見出し画像

ネオジオ1発目は地獄の戦場【 NAM-1975 】(Arcade)

NEOGEO一本目ってコレ!?

ネオジオ。80年代から90年代にかけてゲームセンターで遊ぶアーケードゲームは、グラフィック面でもサウンド面でも最先端のクオリティであり、ファミコン等の家庭用ゲームはその性能の前では足元にも及ばず、同名の移植タイトルがファミコンで登場してもその出来はアーケードとはかなりの差があった。
1990年にSNKが発売したネオジオはアーケードゲームとして展開していたゲームを、一本約3万円と高額な価格の代わりにアーケードと全く同じものを家庭でも楽しめるようにしてくれたアーケード兼家庭用のゲーム機だ。
90年代の格闘ゲームブームに乗り「餓狼伝説」「メタルスラッグ」「サムライスピリッツ」そして「キングオブファイターズ」など人気ゲームシリーズを次々と発売しSNKはひと時の栄華を極めることとなった…。

そんなネオジオも僕がゲームセンターに行き始めた頃にはすでにキングオブファイターズ2003が稼働し、PS2で高い移植度のゲームが楽しめる時代になったのもあり、その役目を終えようとしていた。
でも当時のゲームショップで僕も「サムライスピリッツ零」や「KOF2003」の高額な価格に目玉が飛び出る思いはしたよな。

改めてネットでネオジオの歴史を追うと格闘ゲームやアクションだけではなくシューティングにスポーツ、クイズ、パズルと様々なジャンルのゲームが多数登場しておりその幅広さに驚く、特にネオジオの転換点となる「餓狼伝説」登場以前のネオジオは手探り状態で様々なジャンルのゲームを制作していたのが伺える。そんなネオジオの記念すべき一本目が本作「NAM-1975」だ。
今回はアーケードアーカイブス版でプレイ。たった800円でネオジオのゲームがいつでも遊べるなんて良い時代だぜ!

濃すぎる主人公!濃すぎる敵!

本作は1975年。泥沼のベトナム戦争末期に誘拐された科学者アルバート・ムックリー博士とその娘ナンシーを救うため、2人のアメリカ特殊部隊員が立ち向かうと言うストーリー。スタート前のデモムービーから濃い。半裸だし、顔のアップが怖いぞ。

デモ画面その① 半裸!
デモ画面その② 主人公のアップ!目がでかい!怖い!
ボスも濃い!というか左のアンタ「微笑みデブ」だよね!?

ゲームシステムは1988年にタイトーの「カベール」をはじめとした、ナツメの「ワイルドガンズ」や任天堂の「罪と罰 地球の継承者」を思わせるキャラクターを左右に移動しながら正面の敵を機関銃と手榴弾でバリバリ倒していくもの。カベールは移植もないので遊んだことないけど動画を見たら、本作がかなり意識で作ってるのか画面が似ていて面白いぞ。

この操作は慣れるまでは大変だ!
ステージで人質になってる金髪女性を助けるとなんと共に機関銃で戦ってくれるぞ!

戦場ではクレジットは無も同然

そんな本作は難易度が高く超難しい。こちらに容赦なく向かってくる銃弾、手榴弾、そしてミサイル。
デフォルトの難易度のはずなのに戦場に降り立ち気づくと既にコンティニュー画面になっている。
まさに多勢に無勢、無数の弾と敵が容赦なくプレイヤーを襲ってくるし、敵は固くてこちらの機関銃をものともしない。死んでしまった後の無敵時間も微妙に短く、復活したと思ったら既に死んでいるなんてことは当たり前、まさしくここが正真正銘の地獄であり戦場であることを教えてくれる。いや、無理だってこんなの!

容赦のない高速弾がシルバー中尉を襲う!
大型輸送機との対決!大量の砲塔が強すぎる!
ラスボス手前の強敵女性兵士。顔が怖い!実はキューブリックの映画「フルメタルジャケット」のワンシーンをそのままトレスしている!いいのかそれ!?

そんなこんなで総力戦を迫られアケアカだから出来る鬼コンティニューでラスボスとご対面。なんとボスは誘拐されたはずのムックリー博士その人であった!コイツも濃い顔してやがるぜ!胸を借りたつもりで挑むと…え!?コンティニュー不可?!
ベトナムが吹っ飛んでゲームオーバー!?
こんなの絶対勝てるわけないじゃん!!!

無限に弾を撃ちまくるラスボス!強すぎる!!!
ラスボスに負けるとムックリー博士も突然の顔のアップ!Dr.エッグマンじゃないよ!
そして吹き飛ぶベトナム!
問答無用にゲームオーバー!こんなに悲しげな体育座り見たことない!

なんだかキャプチャ画像が多いけど、このゲーム一つ一つの絵が面白すぎるんだよ!あと調べていて知ったけれど映画シーンのトレース多すぎる!

NAMも優しいところがあるんです

無理だ。このゲームを通常難易度と残機でクリアするのは俺には無理だ。しかしエンディングは見たい!ならば難易度を最低まで下げて、残機を最大にして再挑戦だ。

するとどうだろう、敵の武器が故障しているのかと錯覚するほど序盤は弾を撃たないし、体も柔らかい。先ほどの地獄が嘘のように遊びやすくなっている。こうして遊ぶと地獄では身動きが取れずにわからなかった軽快な操作とバリバリ敵を倒す爽快感と弾を避ける適度なスリルが味わえる。こっこれは丁度よく普通に面白い!
もちろんラスボスも優しくクリアさせてもらいました。ここから難易度も徐々に上げていけば適度に楽しめそうだ。あの地獄は一体なんだったんだ。

そんなわけでネオジオ一本目の本作はやたら濃いビジュアルと、雑な展開、100円を搾り取る気まんまんの地獄の難易度がまるで大味な駄菓子のような感覚を覚えますが、その大味さが面白くそして憎めない作品でした。

…いや、ゲーセンで遊んでいたら憎んでたかもしれない。


DATA

NAM-1975
発売 / 開発:SNK
発売年:1990年
ジャンル:アクションシューティング
主な移植:アケアカNEOGEO(PS4,XBOX ONE,Switch他)



いいなと思ったら応援しよう!

【ゲーム感想】えすえふ
映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん