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主人公大暴走【コールオブデューティ ワールドウォーⅡ(PS4)】キャンペーンレビュー

未来からの原点回帰

その都度世界観がガラリと変わる人気FPSシリーズ「コールオブデューティー」はなんだかんだでいろんな世界を渡り歩いて来た。
初期は第二次世界大戦、そして現代戦、冷戦、近未来と作品を重ねる毎にゲームのグラフィックは進化し、マルチプレイの中毒性は増し、今やCODはFPSの代名詞と言われるシリーズまでになった。

しかしソロプレイモードである「キャンペーン」は作品を重ねる毎に初期にあったリアリティや戦争の泥臭さは薄れ、12作目『ブラックオプス3』では攻殻機動隊のようなサイバーパンク風味になり、13作目の『インフィニットウォーフェア』ではついにガンダムとスターウォーズをちゃんぽんした人間同士の宇宙戦争になってしまった。(これはこれで最高に面白かったのだが)

そんなついに行くところまで行ってしまったCoD。
もう他のFPSとの違いはまだ宇宙人が出てない所だけという瀬戸際まで来たが14本目の本作の舞台は第二次世界大戦。
そう、本作は9作ぶりに原点回帰を計った作品なのだ。

キャンペーンを映画感覚で楽しもう

かれこれ僕はCoDをキャンペーンを目的に買っている。
CoDのキャンペーンのウリは何かと言えば、レールシューターと呼ばれる、一本道ながらもその世界に没入出来るストーリー重視のライドアトラクションのような作品づくりだ。
おかげで長時間マップを探索する事なく、ノンストップにテンポ良く映画の主人公を演じるかのようにゲームをプレイする事が出来る。僕はこの映画的な演出とストーリーが大好きなのだ。
そして今回の主人公はアメリカ陸軍のダニエルズ上等兵になれる!
…なれると思う!

本作はあの有名な史上最大の作戦ノルマンディー上陸作戦からフランスの解放、そしてドイツに進行していく過程を小隊の仲間たちと共に描いていく。
ドラマでは上官との不和、兄との思い出、そして死別を描きながら潜入スパイミッションがあったり、戦車を操作したりと見応えのあるシーンがたっぷり。まさにCODらしいキャンペーンだ。
演出面も外連味がかなり強く、列車の脱線シーンとかは凄いぞ。
それにPS4のグラフィックだから出来る、小道具や細部まで作りこまれた世界は臭いまで漂ってきそうな雰囲気を見事に作り上げている。

友情の為に暴走する主人公は圧巻

そして本作はなんと言っても小隊の仲間である、ザスマンと主人公の仲の良さが特に念密に描かれている。一緒に行動する事が多いし、どちらかがやられれば死ぬ気で助ける。
うん、仲間だもんな……それだけか?ホントか?なんか様子がおかしいぞ。
いや、想像するもんじゃないがこの2人どう見ても一線を超えてるような気がしてならない。
主人公のダニエルズは二言目にはザスマンの事を口にし、特にラストにかけてはプレイヤーの意思から完全に離れ、ザスマンを助けるために絶叫し、暴走する主人公には驚きました。凄いぞマジで。お前、嫁さんいるのに。どうしたお前!

そんなこんなで本作は緊張感の高い第二次世界大戦の戦場を歩き回りながらも、その実本性はダニエルズとザスマンの超仲良しっぷりをこれでもかと見せらつけられるなんとも凄まじい作品でした。

FPSとしては既にオールドスクールな手動回復を取り入れたり、仲間に指示する事で弾薬や支援砲撃、敵をマーキングしたり出来るなどゲーム的にもCoD的にも新鮮で面白くできていました。緊張感ある潜入パートも楽しかったです。まぁQTEはご愛嬌。
難易度はノーマルでもちょっと難しかった所もありましたが基本スムーズに遊べる一本でした。

CODに限らず最近のTPSやFPSのキャンペーンは映画的な楽しさに溢れた作品なのでこれからもちょいちょいレビューして行きたいですね。


DATA

コールオブデューティ ワールドウォーⅡ
発売:アクティビジョン
開発:Sledgehammer Games
対応ハード:Xbox ONE、PS4、PC
発売日:2017年11月3日


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