アメリカを取り戻せ【 HOMEFRONT 】(360)
北朝鮮が世界を支配!?
注意:本記事にはネタバレが含まれます
そんな攻めた設定の本作は発売当時かなり話題になっていたことを覚えている。(NHKスペシャルでも紹介されていたっけ)
本作の年表を見ると他にも2021年に新種の感染症をが蔓延したり、2024年に北朝鮮が人工衛星を打ち上げなどの記述があったりと微妙に笑えない。
そんな2011年に発売された本作「HOMEFRONT」はコロラド州を舞台にレジスタンスと、北朝鮮こと大朝鮮連邦(KPA)の熾烈な戦いを描くFPS。主人公はレジスタンスに参加し、逆境からゲリラ活動で自由を勝ち取るために戦うのだ。
そんなアメリカ人を徹底的に迫害するKPAとの戦いは、血生臭くどこまでも残酷に描かれ悪夢的な世界が描かれている。
しかもレジスタンスが必ず正義と言える展開ばかりでなく、作戦は成功しても、必ず報復というキツいしっぺ返しがくる展開が起きたりと、自分たちの行動を疑いたくなる、爽快感を抑えた演出がこの戦いの苦々しさを味わえるぞ。
さらに後半では意見の相違からアメリカ人同士で殺し合う展開など、悪夢的な展開が加速して底知れないの戦いの狂気から抜け出せなくなっていくのもなかなか良かった。そんな本作のシナリオは映画「地獄の黙示録」でご存じジョン・ミリアス氏が担当、そりゃ精神に来るわ。
ちなみにローカライズは味方ボイスは全て吹き替えで、常に主人公と行動を共にするコナーは江原正士、レジスタンスの長であるブーンには宝亀克寿、他にも間宮康弘など声優はかなり豪華なのは嬉しかった。
にしてもここまで荒くれボイスな江原正士は結構心にクルな…。
CoDそのままな操作性
FPSとしてはコールオブデューティと同じレール進行のドラマ仕立てのキャンペーン。操作やボタン配置もCoDをかなり意識しており、回復も自動回復だ。
おかげで非常に遊びやすいが、CoDのようなキビキビとした快適な操作感はさすがに再現できなかったのか、若干のモッサリ感は否めない。でもゲームによって操作が変わるよりはなるべく同じにしてくれた方が嬉しいよね…。
そして難易度はKPAの兵士たちがなかなか手練れ揃いなので、油断するとすぐ殺されてしまう。久しぶりに洋ゲーの理不尽な難易度を味わえた気がするぜ…ところでこのゲームどこで難易度選択するんですか?というか用意されていたっけ…。
そして本作の見どころは、巨大ドローン兵器「ゴライアス」でしょう。ターゲットを指定してやれば、自動で突っ込んでミサイルをガンガン撃ってくれる超兵器で、彼のいる安心感はヤバかった!あと可愛い。
信用出来ない仲間たちを失うより、彼の身を挺した犠牲の方が泣けてきますよ…。
尻切れトンボな打切り感
しかしキャンペーンは4時間ほど遊んだ7ステージ目、盛り上がりを見せるゴールデンゲートブリッジでの反転攻勢ミッションを最後に突然終わってしまう。主人公や仲間たちがその後どうなったのかもわからず、ナレーションが流れ、スタッフロールに…って、これ完全に打ち切りエンドじゃないか!
そんなわけで本作は攻めた設定と苦々しいストーリーを楽しめつつ、CoDと同じ操作で手軽に楽しめるFPSではありましたが、荒い作りとその中途半端すぎるラストに若干モヤモヤする一本でもありました。
続編である「HOMEFRONT the Revolution」ではその後アメリカがどうなっているのか気になりますね…。
DATA
HOMEFRONT
発売:THQ
日本販売:スパイク
開発:Kaos Studios
対応ハード:Xbox360、PS3、PC
発売年:2011年4月21日
ジャンル:FPS