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SF的映画レビュー

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ネタバレだらけの散文のようなレビューです。 旧作から新作、往年の名作から変なサメ映画までいろいろレビューしていきます。
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2019年4月の記事一覧

映画:IT イット “それ”が見えたら、終わり。 (2018) ネタバレ有

一体アイツはなんだったのか。 本作はホラー作品ではあるが、それと同時にスタンドバイミーやグーニーズのような少年少女達の冒険モノの色が強い作品である。 前半は完全に不条理な恐怖描写の数々とビックリする演出(音頑張り過ぎ)にビビりまくりだった。子供達のトラウマをえぐるモディリアニ風怪物やゾンビなどありとあらゆる恐怖が襲ってくる描写はバラエティ豊かで非常に楽しい。(ページをめくるたびに写真がズームになっていくシーンが最高)そしてピエロ。奴もモチロンなかなかユーモアもありつつ恐ろしく

映画:L.A.ギャングストーリー (2013)ネタバレ有

許さん!このLAは俺たちが守る!!! 警察はギャングの手に落ちた…買収され、誰も奴らには逆らわない…しかしそんな中でも正義の炎は消えていなかった。金に目がくらまず正しき血潮が流れる彼らの歴史には残らない反撃が始まる! いや、当初は50年代ギャングものでもダークでリアルな雰囲気でやっていくのか、と思ったら外連味たっぷりなハードボイルドでアクションな七人の侍ライクの映画だったとは…いいじゃないのさ! これぞフィルムノアール!と言わんばかりの50年代LAの華やかな雰囲気と極端な暴

映画:翔んで埼玉 (2019)ネタバレ有

根強い差別問題。 それは東洋日本も同じである。グリーンブックがその人種差別に苦しむ人間との旅を通して主人公の考えが変わっていくと同じように、この翔んで埼玉の東京都民の二階堂ふみ演じる壇ノ浦百美も旅を通して変わっていく。 そして今、鼻で笑われ貶され己が地元をシャレの如く使われる埼玉県民の怒りが今牙を剥く。 …まぁ本作は大層なもんではないし、社会派なわけでもない。ただ飲みの席での野次のようなもんだが積もり積もればなんとやら、こんな映画も出来てしまう。 お高く止まった都民の醜さ、

映画:グリーンブック (2019)ネタバレ有

狭い価値観が蔓延る世界で彼らの友情はなんと輝いている事だろう。 今年のアカデミー賞はなんだかんだで結構見ている。スパイダーバースに、ボヘミアンラプソディ、ROMA、ブラックパンサー…そしてやっと見る事が出来ましたグリーンブック。本作は想像以上にベタなロードムービーではあるがとても心地よく暖かい作品でした。 ドライバーのトニー・リップ演じるヴィゴ・モーテンセンの演技は秀逸。やさぐれてはいるが人情と自分の価値観を持った生き方を演じきっており、ドグとの打ち解け方も非常に嘘が無いよ

20年前の実写ガンダム【G-SAVIOUR (2000)】ネタバレ有

これが実写ガンダムだ! ガンダムと実写。思えばガンダムと実写というのはなかなか結びつきが弱い。昨今では「レディ・プレイヤー・1」にガンダムが登場した事もあったけれどアレはゲスト出演という形。 初代プレステでも実写の太いシャアが登場する「GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH」なるゲームもアレな内容ではあったが頑張って一年戦争を再現していた。しかし今回レビューを書く「Gセイバー」は完全新作!なんと海外との共同制作で作られたインターナショナルなガンダムだ! …