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取り戻す旅路へ【 オプーナ 】 (Wii)

ティティア星人のオプーナは両親と兄弟と共に宇宙船に乗って旅行の真っ最中。しかし正体不明の機体に攻撃され、宇宙船からポッドに乗って緊急脱出をする事態になってしまった。
不時着した先は惑星「ランドロール」離れ離れになってしまった兄弟と両親を探すためオプーナは旅に出る。
だけどこの星は何か仕事をしなければ何処にも行けないシステムがある変わった惑星。オプーナは流れのままこの星の警護する職業「ランドロールガード」になるのだった。

ネット上では「買う権利」のネタで非常に有名なオプーナ 。でもあの球を頭に乗っけた主人公以外正直なにもわからないゲームだ。ならプレイしてみるしかない。好奇心と探究心が大事なのだ。

そんなオプーナのゲームジャンルは「ライフスタイルRPG」「RPG」の部分はオプーナの頭に乗っけた球「エナジーボンボン」を操ってモンスターを倒したりしてレベルを上げていくRPGなのだが、「ライフスタイル」の部分は本作の肝である「ライセンス」というものが絡んでくる。

ゲームの舞台であるランドロールという惑星は「仕事」をとても重要視している星で惑星内を移動するには「ライセンス(職業)」の取得が必須だ。特にいろんな場所に行くには高いランクのライセンスが必要になってくる。その為オプーナは街を警護をする仕事の他にもウエイターやアイドル、占い師、清掃員など様々なライセンスを取得していくためにお仕事(ミニゲーム)をこなしていく事になる。ここら辺のお仕事が「ライフスタイル」な所なのだろう。そう、オプーナは様々な職業の就労体験ゲームの側面も持っているのだ。

そんな二つの側面を持った本作だが第一印象の取っ付きにくさは否めない。
演出は淡白で序盤の墜落シーン以外、ビジュアル的にドラマチックな展開はあまり無いし、ストーリーの進行は説明があまりない為攻略情報を見ないとわかりにくいし、機械的で無機質な街は迷う事この上ない。
しかも戦闘の難易度は見た目とは裏腹に高い。まさか魔法やアイテムを選択している最中でさえ全てがリアルタイムで進むバトルとは思わなかった…。

オプーナを取り囲む魅力

しかし本作はそれを補うだけの魅力が詰まっている。
第一に「音楽」。これが目玉だと言っても過言ではない。本作で流れる音楽はどれも何度聞いても飽きる事はない、優しい雰囲気が漂う癒しのBGM達だ。僕も本作のサントラは購入を検討している。(特にアルティエラとフォンテーヌのBGMは最高)

二つ目は本作の「モダンなビジュアル」。唯一無二と言って良いほど個性的すぎる敵デザインや、街に点在する独創性溢れる美術品、オブジェなど視覚的に面白い要素がさり気なく点在しているのも面白い。オプーナのデザインもこの世界なら納得せざる得ないのだ。そして女の子のデザインは可愛い。チャイカ可愛い。

三つ目は「世界観の奥深さ」だ。街で出会うトモダチとの優しさと健気さに溢れた個性豊かなサブシナリオは種類が多く非常にやりごたえたっぷりだ。(特にアンジュのシナリオは良かった)
そして本作のメインシナリオは徐々にランドロール星の真実が明かされて行き、完璧に見えていたランドロール星のディストピア的な影をプレイヤーに徐々に匂わせるテキストは非常に上手い。たまにゾッとするような場面や台詞がさりげなくあるので驚くぞ。

そんな訳で当初は戸惑ったものの、本作の粒揃いな魅力に気付いてからは、やればやるほど旨味が出るたまらなく愛おしい、心打たれるゲームになってしまいました。
もしかしたら僕の求めていたゲームとはこういうモノだったのかもしれない…何か洗脳でも受けたんじゃないかと疑われるかもしれないがマジですよ

そんな訳でオプーナはネタで始めたものの、最後にはその余韻にちょっとでも浸りたいと思ってしまう粗は確かにありますが、とても心に残る素晴らしいゲームでした。いずれSwitchなどでも移植していただきたいです。


DATA

オプーナ
発売:コーエー
開発:アルテピアッツァ、キャトルコール
対応ハード:Wii
発売日:2007年11月1日
ジャンル:ライフスタイルRPG



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん