苦手な人にはお勧めできませんが、変わったゲームが遊びたいなら迷わず遊んでみましょう。
DATA
Gaijin Charenji 1 : Kiss or Kill
発売 / 開発:overgame studio
対応ハード:Xbox ONE、Steam
発売日:2019年9月4日
ジャンル:シューティング