洋ゲーの洗礼がボンドを襲う【007 トゥモローネバーダイ】 (PS1)
世界はまた、この男に救われる
映画「007 トゥモローネバーダイ」我らが英国スパイのジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)とメディア王とが対決する1997年18作目はよくまとままった個人的にはブロスナンボンドの中でも優等生な出来な一本でした。まぁ裏を返せば突出したものがない映画なのですが、本作はそんな映画を題材としたTPS。
ニンテンドー64の名作FPS「ゴールデンアイ007」の後に発売されたゲームという事もあり期待するヒトもいるかもしれないが、本作はゴールデンアイを開発したレア社でも任天堂でもなく、EAからの発売。そのため全く毛色の全く違うゲームだ。
ストーリーは持ち前の軍事力でメディア王「カーヴァー」の野望と暴走を阻止するためにボンドが立ち向かうという大筋は映画と変わらないが、ゲーム用にかなりアレンジが施されており、ボンドが北海道に行って日本人テロリスト「サトシ・イサグラ」と戦ったり、ラストでは文系っぽいカーヴァーが自らアサルトライフルを持ちボンドとガチンコで撃ち合うなど映画とはかなり異なったシーンがあって面白い。(でも映画に登場した殺し屋のドクターカウフマンは登場しないんだよな。)
又007シリーズではおなじみの名物スキーアクションやボンドカーによるカーチェイスなども楽しめたり、映画からの実写映像も多数収録されオープニングテーマは映画と同じ映像がフルで収録されているという気合の入り様だ。逆に映画本編では最も目立つバイクチェイスが再現されていないのはちょっと残念。
昔の洋ゲーは難しい!
しかしこのゲーム、難易度の高さが仇となっている。
とにかく理不尽なくらい強いザコ兵士や、とにかく固いボス、そしてダメージを受けるたびに「アアッ!」と妙に甲高い悲鳴をあげる打たれ弱いボンドを癖のある操作でプレイしていかなければならない。スキーやボンドカーの特殊操作ステージの操作は難しく難易度も高く、そう簡単にクリアさせてもらえない。
ステージが進めば進むほどその鬼畜さは苛烈になって行き、当時ワクワクしながら買ったSF少年は本作のその地獄のような難易度で当時の理不尽な洋ゲーの洗礼を受けたのであった。そのため敵の配置を覚え、回復アイテムの管理が必須となるため気持ちよく遊ぶことは出来ない、しかしクリア出来ない難易度では無いので慎重に進めていけばなんとかなる。
本作は純度の高い洋ゲーであり、日本の丁寧なゲームとは180度逆のセンスと内容に驚く事でしょう。でもジェームズ・ボンドがゲームとはいえ北海道に来てくれたのでちょっと嬉しかったなぁ。
DATA
007 トゥモロー・ネバー・ダイ
発売:エレクトロニック・アーツ
開発:Black Ops Entertainment
対応ハード:PS1
発売日:2000年2月10日
ジャンル:TPS