見出し画像

ヘリオス号からの招待【 CLOSE TO THE SUN 】(PC)

それは新たなAmazonからの誘い

ヘリオス号。そこでは発明家ニコラ・テスラを筆頭に世界の科学者たちが集まり、研究と発明を進める叡智の客船。
ジャーナリストのローズは物理学者の妹・アダの招待でこのヘリオス号へやってきた。しかし、そこは静まり返った恐怖の船と化していた…。

INDUSTRIA」に続き、またしてもPrimeGamingに誘われ遊んだ「CLOSE TO THE SUN」はそんな導入から始まるイタリア・ローマの「Storm in a Teacup」が開発のホラーアドベンチャーゲーム。

ヘリオス号は画面に収まらないくらい超巨大!!!

19世紀末、あの発明王エジソンのライバルであり交流電気の生みの親ニコラ・テスラが構想した無線送電システムを生み巨万の富を得たパラレルワールドの世界。そんな彼が世界中の科学者を集めた叡智の理想郷であった客船ヘリオス号が本作の舞台だ。

まぁそんな場所はゲームだと大体プレイヤーが足を踏み入れる前に、そこの研究が原因で崩壊しているもの。本作もラプチャー、タロスI、カトルガ12などの例に漏れず惨憺たる状況になっている。

ヘリオス号の内装は結構バイオショックのラプチャーと被ってはいるけど、どこもアールデコ調でオシャレ!
どこも見応えある美しいロケーションばかりだ。
あんな事が起きてなければ最高の船だったね。

武器は…無い!

そんな場所に必要なのは頑丈な鈍器と大口径の銃、そして奇天烈能力と相場が決まっているが、本作は武器などは一切登場しない、戦闘も無くたまに全力疾走で逃げる程度でヘリオス号の探索と謎解きに重点を置いている。

おかげで敵に邪魔されず謎解きに集中できるのは結構新鮮。思えばこの感覚はクーロンズゲート等のグラフィックがプリレンダ画像で移動にムービーを挟む往年のアドベンチャーゲームに近いかもしれない。それの最新版だと思うと「ようやくここまで来たな…」としみじみ思ってしまうね。でもやっぱりテスラ謹製の殺人光線銃とか欲しかったな…。

気分はお化け屋敷

そして本作のホラー色はかなり強めで、ジャンプスケアもあるし、ゴア描写も結構キツめだ。さらに頼りとなる武器は一切無いのでかなり心細い、まるで手ぶらでお化け屋敷にいるような感覚だ。

なかなかびっくり演出も凝っている!やめてくれ!

ストーリー的には個性的なキャラクター達が主人公を導いてくれるのは楽しいが、この手の雰囲気の良いゲームによくある、考察を要求する展開があるのは個人的にはモヤモヤしちゃって苦手でした。もっとわかりやすい方が良いよ…。それに若干ローカライズが不安定で一部翻訳されていない点があるのは残念でした。

本作は5時間弱の冒険ですが、バイオショックの既視感はありつつもロケーションはどこも美しく、ストーリーも先が気になる展開でテンポよく進行していくので最後まで飽きずに楽しむことが出来ました。
気分転換に重い武器を持たずに修羅場に行くのもアリかもしれません。


DATA

CLOSE TO THE SUN
発売:Wired Productions
開発:Storm in a Teacup
対応ハード:PC(GOG GALAXY)、Steam、Xbox series X/S
発売日:2020年5月5日
ジャンル:アドベンチャー


[以降はの文章はネタバレを含みます。]

ちょっと急足なストーリー

クライマックスあたりのストーリーは、どんでん返しなど見どころはありますが、説明不足で急足な印象は拭えない。それに終盤まで主人公のローズを励まし、サポートしてくれたオーブリーが急に裏切るのはなかなかショックでした(裏切る理由もあまりにも短絡的なのが悲しい)。ここまで頑張ったのにその仕打ちは辛い…。

そのかわりに怪しいようでただ良い人だったテスラ氏の活躍はもうちょっと見たかったですね。結末もアッサリしすぎていて勿体無い。

ここすき

そして本作で一番印象的だったのは暗号だらけの部屋での謎解き。まさかゲームの進行になんの意味もなかったのには驚きました。必死でメモに書き込んで解いたら「オーマイゴッド!まさか解読するなんてねwやるじゃん!」的な事が書いてあって笑っちゃいました。なんだよそれ!!!

部屋中に散らばった文字からこの文字を導き出すと…
時間返せw

ちなみに関係ないですがニコラ・テスラといえば、やはり僕の中では荒木飛呂彦と鬼窪浩久の短編集「変人偏屈列伝」のニコラ・テスラを思い出してしょうがなかった…。あれは良い漫画だったな…。ほざくかテスラー!!!


いいなと思ったら応援しよう!

【ゲーム感想】えすえふ
映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん