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呪われた教育番組【 AMANDA THE ADVENTURE 】(Steam)

知らない屋根裏と呪いのビデオ

90年代初め、自分が子供の頃といえばCGアニメ黎明期。フジテレビの「ウゴウゴルーガ」にピクサーの「トイストーリー」、教育テレビの「音楽ファンタジー・ゆめ」などCGアニメは最先端のテクノロジーを垣間見る「未来が見える夢のアニメ」だった。しかしその綺麗なグラフィックに相反して、ポリゴン特有のツルツルとした表面は冷たさと無機質さが漂い、少し怖くもあった。

そんなあの頃を思い起こすかのように最近3DCGアニメで我々世代のノスタルジーをやたら刺激する作品が増えてる。
本作「AMANDA THE ADVENTURER」もそんなノスタルジーを掻き立てるCGアニメが登場するホラー風味の謎解きアドベンチャーゲーム。

テレビデオにVHSをぶちこめ!やっぱりVHSの呪物感はイイね。

あらすじ

叔母の残した家の屋根裏を調べていたところ、主人公は2000年代初頭の子供向けアニメ「MANDA THE ADVENTURER」のVHSを見つけ、再生したところから話は動き出す。まるでキャラクターが本当にこちらに話しかけているような感覚を覚え、主人公は夢か現実かわからない世界に突入する…。

女の子のアマンダと羊のウーリーの楽しい冒険アニメ…らしい

VHSのアニメ映像をヒントに、出題される謎解きを解いていくのだけれど、その工程はとにかく不穏。本来明るいはずの子供番組は、そのCGのチープさとVHS特有のノイズもあって不気味にしか映らないし、話の内容はどんどんおかしくなっていく。

アニメのはずなのに、こちらに向かって話しかけてくるアマンダが、正しい返答をしているつもりなのに急に怒り出したり叫んだりするのがマジで怖い。ホラー描写としてはエグかったり、驚かせたりなどの演出は抑えめだけど、情緒不安定なアマンダと
会話するのは普通にイヤだし、常に不穏な雰囲気が漂っているのでバッチリ怖がれる。

おもちゃを使ったいろんな謎解きが用意されている
アマンダの眼光が普通に怖い

謎解きも簡単なものから、頭ヒネるものまでさまざまで遊びごたえがあり、映像に隠されたヒントがのちのち役立ったりするのでペンと紙は必須だ。アニメ映像と現実がリンクする感覚は恐ろしくも楽しい。ただ文字をキーボードで打つ箇所は日本語の答えがわかりにくいのが残念。

アニメの内容もどんどんおかしくなっていく

クリアは3時間ちょっとでクリア出来ましたが、雰囲気を堪能するには満足なボリューム。
ただストーリー的にはアニメの正体を匂わせる文章や映像はあるけれど、最後までわからない事が多すぎるのでモヤモヤしながら終わってしまったのが個人的には残念でした。考察は苦手なんだよなぁ…。

本作はストーリーに物足りなさは感じますが、歯応えある謎解きと、CGアニメの不穏な恐怖が楽しい一本でした。続編が登場したらぜひ遊びたいですね。


DATA

AMANDA THE ADVENTURER
発売:DreadXP
開発:MANGLEDmaw Games
対応ハード:Steam
発売年:2023年4月26日
ジャンル:アドベンチャー


ちなみに最近この手の子供向けCGアニメモチーフの作品だとインディーズアニメ「アメイジングデジタルサーカス」が面白かったね。こちらは可愛いし笑えるけど、恐ろしさも感じる良い素晴らしいアニメ。日本語吹き替えもあるぞ。



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