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禁断の技術…?【 マインドジャック 】 (360)

プレイあるのみ!

本作「マインドジャック」は前から気になる存在だった。元から地味な雰囲気を醸し出していたが、その話題の上がらなさ、その評価の低さ、その値段の激しい下落っぷり、どれをとっても他の作品とは一線を画す勢いが本作にはあった。ここはそういうゲームを確かめたくて仕方が無い俺の血が沸き立つ!本当に本作にはそんな価値しかないのか!いや、もしかしたら!さぁ自分なりに確かめてみよう。

それは他人の脳を操る、禁断の技術

(…と、パッケージ書いてある)

本作は開発を「フィールプラス」という日本の開発会社(ちなみもう存在しない)が制作した、マインドハックシューティング…もといTPSである。ぱっと見、洋ゲーの雰囲気を醸し出しているが純然たる日本で作られたの作品である。きっと海外の市場を目的に作られたのだろう。
本作の目玉はなんといっても「マインドハック」「マインドスレーブ」という二つのシステムだ。「マインドハック」は、主人公だけをプレイヤーは操作するのではなく時と場所に応じて、その場にいる敵、民間人、ロボットの意識下に侵入して操作し、戦う事が出来る能力だ。これを使う事で民間人をハックして敵の背後を取ったりなど、敵兵を操作して敵陣に突っ込ませて囮にするなど様々な戦略が生み出されている。

そして「マインドスレーブ」は倒した敵を仲間につける事ができる。仲間にした敵を使って盾や囮にしたり、マインドハックをして自ら操作する事も出来、またボス以外ほとんどの敵キャラをマインドスレーブする事が可能なので、その敵しか持っていない武器や能力を上手に生かしてステージを上手に進めていく事も出来るのだ。

他人のプレイに乱入せよ!

この二つは他のTPSには無い、魅力的なシステムだが、さらに面白い要素がもう一つある。それは「ハッキングプレイ」だ。ちょっと物々しい名前だが、これはなかなか画期的。本作にはなんとオンライン対戦モードや協力モードというモードが存在しない、あるのはキャンペーンモードのみである。しかしこのキャンペーンモードは少し変わっている。キャンペーンプレイ中はいつでも他のプレイヤーはそのキャンペーンの中に乱入ができるのだ。味方側として協力する事も出きれば、進行を妨害する敵側にもなれる。挨拶もなく突然誰かのキャンペーンに乱入出来たり、されたりするのはなかなか驚くし刺激的で、まるでゲームをやってる人の家に勝手に上がり込んで2Pコンを差し込むような感覚だ。

ただただ唖然とする

しかし本作はやっぱりと言えば、やっぱりなのか。作りがとにかく荒い。TPSという成熟したジャンルの性質上、目の肥えたプレーヤーに対してある程度の完成度が要求される中、本作の出来は確かに良いとは言えない。特に敵と仲間の頭の悪さ、緩急の少ない展開が本作を飽きさせると同時にがっかりさせられてしまう。

敵は相手が複数人いようと、ほとんど一人を集中して攻撃してくるので、仲間を囮にすれば後ろから何発撃っていよう気付かれず、時には目の前にいるのに何もしてこないという事すらあった。味方も味方で勝手に敵陣に突っ込んでやられたり、プレイヤーと同じ場所になんども隠れようとして変な動きを繰り返したりなど、残念な場面を多々見せつけられる。

そしてメインとなる銃撃戦は、本当によくあるカバーアクションを使った銃撃戦で特にこれと言ったアクションやギミックを使ったりという事は一切無く、終始銃撃戦のみをしていく事になる。マインドハックなど個性的な能力はあるが最初から最後まで特にそれが進化するという事も無く、ずっとそれを利用しながらの撃ち合うだけのもになってしまっている。

それならプレイヤーを引っ張るストーリーはどうかというと、これはこれで状況と設定などに関する情報がゲーム上では乏しく、少ない会話と状況を見る事でしかストーリーの内容を把握できない。又、重要そうなキャラクターの過去がステージの合間に流れるのだが断片的な映像でしか見る事ができないのでさらに混乱してしまう。わざとそういう演出をしているのかもしれないが、説明が足りない所が多すぎて混乱してしまう。  そこで重要なのがやはり説明書ですよ…。説明書を見れば大体のことは書いてあるだろう…ということで書いてあるストーリーはこんな感じ。

テクノロジーの進化が人々の想像を超え始めた時代。FIA捜査官ジム・コービンは一人の女を待っていた。上海発の最終便から降り立つはずの反国家活動家レベッカ・ウェイスだった。二人の出会いは突然のテロで幕を開ける。
幾多の戦闘を戦闘を切り抜け、やがて二人は巨大な陰謀へ導かれてゆく。だかしかし「彼ら」にとっては、そんな陰謀渦巻く戦場すら遊び場だった。全ては虚構、すなわち幻に過ぎなかった。何故なら「彼ら」は己を晒さずにこの戦いを参加していたのだった。
「彼ら」は街に張り巡らされたネットワークを通じ、人格を乗っ取る術を手に入れていた。そして「彼ら」はジムやレベッカのみならず、敵兵や市民の人格を乗っ取り始めた。自らマインドハックと名付けた技術を使いマインドハッカーと名乗る「彼ら」こそ、2031年の真の支配者と言えるのであった。

 これはキャンペーンのストーリーに見せかけて、2段落目からこのゲーム全の話になっている。しかも「彼ら」についてはストーリー内ではなにも語られないぞ。これじゃ本当にわからないことだらけじゃんこのゲーム!各々考察して盛り上がろうという事なのだろうか。うーむ。 結局最後までストーリーを見ても僕にはよく理解できず…というより着いて行けず、話もぶつ切りのように終わりスタッフロールを迎えてしまった。次回作を匂わせて終わっちゃうけど、今現在続編が出る気配はなさそうだぞ…。

さらにキャンペーンを終わらせてしまうとそれ以外のモードが存在しないので一周クリアしてしまうと、マジでレベルあげか、実績回収くらいしかやる事がなかったりする。つまりボリュームがないというか、シンプルというか…ボリュームがありません。はい。
一応追加ステージDLCが二本配信されているが、そういうのじゃなくてもっと純粋な対戦モードとか、衣装とか欲しかったなぁ。

最後に

TPSとしては多少アレだけど、全然万人に遊べない作品という訳ではなかったし、むしろハッキングプレイもなかなか面白かった。キャンペーン中に乱入できる作品というのは結構珍しいのではないだろうか。ただやっぱり「ストーリーがわかりにくく、一周クリアしてしまうと本当にそれまでな作品。」というのがプレイした後の強い印象でした。だけど運良くまだ本作をプレイされてる方がいて乱入してくれたり、乱入したりをプレイできたので。本作の醍醐味を味わえてとても良かったです。


DATA

マインドジャック
発売:スクウェアエニックス
開発:フィールプラス
対応ハード:Xbox360、PS3
発売日:2011年1月27日
ジャンル:TPS



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