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SF的映画レビュー

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ネタバレだらけの散文のようなレビューです。 旧作から新作、往年の名作から変なサメ映画までいろいろレビューしていきます。
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#アニメ

IMAXは鳥肌モノ【 AKIRA 】(1988)

今回IMAX版が上映されたので改めて見てみました。 いやいや、2020年にマジで東京オリンピックが開催される時期に本作を上映するなんて粋な事をしてくれますね。延期しちゃいましたが…。 まぁこちらの世界はオリンピックどころか開催地がまるごと崩壊する話。 そして実は僕この映画版の話をほぼ覚えていなかったので、改めて新鮮に見る事で来ました。 そして本作はやっぱりカッコいい。 AKIRAのタイトルロゴがバーン!と出る始まりからもう痺れますし、金田対クラウンのバイクバトルも鳥肌たちっ

一年半ぶりのガルパン【アニメ:ガールズ&パンツァー最終章 第二話 (2019)】ネタバレ有

なんと第一話から一年以上の間が開くとは…まぁこのシリーズは気長に楽しんで行きたいと思います さて今回はBC自由学園からの知波単学園戦まで 第一話のピンチから相手のチームの構造を逆手に取った戦略での勝利は面白かったですし、終盤マリー隊長を追う熱い攻防は見応えありました、これぞガルパン! そして大会を勝ち上がる連中は皆おなじみの学校ばかり。ひとつくらい知らないのが登って来ても欲しかったけれど、ところどころ知らない高校が出てくるのが楽しかったです。地味に漫画で登場していたマジノ女

80’sやりたい放題アニメ!【映画:プロジェクトA子 (1986)】

プロジェクトA子という身も蓋もない作品名で気づくべきだった。 冒頭からなにやら大きな事件の予感を感じさせる都市の崩壊シーン。きっと壮大なA子の冒険が始まるかと思いきや 始まったのはギャグマンガテイストの友達の奪い合い。それが一度か二度かと思いきや何度も起きる。一向に話が前に進まない。なんだこれ…。 確かに女の子は可愛いし、破壊シーンとかの作画は凄いけど、しょうもないパロディまであって一つも中身がないぞ…。 そして近づく謎の宇宙艦隊…から始まる80年代のセンス爆発の超作画ドッグ

映画:ゴッホ 最後の手紙 (2018)ネタバレ有

愛?いや、どこまでも狂気。 それはゴッホではなくこの映画が。 とにかく全手書きの油絵でゴッホ調なタッチで描かれるアニメは圧巻。気持ち悪くなるくらい圧巻。しかもそれがロトスコープでヌルヌル動くのだから余計圧倒される。これ全部油絵なのかと思うと気が遠くなる。しかも平然と背景ごと動いたりパンしたりするからひと時も目が離せない。とにかく、とにかく凄い。狂ってる さて、ストーリーはというとゴッホが弟テオに渡すはずだった手紙を渡すため郵便屋の息子である主人公が旅に出ると同時に途中からゴ

映画:妖獣都市 (1987) ネタバレ有

闇ガード!声に出して言いたい言葉!闇ガード! 間界と魔界の、不可侵条約締結の鍵となる霊能者ジュゼッペ・マイヤート。 彼を護衛する<闇ガード>滝 蓮三郎は、魔界から派遣された美女・麻紀絵とコンビを組み、奇怪な姿と恐るべき能力で襲いかかる妖獣たちを相手に、死闘を繰り広げる――!  <Amazon解説より> 時はOVA絶頂期!「この作画を見よ!」と言わんばかりに動きまくる超劇画アニメーション! でもその内容は初っぱなからエロ!グロ!エロ!アクション!エロ!エロ!アクション.

映画:ニンジャバットマン (2018)ネタバレ有

開始早々アーカムアサイラムは時空転移装置とかなんとかで丸ごとタイムリープ!時は戦国!大体の連中はバットマンより一足早くこの地に馴染んでる。 そして始まるのは恒例のバットマンvsジョーカー! …そんなストーリーにはあまり惹かれなったけれどアニメを製作するのがあの「神風動画」なら話は別だ。あのアニメ版ジョジョで濃すぎるオープニングを作った連中が作り出す長編アニメは劇場で見なきゃ損だ! そして仕上がったものは終始ハイテンションであらゆる日本的な要素をぶち込み、闇鍋の如くチャンポンし

映画:スパイダーマン・スパイダーバース (2019) ネタバレ有

仲間、友達、運命共同体 独特な漫画風タッチのビジュアルにコレでもかと言わんばかりの色の洪水。スピード感溢れるシーンの連続にはワクワクが止まりません。こんな色だけで感動するなんてスピードレーサー以来だ。そしてそれぞれのスパイダーマンの絵柄が違うのがコレまた面白い。というか凄い。ペニー可愛い。 そんな本作の主人公マイルスは半人前スパイダーマン。死んでしまったスパイダーマンの意思を継ぎ頑張るもなったばかりでどーしていいのかも分からない始末。時空の歪みでやってきた他のスパイダーマン連

映画:若おかみは小学生! (2018)ネタバレ有

突きつけられる現実と優しい世界 楽しくも忙しい現実とファンタジーな世界で小学生なのに旅館の若女将というあり得ない生活を送る事になった主人公おっこ。 祖母の旅館の若女将として成長して行きながらも、その下地には両親の死という受け入れられない現実が根付いている。 忘れられるわけがない両親との思い出、若女将として立派になるため受け入れようと努力しつつももまだ甘えていたかった子供ながらの思いが混ざり合う。時にはトラックを見てパニックを起こす。おっこの毅然とした態度と成長、賑やかなファ

映画:未来のミライ (2018)

子供の夢は心のように不条理 なにやら国内と国外で極端に評価が分かれているので、大人の…いや、オタクの汚い好奇心に駆られて視聴。 ネット上で文句の一端を見ていたが本作を見てちょい納得。たしかに整合性は無いし、かなり唐突な展開には理由も語られない。ただ主人公くんちゃんが両親から貰ってきた愛を全て掻っ攫って行く妹の出現から不思議な事が起こりまくる。 でも、なかなか面白い作りをしている。はっきり行って展開は不条理の極み。その理由も仕掛けも本編では語られない。夢の中のような世界で両親

映画:聲の形(2016) ネタバレ有

過去は変えられないし、やってしまった過ちも変えられない。 誰しもずっとある心の片隅にある。忘れたくても忘れられない償いようの無い罪悪感。 罪悪感を消す方法は人それぞれ。忘れようとする奴、誤摩化そうとする奴、都合良く解釈する奴、他人のせいにする奴、逃げる奴、死ぬ奴。 子供の頃の過ちは大人のように簡単じゃない。裁判や調停では片付けられないし、金でどうこう出来る問題でもない。 そして謝りも許しもしないまま時間が流れる。ただただ頭に消しようの無いモヤだけが残る。 本作の主人公石田の