もう一つのナイトシティの聖地へ【 サイバーパンク：エッジランナーズ 】(2022)
注意：本記事はネタバレを含みます
サイバーパンクアニメは日本製
サイバーパンク2077はとても良いゲームだ。僕もPS4版で出鼻はくじかれたがXbox series X版でプレイして面白くて片っ端からミッションはクリアした。しかしそんなサイバーパンクシリーズは入手困難な次世代機や返金騒ぎも相まってあまり上手くいっているとは思えなかった。
販売当初のゴタゴタ加減は残念としか言いようがないし、アップデートや追加コンテンツのペースも発売から一年後ようやく次世代期対応したくらいにして、とにかくいろんな事が遅い。もうその頃には満足するまで遊んじゃったよ！
そんな時に現れたのはNetflix独占配信のアニメ「サイバーパンク:エッジランナーズ」制作はキルラキルやプロメアでお馴染みの日本のアニメ制作会社「TRIGGER」。
個人的にはTRIGGERのアニメと僕は相性が悪いのだが、なんとなく本作を見てしまった。しかしこれがなんと大正解。全10話を一気に見てしまうくらい面白かった。
高みを目指して、派手にくたばれ
ストーリーは主人公の立場を含めドン底からジェットコースターのように登り、そして地獄へ真っ逆さまの破滅へと向かう様はとにかく見ていてキツい。キツイけど見てしまって止まらない。デイビッドが派手にくたばる最後まで見届けてやらねば画面に張り付いて見続けていた。
主人公のデイビッドがナイトシティでのし上がれば上がるほど、一人一人と仲間を次々と失っていく辛さは心をとにかく締め付ける！
もうVはジャッキーを手厚く葬れて葬式まで出来るだけマジでマシだよ！こっちじゃ仲間も身内も無残な死に方しかしないし、救いが一切ないんだもんコイツら！あと本作で登場の津田健次郎CVのリパードクも最悪すぎて、かかりつけ医のヴィクターが聖人である事を再確認するぞ。Vがどれだけ人に恵まれていたか実感する。
そして本作では台詞で飛び出す独特の専門用語の数々に一切説明がないのも嬉しい。見てる俺たちが既にナイトシティを堪能しきっている事を前提とした作りだ。それに所々知っているスポットも登場するのでゲームとの距離が非常に近く、改めてゲームで聖地巡りをしたくなるぞ。
おかげで遊んでいないのにまるでゲームを遊んでいるかのような気分にさせてくれる。
にしても中盤「アホな放尿犯かよ！？」という台詞が飛び出すけどソレは空耳アワーのネタじゃねーか！
本作ではとても重要なポジションにあるのがサイバーサイコシス。
ゲームではレジーナのミッションでそこそこ強い中ボス程度の扱いだった、人体改造のしすぎで自我が保てなくなり暴走してしまうサイバーサイコという扱い的には地味だったが、最悪の状態を本作ではコレでもかと掘り下げていく。
麻薬中毒者のように依存と禁断症状に侵され、信頼できる仲間がどんどんおかしくなっていく描写は、普通だった頃を知っているだけにとてもキツイぞ。この世界のうまい話の無さをコレでもかと見せつけてくれる。やっぱナイトシティはクソだな！
むしろどんな人体改造も厭わないVこそ正真正銘特別だったな！(生体チップの影響かもしれない)
正直本作はそのエロもグロも煮詰めまくった残酷すぎる世界が辛すぎて見るに耐えないお話なんだけど、それでも最後まで見ることが出来たのは、ひとえに制作であるTRIGGERのおかげと言えるだろう。体が四散し、脳が飛び散るのが最もポピュラーな死様の街をアニメ化するにはTRIGGERは最適解だ。
こんな最悪世界でどん詰まりの雰囲気を少しでもマイルドにするにはコレくらいのケレン味アクション、極端な色使い、可愛らしいキャラデザが必要だったのだ。
おかげでアクションは主人公の能力はとんでもないモノに見えるし、圧倒的な存在はとにかく強く見える。エロもグロも実際凄いことになってるのはわかるけどおかげでそこそこマイルドに見せてくれている。
終盤の戦闘もとにかく派手で、デイビットたちの最後の奈落への急降下をコレでもかと派手に見せてくれる。
もちろんラスボスであるアダム・スマッシャーはまさしく脅威だ。こんな怖い奴に敵うわけないと思わせるが、サイバースケルトンのデイビッドも同じくらい怖いので、ラストバトルは最後までハラハラするぞ。そしてそんなアダムスマッシャーに素手(ゴリラアーム)で勝った俺のVは涼しい顔したモノホンのバケモノである。
そんな訳でエッジランナーズは今まで一つの目線でしか見ることのできなかったナイトシティをゲームとは違う視点から容赦ないまでに隅々まで見せてくれる素晴らしい作品でした。
これならいろんな視点から見たナイトシティをもっと見てみたくなります。デイビッド・マルティネス。アフターライフの伝説はこんなにもせつなくて残酷だったなんてね。
ちなみにゲームではアニメーションとコラボした、ちょっとしたクエストがちらほら点在している。
彼らの激戦の痕跡がちらほら見えて楽しいぞ。
DATA
サイバーパンク エッジランナーズ
公開年：2022年
製作国：日本
制作：トリガー
話数：10話
監督：今石洋之
配信：Netflix
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