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仲間は見捨てろ【 THE 日本特殊部隊 】 (PS2)

数発で終わる緊張感

いつも思う事なのだが、シンプルシリーズは目の付けどころが鋭い。
レインボーシックスなどの特殊部隊モノは他にもあるが、日本を舞台にした作品は本作「THE日本特殊部隊」だけではないだろうか。
コンビニ、駅、繁華街など身近な場所で起きる事件のリアリティはやっぱり他国や違う惑星で起きたモノとは訳が違う。 だけど本作はあのシンプルシリーズ、さてどのような作品に仕上がっているだろうか。

ゲームの内容はNPCの仲間と二人一組でマップ内に武装して潜伏している犯人を一人残らず逮捕するのが目的だ。 犯人から見つからずに行動するステルスアクションの要素が強く、プレイヤーは上手く敵の背後にまわり逮捕していくプレイが求められる。
そして特殊部隊には一定時間透明になれるステルスモードが備えられており普段なら敵に見つかるような大胆な行動もとれる事で犯人逮捕の近道を取る事も出来、逮捕に成功すれば高得点がもらえる上、昇級すれば新たな武器も手に入る。 しかし仲間が殺害されたり、犯人を殺害してしまった場合は減点されてしまう。なるべく死人を出さず任務を遂行する事も重要だ。
又、プレイヤーのライフは普通難易度の場合、一部の隊員を除き三回ダメージを受けてしまうと任務失敗になってしまう、敵中に突っ込んだらすぐにやられてしまうシビアな設定だ。 人命尊重、少ないライフなどの厳しいハードルが合間って敵の巡回経路や行動パターンを覚え、ステルスモードになるタイミングを見極めたりと慎重な行動が本作では求められており、そのおかげで緊張感も抜群だ。

粗さがもたらす緊張感

しかし本作の緊張感を高めているのはそれだけではない。作品自体の作りの荒さもまた、作品の緊張感を引き出しているのだ。
まずその操作性の悪さ、細かい照準が付けにくく特に狙撃モードは最悪である、それに初期バイオハザードと同じリモコン操作のためか方向転換がやや遅く迅速な行動が難しい。
それに加え武器の弾がきれてしまった場合、武器の持ち替え以上にリロードを優先しており敵を目の前にリロードしてしまう事もしばしば起こってしまう。
他にも敵を背後から無力化しても近くにドアがあった場合、逮捕よりドアの行動が優先され逮捕できない場合があるなど本作はさまざまな所で、予期せぬ障害が起きるのだ。
そのせいか、本作では上手くいくはずの行動が予期せぬ障害で阻まれ、逆にピンチになるといパターンが多く普通では味わえない緊迫感を味わう事もできるのだ。珍しく荒削りな作りが逆にゲームを面白くしているのだ。(ホントかよ)

決して良作というわけではない

しかし本作はいい面ばかりでは決して無い、様々な問題を抱えているのも確かだ。特に一番の問題はパートナーであるNPCの存在である。これが全く箸にも棒にもかからない役立たずのお荷物なのである。
細かな支持は出せず、共に行動すると即見つかり、すぐに死んでしまう、むしろいない方がいい存在なのだ。唯一の救いはその場で待機させる事が出来るので任務スタートすると同時に待機させられる事だ。給料泥棒め。
他にも種類が多いわりに使い道がない武器が多かったり、マップの数が少なく使い回しが多かったりと不満を言ってしまえばキリがない。しかしその多くの不満が逆に作品の緊迫感などに貢献している気がするのは僕だけだろうか。まぁもう少しステージのバリエーションは欲しかった気はするけれど。
かなり主観が入っておりオススメはしませんが、歯ごたえがあり、何度も挑戦したくなる絶妙な難易度なので遊びごたえはあります。


DATA

SIMPLE2000シリーズ Vol.108
THE 日本特殊部隊 〜凶悪犯罪列島24時〜
発売:D3パブリッシャー
開発:タムソフト
対応ハード:PS2
発売日:2006年9月14日
ジャンル:TPS/FPS



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