猫がやったなら、無罪。【 Little Kitty, Big City 】(XBOX series X)
猫は最高
猫。それはこの世で最も素晴らしい生き物。あの完璧なフォルム、あの愛くるしい鳴き声、あのいじらしい仕草、全てが完璧。まさしくパーフェクト生命体…そんな出だしで僕も感想文を書いた、2022年に登場した猫が主人公のアドベンチャーゲーム「Stray」は美しいグラフィックと、リアルな猫仕草が猫好きにはたまらなく嬉しい一本だった。現代の猫ゲームは愛でるよりも自分が猫になるモノなのだ。
そんな猫が主役のゲームが、今年また新たに登場した。ワシントン州シアトルのDouble Dagger Studioが開発発売した本作「Little Kitty, Big City」は寝相を間違えて自宅の窓から落ちてしまった子猫が自宅に無事帰るのが目的のアクションアドベンチャーゲーム。とはいえコイツは好奇心旺盛な子猫。オープンワールドな道中を探索しながら、様々なクエストをこなし、ゴールの自宅を目指すのだ。ちなみに本作では猫が可哀想な目には遭わないぞ。(重要)
舞台は日本
見どころはやはり日本を模した街並み。日本製と言われてもなにも違和感を感じない、日本すぎる街並みの再現度は圧巻。そして今のオレは猫。いつも目にしている風景も視点が変わるだけで広大な世界にガラリと変わる。狭い路地に、建物の隙間、人間には通れない場所も猫なら縦横無尽に移動し放題だ。探索、収集要素やサイドクエストもあるうえ、行手行手になにかしらの発見があるので、ユルく歩くだけでも楽しい。犬や水たまり、キュウリが行手を阻むのも猫らしくてかわいいぞ。(日本語が書かれていないのも文字を認識できない猫の視点らしくて良い)
そして猫アクションはSTRAY同様どれも「わかっている」ものになっているので。猫の仕草やその動きはどれも可愛らしく描かれているし、猫らしいパルクールなアクションの数々を楽しめる。オレは今まさしく猫だ!
猫だからやりたい放題
そして猫ならではの迷惑行為も本作の魅力。庭先へ侵入し、邪魔な植木鉢は猫パンチで落とし、乾いていないセメントに足跡をつけ、必要なモノは人間からいただこう。不法侵入?器物破損?窃盗?そーんな人間の法律は猫には関係無い、猫は悪くない。そこに置いた人間、盗まれる隙を見せた人間が全部悪い!そんな無邪気な猫メンタルで思う存分暴れ回ろう。なんせそれが許されたゲームだしね!猫はいつだって正しいのだ。もちろん頭の中で流れる曲は打首獄門同好会の「猫の惑星」だ。
短いけれど濃密な猫体験
そんな本作は4〜5時間程度でクリアできてしまうくらいのコンパクトなボリューム。しかし街は狭いながらも密度が濃く、子猫が冒険するには十分すぎる広さだし、クエストの量も混乱しない程度の数で、飽きずに十二分に楽しんだと思える腹八分目くらいのタイミングでクリア出来る。おかげでとても満足度の高いまとまりのあるゲームになっている。
ちなみに本作は日本語にも対応しているのだが、ローカライズに関しては若干翻訳がわかりにくいのがちょっと残念。まぁ目的はどれもシンプルなので道中の動物たちのよくわからん会話は聞き流すのも吉だ。
そんなわけで個人的にとても楽しみだった本作は、子猫サイズのボリュームながらも楽しくかわいい猫になって無邪気に冒険できる大満足の内容でした。猫好きの方、猫を飼われている方、猫を信奉している方、猫の奴隷の方、猫の方は是非遊んでみてください。🐈🐈🐈
DATA
Little Kitty, Big City
発売 / 開発:Double Dagger Studio
対応ハード:Xbox series X/S、XboxONE、Switch、Steam
発売日:2024年5月10日
ジャンル:アドベンチャー
注意:以降はネタバレがあります。
終盤、頑張ってスタミナを貯めて、マンションを登るところは今まで登場してきた動物たちの再開するのもちょっとまさに可愛らしくもクライマックス感がありましたね。
そして最後、飼い主に首輪をつけてもらうシーンで、この猫に名前をつける展開もなんだか昔飼っていた猫を思い出してなかなかウルっときました。ウチの黒猫も赤い首輪してたな…。