シーでゼルダな冒険譚【 アドベンチャー・オブ・東京ディズニーシー 〜失われた宝石の秘密 】(PS2)
そこは夢の海…のゲーム
この前5年ぶりに東京ディズニーシーに行ってきたんです。新たなエリア「ファンタジースプリングス」を迎え、活気立つディズニーシーは平日の水曜日とは思えぬゲストの量で驚いたのなんの。
こちらもなんとかファンタジースプリングスに行きたいがために、いつも以上に早起きしてなんとか「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」と「ラプンツェルのランタンフェスティバル」に乗ることが出来ました。令和製のアトラクションは凄まじいクオリティだったな…!(アナ雪は争奪戦に敗れました。)
しかし現行のディズニーシーはアトラクションに乗るのも、食事するのもスマホ予約が当たり前となり、なかなか難易度の高いものになっていて、友人の仕事先にいるディズニーマニアの助言が無ければ路頭に迷う所でした。しかしこんな歳になってもやっぱりディズニーシーはイカすし楽しい!
そんな東京ディズニーシーに初めて行ったのはたしか2001年のオープン直後の冬。中1ながらランドとは違う、冒険をイメージさせるアトラクションに興奮したし、大人な雰囲気も大変好きだった。インディ・ジョーンズに恐怖し、ストームライダーや海底2万マイルに困惑したし、自宅に帰って即インフルエンザを患い地獄の日々を味わった事も鮮明に覚えている。
ディズニーシーをPS2で再現!
そして当時本作「アドベンチャーオブ東京ディズニーシー 〜失われた宝石の秘密」が発売された事も覚えている。本作はオープン3ヶ月後にコナミから発売されたアクションアドベンチャーゲーム。たしか当時園内のショップでも売っていたぞ。そんな訳で余韻も冷めない内に本作も遊んでおこう。
ストーリーは主人公の少年がランプの魔人ジーニーの誘いによってディズニーシーの冒険に飛び込み、バラバラになったプリンセス・オブ・ザ・シーの魔法の宝石を集めるためディズニーシーの各エリアがモチーフとなったステージをクリアしていくというもの。
各ステージではそのエリアにゆかりのある有名キャラやオリジナルキャラが登場し、事件に巻き込まれたりする。キングダムハーツに比べるとキャラのモデルがイマイチだったり、口パクが雑だったりと残念な部分もあるが、声優は聞いただけで誰かわかるくらい豪華な上、エリアの再現度も場所によっては高かったりとなかなか楽しい。
ちなみに本作はミッキー、ドナルド等のお馴染みの面子はほとんど登場しない。あったとしても絵画等に描かれているだけに留めており、そこにも謎のこだわりを感じる。まぁ連中の根城はランドのトゥーンタウンだからな…。
ゼルダライクな冒険が君を待つ
当初僕は本作を多少の敵と戦うアクションと、人々との会話で進めていくだけのユルいアドベンチャーかと思って実はかなり舐めていたのだが、ゲームが進むにつれて装備やアクションがだんだん増えていき、欲しい宝箱を得るためやダンジョンの先へ進むために様々なアイテムや能力を駆使していく様はまさしくゼルダの伝説ではないか。謎を解くと音楽が流れるのも同じだ。難易度は優しめではあるが、まさかこんな所で3Dゼルダフォロワーなゲームに出会うとは思わなかった…!
そう思うと本作が俄然楽しくなってきた…!!!
マップも広めで探索しがいがある上に、新しい能力を手に入れてクリアしたステージにもう一度戻ると新たな道が開けたりするのも嬉しい。更に装備なども豊かで宝箱を探すのもかなり楽しかった。かなりゼルダしてるぜ!
そんなわけで本作は15時間くらいでクリア。話が若干薄味だったり、突然極端に難しくなったり、戦闘のアクションにあまりバリエーションがなかったりなど物足りない部分は多々あったけれど、東京ディズニーシーをモチーフにゼルダをするという試みはなかなか面白く、開園当初のディズニーシーに思いを馳せつつ最後まで楽しめました。
にしても、こんな事書いていたらまたディズニーシーに行きたくなってきたな…!ああ、カレーポップコーンとチキンレッグが食いてえ…!!!
DATA
アドベンチャー・オブ・東京ディズニーシー 〜失われた宝石の秘密
発売:コナミ
開発:Disney INTERATIVE 、ポリゴンマジック
対応ハード:PS2
(同名のGBA版もあり)
発売日:2001年12月20日
ジャンル:アクションアドベンチャー
[以降はの文章はネタバレを含みます。]
各エリアの感想
せっかくなので各エリアについての感想についても書いておきます。
マーメイドラグーン
映画「リトルマーメイド」がモチーフのエリア。リアルでは美しく作り込まれた凄まじい室内遊園地なのだが、本作ではマジで海の底にある。ただ現実のマーメイドラグーンのビジュアルが凄すぎて本作が負けてるのは致し方無し…。
またアリエルが何度も本人が原因で事件に巻き込まれるので、なかなか手を焼くぞ。今ならあのトリトン王の気持ちがわかる。少しは反省しろ!!!
また悪役の魔女アースラも登場するが、突然魔法で海の中を自由に歩かせてくれたりと、本当に悪役かと思うくらい親切だったり悪事がショボかったりするのが印象的だ。
ポートディスカバリー
今は亡きアトラクション「ストームライダー」をモチーフとしたステージ。サイクロンに対して立ち向かう人々を描く。ヘリコプターが突然喋り出したり、サイクロンの中にダンジョンがあったりとなかなか驚き展開の連続だ。
今は亡きイカすアトラクションに思いを馳せることが出来るステージだ。
アメリカンウォーターフロント
まだトイストーリーマニアやタートル・トークどころかタワー・オブ・テラーすら存在しない、アトラクションが皆無な頃のアメリカンウォーターフロントがモチーフのステージ。ブロードウェイのスターを目指すアンのお話だ。(ダッフィーファミリーにもアンがいるけどきっと偶然だ。)
また、現実のエリアにある「マクダックス・デパートメントストア」も登場し、ドケチな金持ちでご存知スクルージ・マクダック…を人間化したマックなる人物が登場する。なんだかスクルージのようで、クチバシがなく中途半端に人間っぽい顔のおかげでとても奇妙だ…。
そしてエリアの再現度はS.S.コロンビア号は無いが、ブロードウェイはもちろん、現在はダッフィーの領土となっているケープコッドもしっかり再現されており、なかなか嬉しいぞ。
メディテレーニアンハーバー
パークの入り口に面したなかなか名前が覚えられないゴンドラに乗れるヴェネツィアをモチーフにしたステージ。
駆け落ちするには幼すぎるロミオとジュリエットという二人のキャラが主役のようで、本当は夜な夜な人々がどこかに集まり、昼は皆んな眠そうなこの街の謎を解明するのがこのステージの主題。
個性豊かな街の人々が楽しく、それでいてわらしべイベントやゼルダ的な謎解きなども多めなのでとても楽しいステージでした。飲食店が多いおかげでやたらお腹が空くぞ。
ミステリアスアイランド
ノーチラス号が目印のセンターオブジアースと海底2万マイルでご存知なミステリアスアイランド。エリアの再現度としてはおそらく随一の場所。やっぱ、ここに来ると「ディズニーシーに来たな〜」ってなるね。
さてそんな本エリアのストーリーは閉ざされたミステリアスアイランドでのゴタゴタだが、ヒロインがディズニーというよりジブリっぽかったり、ネモ船長がナチュラルに邪魔者を殺そうとしたりと凄い話になっている。(頑なに顔を見せない演出が面白すぎる)
そして無理やりプリンセスオブザシーが解決するのもなかなか面白かったです。なんじゃそりゃ!
アラビアンコースト
映画アラジンがモチーフの夜のライトアップが最も美しいアラビアンコーストだが、作中のステージではもう少しなんとかならなかったのかと思うほど、こじんまりとしていて残念。
その代わりアラジンのキャラクターたちがたっぷり出てくる上に悪漢ジャファーとイアーゴまで登場したりで中々豪華。ただしダンジョンは凶悪で、触れたら即死の溶岩地帯が多くシビアなタイミングのジャンプを要求されてだいぶ頭が沸騰しました。ここにきてこの理不尽な難易度の上昇は結構クるね!
最終的にアラジンを救出してめでたしめでたし。アラジンのキャラクターは賑やかでやはり楽しいね。ただアブーや絨毯、トラのラジャーがいないのが少し寂しくもありました。ちなみにアラジンのCVは羽賀研二ではなく、三木眞一郎でしたね。あと心のコンパスでお馴染みのシンドバットについてはセリフに少し登場するだけでしたね。
ロストリバーデルタ
インディ・ジョーンズとレイジングスピリッツでご存知な遺跡が目玉の鬱蒼としたジャングル地帯だが、本作ではさすがにインディは登場せず、虫たちと共にクリスタルスカルの呪いを解く話になっている。
さすがに遺跡のステージでラストエリアだけあってダンジョンの作りも他よりも複雑で非常にゼルダ味が強くて楽しめましたね。
最終章
ラストはディズニーシーの中心のプロメテウス火山が舞台。そしてラスボスは謎のローブの男こと炎の妖精。突然人類絶滅を解き始めて驚きました。
最終的な結末もなんだか奇跡が起きて大団円と、なかなかフワッとしており、個人的にはあまりスッキリはせずに終わってしまいました。まぁ確かに導入からフワッとはしてたからなぁ…。